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【第92回天皇杯 準々決勝 C大阪 vs G大阪】プレビュー:天皇杯で7年ぶりに実現した大阪ダービー。長居決戦を制するのは、若さあふれるC大阪か、経験と伝統のG大阪か(12.12.22)

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天皇杯の舞台では、2005年12月24日に行われた第85回大会の準々決勝以来、7年ぶりに実現するのが、C大阪(セレッソ)とG大阪(ガンバ)の大阪ダービー。リーグ戦では最後まで苦しみ続けた両者が、その悔しさを払拭すべく、また今季の大阪を代表するチームを決めるべく、雌雄を決する。舞台は、C大阪のホームスタジアムでもある、大阪長居スタジアム。この地が、12月23日(日)、大阪を二分した、熱き闘いの戦場となる。

セレッソとガンバの公式戦対戦成績は、セレッソが12勝5分20敗と下回っている。ただし、昨年のACLでセレッソがガンバに高橋大輔の決勝点で1-0と勝利してからは、2勝2分と負けなし。今季最初の対戦となったJ1第2節でも、終了間際のケンペスのヘディングシュートにより2-1として、リーグ戦では12試合ぶりにガンバに勝利。かつ、長居でのJ1でも、2001年以来の白星を得た。さらに、「ダービーの天皇杯では、ガンバには相性がいいと思う」と酒本憲幸も振り返るように、過去2度の天皇杯での対戦では、いずれもセレッソが勝ち進んでいる。

そして、J1リーグ戦では、最終節までもつれる厳しい残留争いの末、セレッソは自力で残留を決め、それとは対照的に、ガンバは17位という屈辱的な成績で初めてJ2へと降格することが決まった。これまでにはなかったような図式のもと、因縁のダービーマッチが行われる。

4回戦の清水戦では、外国籍選手や、レヴィークルピ監督が不在という苦しい状況でも、小菊昭雄コーチのもと一体感を示したセレッソは、17歳FW南野拓実の公式戦初得点などで4-0と大勝。その流れは、控え組や来年昇格予定のC大阪U-18の選手たちで臨んだ今季最後の練習試合でも見られ、韓国の強豪である光云大学に2-1と勝利。37歳の若きリーダーも「本当にうれしい」と語る内容と結果を、2日間にわたってチーム全体で出し続けた。その後、2日間のオフを経ても、そのいい流れを継続し、「高いモチベーションでやっていて、こっちがブレーキをかけなければいけなかったくらい」と小菊コーチも言うような、緊張感のある充実したトレーニングを実施。前日練習後、「今週は1人1人が最高の準備ができている」と杉本健勇も述べたように、宿敵相手の大一番に向けて、桜色のチームは戦闘態勢を整えた。

ただし、セレッソは、これまでガンバに何度も苦渋をなめさせられてきた。「僕自身も、アカデミー、スカウトから、セレッソで15年やってきて、ガンバの背中を追いかけてきた1人」という小菊コーチは、「セレッソに関わるすべての人が、ガンバにいつの日か追い付いて追い越すというのを目標にやってきた過程を、僕は見てきているつもり。本当にそういう人たちの熱い想いを胸に戦いたい」と述べたうえで、「リーグ戦の順位も含めて、今回、僕らがガンバを倒して、なおかつタイトルを取ることができれば、ガンバとの1つの時代にピリオドを打てたという証明になる」と、一層気合いを込める。

その思いは、選手も同じ。「大阪はどっちが強いか、証明できるチャンス。しっかり(ガンバを)叩きつぶして、セレッソが上だというところを見せたい」(柿谷曜一朗)、「同じ大阪のチームで、いろいろ(セレッソは)言われてきたし、僕自身、すごく悔しい思いもした。しっかりここで勝って、これまでの思いを晴らしたい」(杉本)、「小さい頃からセレッソファンで、その試合(ダービー)には特別な思いがある。チームで1番走って、1番貢献できるようにしたいし、自分がゴールできればと思っている。チームが勝つことを信じて、思い切り全力でぶつかりたい」(南野)。この一戦にかける強い気持ちを、生え抜きの選手をはじめ、誰もが持ち合わせている。また、「長居でダービーができるのはすごく幸せなこと。たくさんの人たちが来てくれて、いい雰囲気のなかでサッカーができる喜びをかみしめて、いいプレーをして、チーム全員で勝利をつかみたい」と扇原貴宏が言うように、セレッソとしては絶対に、今季最後の『聖地』長居でのゲームで負けるわけにはいかない。

一方のガンバは、4回戦では、カテゴリーが1つ下であり、来季からのJFL降格が決まっている町田に、2度のリードを奪われる劣勢を強いられたが、遠藤保仁のフリーキックなどで逆転し、辛くもベスト8に勝ち上がった。今回は公式戦4試合4得点と好調だった倉田秋を、累積警告による出場停止で欠くことになるが、「日本代表選手が2人(遠藤保仁、今野泰幸)いて、レアンドロ、アキ(家長昭博)がいるなど、実績、経験、いろんな意味で、本当に素晴らしいメンバーが揃っている」とセレッソの小菊コーチが評するようなタレントが並ぶ。また、「ガンバはJ2に降格したとはいえ、それとは関係なく、力のあるチーム」と、セレッソFW播戸竜二も言うように、リーグ戦ラスト10試合では3勝5分2敗と、負け数は少なく、チームは自力を示しつつあった。さらに、ガンバには大阪の盟主を名乗り続けてきただけのプライドと伝統がある。約1年間は残念ながら大阪ダービーができない以上、ここで勝って、意地を見せたいという思いは強いだろう。

「本当に、どういう形であれ、内容であれ、『勝つ!』ということにこだわって、最後は長居でサポーターの皆さんと勝利を喜び合いたい」という小菊コーチのもと、若さと勢いがあふれるセレッソが、クリスマスを前に桜を満開に咲き誇らせるのか。それとも、松波正信監督率いるガンバが、熱狂的なサポーターとともに、青と黒で敵地を染めあげ、ここで一矢を報いるのか。チーム力だけでなく、クラブ力、サポーター力も問われる、大阪決戦。今季最後のダービーマッチはタイムアップの笛が鳴るまで、熱く激しく、一瞬たりとも目が離せない試合になるのは間違いない。

以上

2012.12.22 Reported by 前田敏勝
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