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ルヴァン 準々決勝 第1戦
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【J1昇格プレーオフ:準決勝 京都 vs 大分】京都側プレビュー:決勝へ、そしてJ1へ。いつもの京都で、徹底的に勝ちに行く!(12.11.18)

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J1をかけて、J1昇格プレーオフへ臨む。今季初めて行われるプレーオフ。3位から6位の4チームでJ1への切符を争う。特殊なルールは、準決勝は3位、4位のホームゲームで行われ、引分の場合は順位上位チームに勝利が与えられること。京都はその最上位の3位でルールアドバンテージを受ける。そのため準決勝は西京極で、6位・大分と対戦する。

重要な一戦に対し、京都・大木武監督は「移動がない、そしてホームのサポーターの前でできる」と、ポジティブな面を口にし、「大分に一度勝ってから次に進めと言われているのではないのではないか」と、この試合の必然性を説いた。大分の印象については、「早いし、アグレッシブ。前にボールを当ててくるし、クロスも多い」。具体的には「2トップの森島康仁と木島悠はやや開いたり、ボールに近づいたり、そこを2列目の永芳卓磨、丸谷拓也が入ってくる。それで時には4トップ、6トップにも観える」。
そこに両サイドからクロスが入れば、大分のペースである。「大分の左からの攻めには三平和司が中に入ってくる。右サイドでも三平は中に入ってくる。(アウェイでの)前の試合はそこからやられている。分かっているんだけどね、やられたね」と苦笑した。その対応に心血を注がなくてはならない。だが、「ボールの出どころに行くというのがウチのやり方だから」とも大木監督は話す。
元々「ボールに行く」「ボールを奪いに行く」というのが京都のスタイルだ。だから大分戦でも、クロスを上げられるのではなく、左のチェ・ジョンハン、右の三平(或いはその後ろの安川、若狭)に対し、ボールを奪いに行くことが肝になるだろう。サイドを限定し京都がボールを奪いに行く。大分とすれば、次の展開はサイドチェンジだ。京都はそこを予測する。宮沢正史は当然狙う。左の安川有か、右の若狭大志もチェックする。サイドを変えさせない。チェ・ジョンハン、三平から出るボールを常に狙う。奪えば即チャンスなのだから。GKまで戻るボールも狙いたいがそこからのサイドチェンジなら後ろも対応できるはずだ。ボールを奪って流れを掴むことも京都のやり方。後は「球際での厳しさ」だろう。天皇杯の磐田戦ではボールを奪えずにズルズルと攻め込まれた。同じ轍を踏むかどうかは選手が「力を出し切れるかどうか」となる。

攻撃では、相手の3バックの攻略となる。J2で3バックを採用するチームは他にも松本、湘南、富山と名前が上がる。特に松本の3バックを観ると、そこからは「相手はゴールを目指すのだからゴール前で3人が落ち着いて相手の攻撃を跳ね返せばいい」という雰囲気を感じ取れる。だから中盤で廻されて、背後を取られても、結局は3枚の粘りでゴールを防ぐ、という形になる。堅いと言えば堅い、だが弱点もある。
3バックが最後の砦なら、そこがバラバラになれば脆くなる。だから、この関係性は密にするのが前提だろう。すると他が空く。3バックの守備範囲以外は7枚で守ることになるのだ。京都が駒井善成の1トップなら、大分は3バックで駒井の1トップを見張ることになる。3バック以外のエリアは、大分は7枚で走り回り、京都は9枚でそれをいなす。中盤で優位性を作れるのだ。
もちろん、それでは3バックを崩した事にならない。だが、中盤で優位に立ち、そこで前を向いて、全体を見渡せれば、前線のアクションを見逃さずにボールを送れる、ということである。チョンウヨンや中山博貴がボールを持ち、中村充孝や工藤浩平、内藤洋平、駒井、そして安藤淳、福村貴幸と、誰でも良いからボールを受ける環境が整う。サイドで作ればカウンターのリスクも軽減できる。
チョンウヨンと中山に大分が厳しく付けば、染谷悠太、パヤリッツァ、安藤、福村、中村、工藤、内藤、誰かが前を向いてボールを収め、チョンウヨンと中山は前に、後ろにとマークをいなしてももう一度ボールを受けられる。
ボールを送れる、ボールを受けられる、この関係性が出来れば、裏に飛び出す、スペースに飛び出す、スペースに入る、間に入る。受けてドリブル、受けた選手を追い越す、受けた選手よりも前に飛び出す。縦に走る、斜めに走る、横に走る。受けてミドルシュートを放つ。サイドをえぐる、と攻めの手段は幾つも引き出せるだろう。大分守備陣に対し、切り込み、押込み、なだれ込み、陥れる。特別なことではなく、京都がいつもやろうとしていることだ。

目的は得点。その為の手段は攻撃。手段の質と回数を上げることが重要だが、目的はゴールである。ならば、そこに直結するプレーもある。相手DFのミスを逃さない。シュートのこぼれ球を狙う。ミドルシュート、ロングシュート。PKをもらう。戦術とはあまり関係のないプレーだが、非常に有効だ。これらを駆使することで、隙の無い連続した豊かな攻撃が生まれる。
重要なのは「先手を取る」こと。先手を取れば大分は後手に周り、大分が先手を取れば京都は後手に回る。大分が先手を取り始めれば、京都は大分のボールを奪いに行くサッカーを展開する。そこでボールを奪って攻めることで今度は京都が先手を取る。それだけである。そして、大分の最後の砦からゴールを奪う「何か」を起こす。
だが、その「何か」を起こしても勝ち切れない時もある。そこで今回の「引分けの場合は上位順位チームが勝者」という特殊ルールである。「引分」と認識せず、最後まで攻めきった京都に対し、「判定勝ち」「優勢勝ち」と捉えても良いのである。
徹底して主導権を握る。大木監督は日頃から「やらなければやられる」と言っていた。この試合でもそうだ。やるか、やられるか。決勝へ駒を進めたいのなら「やる」しかない。いつもの京都のやり方で、主導権を握って勝ちに行く。ただ、それだけである。

サポーターの皆さん。J1をかけての京都の執念を、どうぞ西京極で、一緒に熱くなって下さい。

以上

2012.11.17 Reported by 武田賢宗
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