F東京のランコ ポポヴィッチ監督は「残念」と言って話を進めた。
「西野監督は日本で実績を残し、その仕事の正しさを証明してきた。私も敬意を払っている。ただ、それは神戸の問題であって、我々は自分たちのことを考えなければいけない。彼らは監督解任を受けて高いモチベーションで次の試合を戦うことになるだろう。ただし、相手がどこであろうと自分たちがいい試合をして結果をえることに全力を尽くす。それに変わりはない」
残留ラインぎりぎりの15位神戸は8日、前節横浜FM戦の敗戦を受けて西野朗監督を解任し、安達亮監督の就任を決めた。この新体制でF東京、柏そして広島と続く残り3戦を戦い抜く。残留のためには勝点を積み上げていくしかない。安達監督は幸い5月に指揮を執っており、戦術理解のために多くの時間を割けない状況では適任者のはずだ。監督交代によってヒエラルキーが崩れ、誰が出てもおかしくない状況だ。その中で、らしい鋭いカウンターと、積み上げた支配率を高めるためのビルドアップを上手く融合させなければいけない。そのためのタレントは揃っている。「選手の質は高い。J1でも高いレベルの選手は揃っている」とポポヴィッチ監督は言い、石川直宏も「上位にいてもおかしくないメンバー」だと話す。残留争いをしているからといって侮れる相手などでは決してない。
対するF東京のここまでの戦績は、13勝5分13敗で勝点44のJ1リーグ9位につける。得失点差は39得点39失点で0。リーグ戦31試合を消化し、見事に定位置に座っている。2010年にJ2へ降格するまでのF東京は、J1で毎年中位の域を脱せずにいた。タフなJ2を戦い抜き、天皇杯を奪ってAFCアジアチャンピオンズリーグにも挑戦した。それでも変わらないのか。変われないか。羽生直剛は意志を問う。「一般的に見れば、相手のほうが勝ちたいと思っている。その相手を上回るサッカーをしなければいけない。それがないと、まだ中間順位でいいというところに落ち着いてしまう。勝ちたいと思う相手に勝ちきることがクラブを大きくしていくためには必要だと思う」
白熱の優勝争いからも、スリリングな残留争いからも離れ、蚊帳の外にいる。ただし、残り3戦を勝てば、ACL出場圏内の望みは失ったわけではない。振り返っても、過去の星を塗り替えることはできない。ただし、あと3度だけは、まだ自分たちの意志で白と黒のペンキを選ぶことができる。主力選手のコンディションも上がり、顔ぶれは揃った。出場停止明けの選手と代表組が合流し、ドイスボランチは高橋秀人、長谷川アーリアジャスール、米本拓司が争う。さらに最終ラインも充実し、3バックへの移行もスムーズにできるだろう。中位に甘んじたまま、シーズンを終えるのか。それとも崖っぷちからの生還を目指す神戸を跳ね除け、意志を見せるのか。F東京にとってもこの一戦は真価が問われている。
以上
2012.11.16 Reported by 馬場康平
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