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【J1:第32節 C大阪 vs 大宮】プレビュー:攻撃力のC大阪と、堅守の大宮。後半戦好調同士の両者が、直接対決(12.11.16)

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3連勝のあと3連続引き分けながら、ここ2試合は上位の浦和や仙台に粘り強い戦いを見せて、アウェイの連戦でも勝点を獲得。6戦負けなしの12位C大阪。一方、最近8試合で3勝5分と、こちらも『負けない』しぶとさを身につけ、J2降格圏から脱出。終盤にかけて調子をあげてきた大宮。後半戦に限れば、上位に食い込めるような成績を残す好調な両者が、第32節で直接対決する。

「大宮は僕らと同じ雰囲気を持つチーム」とC大阪GKキム ジンヒョンは言うが、成績もさることながら、今季の変遷においてもC大阪と大宮は似通っている。ロンドンオリンピック代表選手がいること(C大阪なら途中で海外移籍した清武弘嗣やキム ボギョンをはじめ、山口螢、扇原貴宏、杉本健勇。大宮なら、こちらも途中で海外移籍をした金英權と、東慶悟)。また、成績不振をうけてシーズン途中に監督が交代したこと。そして、今夏に積極的な補強(C大阪では枝村匠馬、シンプリシオ、ヘベルチ。大宮ではズラタン、ノヴァコヴィッチ、河本裕之)を敢行し、その彼らが躍進の原動力となっていることなどだ。

ただし、チームスタイルは対照的。レヴィークルピ監督が率いるC大阪は、1トップ3シャドーを軸とした攻撃サッカー。9月から10月にかけて3連勝したときには、3連続3得点での逆転勝利を見せるなど、打ち勝てる強さを示した。対するベルデニック監督率いる大宮の持ち味は、ここ8試合でわずか3失点の堅守。その8試合中、3試合のスコアレスドローを含め、無失点試合は5試合。最後に負けた第23節仙台戦(1-3)以降は、2失点以上喫していない。そのデータから見ると、C大阪にとっては複数得点を奪うことが、大宮にとっては最少失点に抑えることが、それぞれ勝利への鍵となりそうだ。

この一戦に勝てば自力でJ1残留を確定させることができる、C大阪。だからこそ、2012年キンチョウスタジアムでのラストゲームは、「今季一番大事な試合といっても過言ではない」(杉本健勇)。チームは必勝を期しており、その思いがあるからこそ、仙台戦で負傷交代を強いられた杉本、茂庭照幸、柿谷曜一朗も、「試合に出たい」という強い意志のもと、中9日という調整期間を使って回復に努め、「練習を見た限りでは、おそらく大丈夫だろう」とレヴィークルピ監督も言うように、出場のメドが立った。

前節仙台戦での退場処分で播戸竜二が出場停止となり、8日の練習試合で吉野峻光が負傷して全治7カ月の診断を受けたことで、貴重な攻撃のタレントを2人欠くことになるC大阪。だが、その一方で、来季のトップ昇格がすでに決まっているC大阪U-18のFW南野拓実(2種登録中)が、今週のトレーニングからトップチームに帯同。「今季、キャンプからチームの練習にも合流していたタクミだが、まさしく今、その(デビューする)タイミングが来たと思う。もし、チャンスがあれば、自信を持って送り出すことができる」とレヴィークルピ監督も、登録メンバー入りを明言した。「能力的にもメンバーに入ることは当然」(柿谷)と、先輩からのお墨付きも得ている桜色の若きホープが、ホーム・キンチョウスタジアムでいよいよベールを脱ぐことになりそうだ。

大宮に話しを移すと、前節、ホームで引き分けに終わるも、勝点1を稼いだことで13試合ぶりに14位へ順位を上げ、勝点を37とした。ただし、16位G大阪とのポイント差は3のままで、今節の結果次第では再びJ2降格圏に沈む可能性も秘めている。それだけに、アウェイでも欲しいのは勝利。後半戦不動のダブルボランチ、金澤慎と青木拓矢を軸に、コンパクトなディフェンスでC大阪の若き攻撃陣をブロックしつつ、ズラタン、ノヴァコヴィッチ、チョ ヨンチョルらの得点力をフルに活かしたいところだ。

なお、この試合では前節の仙台戦で退席処分を受けたC大阪のレヴィークルピ監督がベンチ入りできない。そのため、マテルコーチが代わりに指揮を執ることになる。普段は指揮官とともにチームを取り仕切る名参謀役が、この大一番でどのような采配をふるうかも見どころの1つだ。また、16日はそのマテルコーチと枝村、18日は杉本が、それぞれ誕生日を迎える。10代最後の日に試合を迎える杉本は「あんまり気にはしていない」と言いつつも、「キヨくんもバースデーゴール決めましたからね(笑)」と、ワールドカップのオマーン戦で日本代表初得点をマークした清武に続きたい思いも吐露。果たして、この大一番に強い意気込みを示す大型ストライカーとともに、C大阪がホームで勝利し、J1残留を自力で決めて、彼らのバースデーをサポーターとともに祝えるのか。それとも、大宮がいわゆる『残留力』をこの試合でも示して、敵地で凱歌を上げるのか。一日一日冬がせまりつつある大阪でも、17日のキンチョウスタジアムだけは、熱き闘いが繰り広げられそうだ。

以上

2012.11.16 Reported by 前田敏勝
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