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【J1:第32節 鹿島 vs 仙台】プレビュー:残留に近づきたい鹿島と、首位に返り咲きたい仙台。両者にとって負けられない一戦!(12.11.16)

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両者が相まみえるのは開幕戦以来のことである。寒空のもとで行われたその試合は、東日本大震災の被災地をホームタウンに持つクラブ同士の対戦ということもあり白熱した試合内容だった。チームを率いて5年目に入った手倉森誠監督のサッカーが成熟し始めていることを感じさせ、ホームのベガルタ仙台が激しいプレスで1年目のジョルジーニョ監督が率いる鹿島アントラーズよりも一日の長を見せる。そして、後半にセットプレーから上本大海がゴールを決め、1-0で勝利したのだった。しかし、鹿島も中田浩二やジュニーニョが決定機をつくっており、結果としてはどちらに転んでもおかしくない内容だった。

ところが、あれから30試合が経過したいま、両者の立場は大きく異なってしまった。仙台は、現在勝点差2で首位の広島を追走している。堅守だけでなく、ともに2ケタ得点をあげている赤嶺真吾とウイルソンの2トップの攻撃力もあり、過去最高位であった昨年の4位からさらに躍進を遂げている。
一方、鹿島はリーグ序盤のつまずきから、ずっと波に乗ることができず、チームの成熟度を高めることができなかった。ヤマザキナビスコカップこそ制して面目を保ったものの、リーグ戦においてはいまだに残留争いから抜け出せずにいる。仙台が優勝争いを演じているのとは対照的に寂しい状況だ。

しかし、立場は違えどどちらにとっても勝利が欲しいことには変わらない。そのことが試合の展開や選手の心理に微妙な変化を加えることになるだろう。

鹿島は、現在[4-2-3-1]の布陣で戦っている。開幕戦で取り組んでいたダイヤモンド型の[4-4-2]からボックス型に戻すなど試行錯誤を繰り返してきたが、シーズン終盤でこの布陣に落ち着いた。しかし、問題点はどうしても守備に片寄りがちになってしまうところにある。
「ブロックはつくりやすいけど、どうしても引いてしまって、ラインが下がってしまう」
本田拓也は抱えている課題をそう指摘した。
ラインが下がれば1トップに入る大迫勇也が孤立してしまう。できる限りラインを高く保ち、コンパクトな布陣を敷くことができれば、大迫もすばやくフォローすることができるだろう。

ただし、仙台はそれをさせないサッカーをしてくるだろう。本田は、仙台がロングボールを利用して鹿島を後ろ向きにさせることを狙ってくると予想していた。鍵となるのはセカンドボールだ。
「長いボールを蹴ってくると思う。そこに2列目の選手が長い距離を走ってくるだろうから、しっかり捕まえたい。ロングボールはうちのセンターバックが弾き返してくれるだろうけど、セカンドボールを拾えないと相手のペースになってしまう。でも、相手は前を向いて走ってくるから、どこに落ちるか予想しやすいけど、うちらは後ろを向いている。難しいですよね」
特に試合開始15分までの間、どちらがセカンドボールを支配できるかで試合展開は大きく変わるだろう。

とはいえ、例え支配されても鹿島の中央は堅い。このところ岩政大樹、青木剛のセンターバックコンビが無類の強さを発揮している。
「相手のことをしっかり分析した上で、特長を踏まえた練習もした。そうした準備もできたと思う。最終的には中。そこが得点の確率が高い。仙台も中で合わせる選手がいるので、しっかり閉めることを意識したい」
青木はゴール前での守備に自信を見せていた。

「前半で失点しなければ、むこうも勝たないといけないから前に出てくると思う。そうすると後半はスペースができてくるはず」
そう話したのは興梠慎三。チーム事情からトップ下や2列目のサイドを任されることが多くなったが、やはり本職はFW。相手に合わせたサッカーよりも「自分たちで仕掛けていきたい」と考えていた。思惑どおり、前半で失点しなければ後半は興梠の速さを生かす状況が生まれてくるだろう。

また、この試合で大記録を達成する選手が二人いる。青木 が299試合、新井場徹が399試合と、大台を目前としている。ただ、二人とも「自分のために戦っているわけではないですし、チームのためにしっかりやりたい」と声を揃えていた。

仙台は、上本大海が右膝前十字靱帯断裂で全治6ヶ月の大怪我を負ってしまったことが痛い。首位の広島は3位の浦和と対戦し、もし広島と仙台が共に勝利すれば浦和の優勝の可能性は消滅するだけに、浦和も死に物狂いで闘うはずだ。仙台としても残り3節で広島と順位を入れ替えるには絶好のチャンスと言える。引き分けではなく勝利で勝点3を手にしたいところだろう。75分から90分までの得点数が19と、広島と共にリーグ最多のゴール数を誇るだけに、最後まで目が離せない展開となるはずだ。

以上

2012.11.16 Reported by 田中滋
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