新潟は勝点34で現在17位。15位神戸とは勝点2差で、降格圏脱出のためには何が何でも勝点3が欲しい。ブルーノ ロペスが5試合ぶりのゴールを狙う。対川崎F戦は、昨季3得点と相性がいい。逆転残留をかけて、底力を見せる。川崎Fはレナトを中心に攻撃力は安定。ボールを奪ってからの連動した攻めで主導権を握りいく。
気温の低下と雨が続いた、今週の新潟の天候。「体調を崩さないように気を付けました」。ブルーノ ロペスは細心の注意を払って、コンディションを整えてきた。調子自体も「上がっている」と言う。非公開で行われた15日の紅白戦も含め、少ないボールタッチで連動する、今までの積み重ねを確認した。「すべてを出し切りたい」と意気込む。
自信がある。川崎F戦は相性がいい。今季の開幕戦こそ無得点だったが、昨季リーグ戦2試合で3得点を挙げた。ホームは1-0、アウェイは2-1。すべてロペスのゴールで勝点3を積み重ねた。
「川崎Fは素晴らしいチーム。開幕戦で得点できなかったし、昨年よりも、今年の方が力があると思う」。リスペクトしつつも、「相手は5バックになる可能性もある。そうなったら、しっかりとボールを回し、カウンターの掛け合いになったら、少しでも早く反応すればいい」。対策はできている。昨季のアウェイ戦の2得点はいずれもカウンターからで、「いい形をつくれば大丈夫」とゴールをものにするイメージはある。
ロペスは今季はここまで5得点。昨季13得点のエースが不振にあえいだまま、シーズンの大詰めを迎えた。新潟のここまでの総得点は24でリーグ17位。自らの低迷が、チームの攻撃力低下に直結した。「点を取らなければならないというプレッシャーがあるし、自分自身でかけてもいる」と責任を感じている。
新潟は前節清水戦は、攻め込まれながらもしのいで、1点を守りきった。攻撃力が不安定な現状、川崎F戦も守備の固さがベースになり、攻撃機会が増える展開は難しい。「少ないチャンスをものにしなければ、そのためには集中力と冷静さが必要。ミスをしないで、しっかりシュートを打つ、パスを回すことに集中する」。ロペスは仕掛けるタイミングを判断し、ミスをしない冷静さを自身に課す。
現在、累積警告が3枚。ここまで合計7枚と、ここでカードをもらうと2試合出場停止になり、今季の出番はなくなる。「メンタルも頭の中も氷のように固く。自分が今、抜けるわけにはいかない」。責任感とプライドをチームの勝利に反映させる。
川崎Fは前節浦和に4-2で逆転勝利。レナトの3得点などで、点の取り合いを制した。前々節の神戸戦も3-3と攻撃は上向きだ。特にレナトはこの2試合で4得点。ドリブルと精度の高いキックは、新潟の守備にとってはやっかいだ。
3バックの布陣だが、攻め込まれたときは5バック気味にシフト。奪ってからの速い攻めで個の力を前面に出してくる。レナト以外の選手の仕掛け、中村憲剛のスルーパスからの連動と、攻撃の選択肢は多い。一方、ここ4試合連続で失点している守備は、慎重になる必要がある。
J1でのこの対戦、新潟のホームでは、新潟が6勝1引き分けと負け知らず。もっとも、2007年に2-0だった以外はすべて1点差以内だ。新潟はしのいで1点をものにし、川崎Fは攻め込んで主導権を狙う。自分たちの形にはめた方が接戦をものにする。
以上
2012.11.16 Reported by 斎藤慎一郎(ニューズ・ライン)
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