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【J2:第30節 甲府 vs 山形】プレビュー:昇格攻防戦。甲府対山形。山形の必死の追撃を甲府の新しい伝統の思いが打ち砕く(12.08.21)

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首位生活4週目を楽しんでいたら、6連勝中のタケシ軍団(大木武監督・2位京都)の足音が聞こえてきた。今節の結果次第では1位と2位がひっくり返る勝点2差。どちらの監督も残り10節を切らないと順位に関するコメントはしないだろうが、気がつけば残り13試合。今年は11月11日にシーズンが終わってしまうので例年の感覚なら今は9月の終盤と同じ。つまり、そろそろ佳境に入ってくるのだ。ビールならいいが、ミルクティーを飲みながら呑気に順位表を見ている時期ではない。

今節は長らく首位に君臨しながらも最近、引き分けが続いて順位を落とした6位・山形をホームに迎える。首位というか1位というか自動昇格圏内の甲府が山形につけている勝点差は6しかないので、残り13試合あれば1位と6位が入れ替わる可能性は充分にある。第1クールの対戦(第4節・NDスタ2−1●)は中2日で行われた厳しい節だった。開幕から第2節まで連続アウェイだった山形はホーム2連戦(第3節、第4節)を連勝した。この時は、中2日の試合で山形に行くなんて移動では随分と苦労した甲府だったが、第2クールは立場が逆で山形は愛媛→甲府と遠方のアウェイが続いた上に、甲府戦が中2日。愛媛から直接甲府に入って2日間甲府市近辺のピッチで調整となかなか気持ちが休まらない状況で今節を迎える。

城福浩監督の言葉を借りれば、「J1の10番を獲得できるのだから山形はすごい」ということになる山形の新戦力・ブランキーニョ。チーム状況によって「合う、合わない」はあるだろうからC大阪でのことは関係なく、J2リーグでは十分な脅威。開幕当時は4−3−3だった山形も4−4−2のダイヤモンドになって3トップ気味や3ボランチ気味という幅もでき、ブランキーニョが活きる場所が上手くあるように思える。開幕からオールジャパニーズだった山形。ボールが収まり起点になるブランキーニョは昇格に向けたターボエンジンということ。勝って甲府との勝点差を3にするか、負けて9にするかでは残り試合数を考えると、ずいぶん違う。必死さでは山形に分があるだろうが、甲府も溜め込んだモノを大爆発させる選手を用意している。

前節はアウェイで富山と戦い、山本英臣の一発退場(レッドカード)で60分以上10人で戦った甲府はホームながら選手の疲労度は高いだろう。これだけが理由ではないが城福監督は意外なポジションでも選手を入れ替えて山形戦に臨む。「どんなメンバーでもリスクはある。やり慣れたメンバーならメリットはあるが、疲弊していて足が止まるリスクがある。富山から甲府にバスが戻ったのは朝の3時30分頃。コンディションは考慮に入れざるを得ない。また、フレッシュさだけを考えればメンバーに入らない選手もいるが、どこのポジションでチャレンジしてどこのポジションでベースを守っていくのかギリギリの判断をしないといけない。踏ん張ってくれると思う」。その選手はまもなく38歳になる伊東輝悦。前節の10人になってからの甲府を支えた一人。「あれだけのゲームやって中2日で(まもなく38歳は)体力的に大丈夫?」と聞くと、「やってみないとわからないよ」と肩に力が入っていないコメント。ただ、伊東がブランキーニョを抑えるキーマンになることは確実。伊東vsブランキーニョのマッチアップが見られる時間は少なくないはずなので観戦のポイントにしてほしい。そしてもう一つは、先発起用される可能性が高い三幸秀稔。スルーパスや裏を狙うロングパスの感覚はチーム随一の選手だけに期待は大きいが本人は「(途中出場で)4試合使ってもらているが(アシストはあっても)自分のシュートはゼロ。ここを変えていきたい。点を取れる選手を目指す。山形戦では起点となって得点に絡みたい」と初先発に意欲を高めている。

もちろんダヴィが出場停止から戻ってくることは素晴らしいが、ダヴィ以外の選手がいかに点を取るかは継続する課題。その答えを三幸が出せるかどうかは見所。残り13試合だけにダヴィしか点を取れない甲府では終盤戦に不安を残すことになるからだ。守備面ではドウグラスや冨田大介が久しぶりに先発復帰しそう。今や甲府のいい伝統となった、「チャンスがないときでも常に準備し続ける」ということを実践してきた選手たち。彼らの思いが山形の攻撃を跳ね除ける。第14節の熊本戦以来、ベンチにも座れなかった片桐淳至もチャンスをもらえそうで嬉しい。ダヴィ以外の選手が点を取るという意味でも片桐のサッカー頭の良や感覚がどう爆発するのか楽しみにしたい。

「首位に立って直面する最初のヤマ。山梨中銀スタジアムをサポーターと一緒に結果を掴み取る空間にしたい」

城福監督のこの思いがどんな形で選手のプレーに繋がっていくのか。昇格攻防戦、甲府対山形を山梨中銀スタジアムで一緒に戦おう。

以上

2012.08.21 Reported by 松尾潤
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