岐阜にとって前節の負けは、非常に痛いものだった。岡山に90分間ゲームマネジメントをされて、ミスがらみの二失点で敗戦。
「ここ2試合つまらないミスでやられている」と行徳浩二監督が嘆いたように、集中力をかいたようなプレー、積極性にかけたプレーと、夏場の連戦の疲労だけでは片付けられない拙いプレーが勝敗を左右しているのはいただけない。
「みんなが勝ちたい、やらなきゃという気持ちを持たないと勝てない。まだ誰かがやるからいいやという気持ちがある。（岡山戦は）同点に追いついたところで、ここからやりきろうではなく、ホッとしてしまっている状態だった」と、岡山戦後に服部年宏が嘆いたように、最後まで戦い切る強い姿勢を見せたのは、岡山の方だった。
せっかく最下位脱出をしたのにも関わらず、気がついたら21位。今節の結果次第では再び最下位に落ちてしまいかねない、危機的状況にある。
「もう13試合しかない。危機感を持たなきゃいけないのに…」
服部のやりきれない思いは、果たしてチームに波及するのか。いや、しなければ意味がないし、今、こんなことを言っている時点で問題だ。
勝ちたいのはクラブに関わる全員であることを忘れてはいけない。みんな岐阜の勝利が見たくて、チケットを買って、スタジアムに足を運んでいるのを。戦っているのは選手たちだけではない。相手がどこであろうが、どんな形であろうが勝つ。その姿勢をみんなが見たがっていることを。別に綺麗なサッカーが見たいだけではないことを。

今節の相手は千葉。千葉ももう後がない状態だ。前節は鳥取に敗れるなど、下位チーム相手に取りこぼしが多い。だが、さすがにここでも負けてしまったら、チーム状態は最悪になってしまいかねないだけに、この試合は全身全霊で戦いに来るだろう。DF大岩一貴、MF佐藤勇人など岐阜よりも個の力が高いチームが、より勝ちたい気持ちを持って挑んでくるだけに、ここで受け身に回ってしまったら結果は大変厳しいものになるだろう。
絶対に勝つ。この気持ちが上回った方が勝つ。この試合は岐阜にとって、夏休み最後のホームゲーム。子供たちにサッカーには戦う姿勢が絶対に必要であることを、選手たちは身をもって示してほしい。
岡山戦では皮肉にも岡山にその姿勢を示された。もう一度言おう。勝ちたいのはみんな同じ。そして、綺麗なプレーよりも手に汗握る熱い戦いが見たい。それを忘れてはならない。もしかしたら、千葉にも同じことが当てはまるのかもしれない。

以上

2012.08.21 Reported by 安藤隆人