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【J1:第21節 川崎F vs 鳥栖】プレビュー:ボランチに入る若いコンビがチームを動かせるかどうか。堅守を誇る鳥栖のゴールをこじ開けたい(12.08.10)

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4試合連続無得点(15節から18節にかけて)のクラブワースト記録が示すように、川崎Fは攻撃面で良さを発揮できずにいた。そんな中、迎えた19節の大宮戦でチームは4得点。続く20節の磐田戦でも2得点と攻撃に復調の兆しが見えている。無得点が続いたそれまでの戦いとの違いは、風間宏希、宏矢の加入。そしてここに筑波大学から特別指定でチームに加わった山越享太郎の存在である。風間八宏監督のサッカーをよく知る彼らの加入が、川崎Fにポジティブな働きをもたらしているのは事実であろう。

そもそも問題となっていたのは、相手陣内深い位置での崩しだった。速攻のスタイルを取らない川崎Fの攻撃に対し、相手チームは早めに帰陣し枚数を掛けてゴール前を固める。そうなると川崎Fの攻撃に手詰まり感が出てくるのである。また攻撃の起点になっていた中村憲剛に厳しいプレッシャーが掛けられることにより、攻撃が機能しないという傾向が見えていた。そうした状況を打開すべく風間監督は、大宮戦の途中から中村をトップ下へと移動させ、トップ下でプレーしていた風間宏希をボランチへと下げた。これにより川崎Fの攻撃は改善し、4得点に繋がった。

2得点した磐田戦でもこの中盤の構成は変えておらず、鳥栖戦でも継続される見込み。では、中村がポジションを1つ上げることで、チームとしてはどのような戦い方をすべきなのだろうか。中村は「オレが前に行く時に2トップ気味になる。あまりオレが落ちすぎてもまずい。(ポジションを下げると)宏矢が孤立してしまうので、そこの距離感はうまくやりたい」と話す。できるだけワントップの風間宏矢に近い位置を取りたいという。

中村がポジションを前目に取るということは、攻守が入れ替わった際に、リズムを作るのがボランチの2選手という事になる。この試合では、風間宏希と大島僚太のコンビが予定されており、彼ら若い2選手に対して中村は「ボランチの2人が触れなくなると、外だけで回す事になる。ただ、それでは難しくなる。だから、とにかくボールを回してくれと。そして触ったらオレに出せと言ってます」と話している。

中村が名前を出した風間宏希は「ぼくのところでボールを持てればチームとしても変わる。中盤のぼくの責任は大きい」と決意を示す。もちろん相手からのプレッシャーもきつくなるだろうが、その中でも「前を向くということは意識しています。相手が来てたら逆に行ける。そのためにはトラップが大事になる。だからこそ、頭を働かせるのが大事になる」とプレーのイメージを口にする。大島との若いコンビが予想される彼らボランチがいかにボールを保持し、そして前に運べるのか。これがこの試合のポイントの1つとなる。

ただ、今節の鳥栖は簡単な相手ではない。ここまでの20試合で喫した失点はわずかに18。これはリーグ首位の横浜FMの17に続き、仙台とともに2位タイの数字である。これは全体を押し下げて守備ブロックを作って実現した数字などではなく、チーム全体が実現する豊富な運動量をベースにしたもの。風間監督の指導により川崎Fが実現しようとしているサッカーは、相手がどれだけいようととにかくボールを回すというものである。そういう意味では、鳥栖の守備と川崎Fの攻撃とが真っ向勝負する形になる。川崎Fのパスワークを分断するような積極的な守備を見せられると、鳥栖ペースになるのは間違いない。鳥栖は、一旦ボールを奪うと、ピッチを大きく使い、スペースを利用しつつシンプルな攻撃を仕掛けてくる。不用意にボールを失うと、スペースを埋める後ろ向きのランニングを強いられる。川崎Fとすれば、マイボールの時間をどれだけ長くできるのかが生命線となる。

鳥栖の攻撃については田中裕介が「チームとして鳥栖はスタイルを持っている。アウェイでは厳しい戦いになりましたしね」と話す。鳥栖が持つスタイルとは、トップの豊田陽平というターゲットマンを有効に使ったもの。ゴール前へのクロスにしても、サイドに流れてのポストプレーにしても、ロングスローやセットプレーにしても、彼にボールを当ててからの攻撃は脅威である。仮に豊田のシュートをブロックしたとしても、2列目からフォローする選手の2次攻撃にゴールを脅かされる場面も増える。だからこそ、セカンドボールには意識を集中させたい。

ちなみに田中裕はアウェイでの対戦時に、川崎Fが唯一決めた田坂祐介のゴールをアシストしている。
「あのゴールはほぼダイレクトでつなげた。タッチ数的には少ないしあそこまでやれば相手はどうにもならない。中を締められると外が空いてくる。そこでただ上げるだけではなく、もう一度えぐったりしてやり直して工夫したい」と鳥栖戦を見据える田中裕は、前節の磐田戦でもサイドを駆け上がりチームの先制点を奪っている。この試合でもそうした積極的な攻め上がりを期待したいところ。

「個人的にはここからの2試合(鳥栖、横浜FM)は大きいと思っています。中位から抜け出すために勝ちたい。そのためにもホームでまず勝ちたい」と田中裕。思うように勝点を伸ばせていない川崎Fは9位につけている。ただ、首位との勝点差はわずかに7。だからこそ、この試合の意味は大きい。勝点31で並ぶ守備の固い鳥栖が相手ではあるが、なんとしてもこじ開けて、勝点3を手にしたい試合だ。

以上

2012.08.10 Reported by 江藤高志
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