本文へ移動

今日の試合速報

夏休みはJリーグに遊びに行こう! 全国で180,000名様ご招待!
夏休みはJリーグに遊びに行こう! 全国で180,000名様ご招待!

J’s GOALニュース

一覧へ

【ヤマザキナビスコカップ 柏 vs G大阪】レポート:アドバンテージをフルに生かした柏が13年ぶりとなる準決勝進出。敗れたG大阪も今後の戦いへ向け光明を見出す。(12.08.09)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
柏が第1戦で握った3つのアウェイゴールと2点のリードというアドバンテージを生かし、この第2戦でもしたたかなゲーム運びからG大阪を退け、準決勝進出を決めた。
1点差負け、あるいは0−2の敗戦でも準決勝進出が決まる柏に対し、最低でも3点以上を奪った勝利を義務付けられたG大阪。その条件が、双方の試合への入り方にどう影響するのが最初のポイントだったが、プレビューでも述べた通り「何も変える必要はない」(栗澤僚一)柏と同様に、G大阪は若干のメンバーの入れ替えこそあったものの、「いつも通りに試合に入った」(今野泰幸)。
序盤は柏がG大阪のプレスをいなしながら、レアンドロ ドミンゲスとジョルジ ワグネルを起点に、サイドを有効に使って攻めていく。それに伴い、立ち上がりからセットプレーを獲得し、12分にはフリーキックから近藤直也、15分には右コーナーキックから増嶋竜也のヘッドがG大阪のゴールを狙うシーンがあったが、この2つはわずかにゴールを逸れた。しかし17分、やはり柏得意のセットプレーから先制点が生まれる。ジョルジのニアに入る高精度のプレースキックをレアンドロ ドミンゲスが頭で合わせ、ファーサイドのネットへ鮮やかに流し込んだ。
面白いのは、この1点が入ったことによる心理状況である。一見、G大阪がさらなる劣勢に立たされたと思ってしまうが、1失点をしても3−1というタイスコアにすれば延長戦へ持ち込めるため、3点を奪うという条件に変わりはない。したがって今野は、失点後のメンタリティにも「変化はなかった」と話している。むしろ、点差を広げたことで柏の方にペースダウンの気持ちが無意識に働いてしまったのか、試合が動いた後は先制した柏ではなく、先制されたG大阪がボールサイドに人数をかけ、流動的な動きとパスワークでペースを握ったのである。30分、武井択也がクサビの縦パスを入れ、佐々木勇人がダイレクトで落とすと、柏のディフェンスラインの背後を突いた倉田秋が抜け出す。倉田は増嶋と橋本和を十分に引き付け、絶好の横パスを送る。フリーの佐藤晃大は難なくゴールへ転がし、1−1の同点とした。G大阪らしい、見事な崩しだった。
G大阪は、このリズムを後半も続けたいところであった。特に松波正信監督が「起点を作れる、ボールを奪われない中で、後ろからサポートもいけるようになる」と高評価を与えた家長昭博のボールの収まりが良く、51分にはレアンドロを投入し、高い位置での起点を増やしたのだ。だが、前半は「出どころに食い付きすぎたり、ボールサイドに人数をかけられて取りどころがなかった」(大谷秀和)柏も、後半はコンパクトな3ラインを引いて守備組織を構築。ドローでも次のステージに進めるというアドバンテージが生む有利な心理状況から、「特に焦らず、攻め急がず、良い守備からカウンターを心掛けた」(近藤)。前半はG大阪のパスワークに翻弄されていたのに対し、後半は“相手に持たせている”感が強まり、奪ったボールをレアンドロ ドミンゲスにつなぎ、鋭利なカウンターを仕掛けた。G大阪はレアンドロ、家長、佐藤、武井らが頻繁にポジションチェンジを繰り返し、流動的な動きで各ゾーンからDFを引き剝がしにかかるが、ブロックを作り上げた柏の前の効果的な縦パスが入らず、同点弾のような崩し切る形は作れなかった。
そして60分、柏に2点目が生まれる。狙い通りスピーディーな展開から、レアンドロ ドミンゲスのアーリークロスに、後方からゴール前へ猛然と走り込んだ工藤壮人が体ごと押し込むような形でゴールを挙げ、2−1とした。ただでさえアドバンテージを握り、有利な状況に立っていた柏は、この1点でさらに「守ってカウンター」という色合いが濃くなり、一方のG大阪はあと3点を奪わなければ勝ち上がれない厳しい状況に追い込まれてしまう。

その後も冷静に試合を運ぶ柏は勝負に徹し、G大阪の攻撃に破綻の気配すら見せず、柏らしく老獪に勝ち名乗りを上げ、13年ぶりとなるヤマザキナビスコカップのベスト4へ進出。1999年以来、2度目となる同タイトル獲得へ、大きく前進した。
一方の敗れたG大阪は、やはり第1戦のビハインドが重く圧し掛かったと言わざるを得ない敗戦となってしまった。だが、それでも家長やエドゥワルドを起用し、彼らが好プレーを発揮するなど、徐々に調子を上げてきたチームは、またさらなる光明を見出したことだろう。柏もG大阪も中2日でリーグ戦を戦うタイトな日程を強いられるが、この試合の勝敗はともかく、双方とも次につながる試合を見せてくれたのは間違いない。

以上

2012.08.09 Reported by 鈴木潤
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

旬のキーワード

最新動画

詳細へ

2024/07/31(水) 22:00 ハイライト:浦和vsニューカッスル【Jリーグインターナショナルシリーズ2024 powered by docomo】