クラブ初のヤマザキナビスコカップベスト4進出、悲願のタイトル獲得を目指したC大阪と、連覇を狙う鹿島との準々決勝第2戦は、3−0で、アウェイの鹿島が完勝。2試合合計スコアも5−1と鹿島がC大阪を圧倒した。これで、2年連続のベスト4行きを決めた鹿島は、G大阪を下した柏と、準決勝で対戦することが決まった。一方のC大阪は昨年に続いてベスト8での敗退となった。
第1戦を1−2で折り返し、ホームで迎えた第2戦は、1−0か、2点差以上で勝てば、鹿島を逆転できる状況だったC大阪。J1第20節札幌戦をベースにしたメンバーを揃えたなか、前線にはケンペスを起用。また、中盤の一角には、今夏清水から移籍加入したものの、このリーグカップ戦ではC大阪の一員として出場できない枝村匠馬に代わり、大卒ルーキーの吉野峻光がプロ入り初先発した。
ところが、「前半、我々は勝たなければ次のラウンドに進めないという状況にありながら、すべてが、プレーも含めて、遅かった。そこは一番の大きな反省点」と、C大阪のセルジオ ソアレス監督。チームはアグレッシブな姿勢を見せきれず、28分にドゥトラに先制を許すと、後半は「もう2点獲るしかないところで、前がかりになったところをやられてしまい、相手にうまくゲームを運ばれてしまった」と振り返るのは、柿谷曜一朗。好機を活かせずゴールが遠いなか、63分にはカウンターからPKを献上し、興梠慎三に2点目を奪われ、70分にもスローインからの流れで柴崎岳に失点。これで完全に息の根を止められた。攻撃陣は13本のシュートを放つも、いずれもゴールに結びつけられず。大勝した札幌戦とは対照的な試合展開に終始してしまい、ホームに集ったC大阪サポーターの期待に応えることはできなかった。
「勝利に向けて全力を尽くしたが、我々が望んだ結果が出なかった」と悔やんだのは、来日後、公式戦2試合連続で先発出場したシンプリシオ。この新7番も、本来の持ち味を出し切ることができなかったが、「次にダービー(G大阪戦)があるので、しっかり準備して、下を向くことなく戦いたい」と気持ちを次に切り替えていた。また、「次のG大阪戦が重要だし、ファン・サポーターの人も同じ気持ちを持っていると思うので、その気持ちに応えたい。何が何でも(G大阪に)勝ちたい」と茂庭照幸も言うように、3日後に迫る大一番に向けて、今回の屈辱を糧にすべく、チームは気合いを入れ直していた。
鹿島にとっては、2週間半での6連戦における5試合目という厳しい状況だったが、第20節鳥栖戦後、鹿島に戻らず大阪で調整するなど、チームマネジメントを整えると、暑い大阪の地でも実力を発揮。先勝したアドバンテージを活かし、「相手がもう出てこなければならない状況だったので、出てきたところ、あるいは、ビルドアップのところのミスを、我々が狙っていた」(ジョルジーニョ監督)という戦略を立てると、それが見事にハマった。前半にドゥトラ、後半に興梠慎三、柴崎岳が着実に加点すれば、守備でも曽ヶ端準、岩政大樹、青木剛らを中心に、最後まで集中を切らさず、相手を零封。今季C大阪戦4戦全勝を達成し、試合後は鹿島サポーターの歓喜の歌声が、大阪長居スタジアムに響き渡っていた。
以上
2012.08.09 Reported by 前田敏勝
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