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【J1:第20節 浦和 vs F東京】レポート:浦和とF東京の一戦は今回も好ゲームに。両者痛み分けのドロー(12.08.05)

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リーグ前半戦では見応えのある試合を演じた両者だったが、果たして今回も白熱の好ゲームとなった。「今日もみなさんに楽しんでもらえる試合ができた。両チームにおめでとうと言いたい」。ランコ・ポポヴィッチ監督のコメントからも中身の濃い試合だったことが窺える。

前回は試合終了間際にスコアが動いたが、今回は序盤に均衡が破れた。試合開始11分、ショートコーナーのこぼれ球を宇賀神友弥が左足で豪快に叩き込み、浦和が先制した。
前半は浦和が優勢だった。浦和はいつものように守備時は5−4のブロックを作り、F東京は基本4バックだったが、守るときは浦和の5トップ対策として中盤の誰かが1枚落ちたので、こちらも最終ラインには5枚いる格好に。どちらも後ろに枚数がある上に受け身の姿勢を取ったため、DFラインとボランチのところでは楽にボールを回せたが、そこから先にボールを入れるのは簡単ではなかった。
ただ、F東京は受け身の守備なのにDFラインが高く、これを浦和は見逃さなかった。永田充、あるいは最終ラインに落ちた阿部勇樹が、ワイドの高い位置で張る平川忠亮、宇賀神友弥に一発でロングフィードを通し、そこから2人が裏のスペースに向かって縦に仕掛けてクロスという形でチャンスを作った。前半作ったチャンスのほとんどに平川か宇賀神が絡んでいた。「サイドの平川(忠亮)さんとウガ(宇賀神友弥)さんのところをうまく使われた」と長谷川アーリアジャスールも振り返っている。

そういったなかで35分、浦和が追加点。鈴木啓太がDFラインの裏にボールを出し、ダイアゴナルランでボールを受けた梅崎司が中に折り返すと、クロスオーバーでゴール前に飛び込んでいたマルシオ リシャルデスが得点。浦和は流れをつかんでいる時間帯に2点目も奪い、「前半はパーフェクトだった」と槙野智章が振り返ったように理想的な形で試合を折り返した。

ところが、後半に入って風向きが一変した。きっかけを作ったのはポポヴィッチ監督だ。指揮官は後半から中村北斗を投入し、フォーメーションを3バックに変更。「後ろを3枚にして、相手の両ウィングに(椋原)健太と(中村)北斗くんを当てて、はめるという感じ」と長谷川が説明したように、浦和の陣形と噛み合う形に変えて前から奪いにいったことで浦和は余裕を持ってビルドアップできなくなった。

フォーメーション変更は攻撃面でも大きな意味を持った。中村、椋原の両ウィングバックが高い位置で張り、ルーカスと石川直宏が中でプレーしたことで、ゴール前で分厚い攻撃を仕掛けられるようになった。59分から梶山陽平がピッチに立つと、さらにF東京優勢の流れが強まった。
真ん中ではルーカス、石川、梶山とボールを持てる選手3人が時間を作り、サイドでは高い位置に張った中村、椋原が起点を作る。またF東京は、前半はコンビネーションを駆使してキレイに崩して攻めようとして浦和の網に引っ掛かっていたが、後半は前の3人の能力を生かしながら力でこじ開けようとするような迫力のある攻め方が増えた。
特に目立ったのはクロスの回数が増えたこと。前半に比べてシンプルにボールを入れ、ペナルティエリア内に3枚、4枚と入っていく形が見られるようになった。「0−2だったので勢いよくプレーしていたからだと思う」と中村が話したように、点を返したいF東京はよりゴールに向かっていく姿勢が強くなり、これに浦和の守備陣は手を焼かされた。

そして60分、F東京がついに1点を返す。梶山が横パスを出し、2列目から飛び込んできた長谷川が前に運んで横に流すと、さらに後方から飛び込んできた石川がシュート性のクロス。これをゴール前に詰めていた椋原が押し込んだ。選手たちの前に向かう気持ちが生んだゴールだったと言えるだろう。
72分の同点ゴールの場面でも、前に向かう力強い攻めが浦和の守備を揺さぶった。長谷川が狭いエリアでも怖がらずに縦パスを送ると、石川がDFを背負いながら後ろにボールを流し、DFラインの裏に走ったルーカスがボールを取りにきた宇賀神をショルダーで抑えて折り返す。そこに飛び込んできた長谷川が滑り込みながらゴールに流し込んだ。
後半、F東京はかなりのパーセンテージで相手陣地でプレーしていた。浦和は劣勢のなかでも時おり鋭いカウンターでチャンスを作ったが、宇賀神が「後半の内容を見れば、引き分けでよかったねという試合だった」と唇を噛んだように、後半はF東京のゲームだった。

両チームの監督とも2−2の結果に納得していたが、前半は浦和、後半はF東京という試合だったので引き分けは妥当な結果だろう。凡戦ゆえのドローではなく、ハイレベルなせめぎ合いの結末としての引き分けだった。オシムの薫陶を受けた両者がそれぞれのチームを率いている限り、このカードにハズレはない。そういった流れができつつある。

以上

2012.08.05 Reported by 神谷正明
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