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【J2:第27節 水戸 vs 山形】プレビュー:「最高の形で塩谷を送りだそう!」を合言葉に水戸は一丸となって6位山形に挑む!(12.08.05)

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8月3日の練習後、塩谷司はホーリーピッチを後にし、土手を上がったところで振り返り、芝生のグラウンドを感慨深そうにじっと眺めた。プロの第一歩を踏み出した場ともあと1日でお別れ。「寂しいですね」とつぶやいた。だが、その直後に自らの感傷を打ち消すように、こう力強い言葉を言い切った。「でも、これがプロの世界ですから。最後は水戸らしいサッカーで勝って、気持ちよく広島に行きたい」。

8月2日に塩谷の広島への移籍が発表された。今節の山形戦が塩谷の水戸でのラストゲームになる。昨年大卒ルーキーとしてチームに加わり、開幕から水戸の守備の要として活躍を見せてきた塩谷。「これまでシオ(塩谷)に助けられたので、今回はシオを助けたい」と岡本達也が言えば、市川大祐は「シオがいなくなっても大丈夫と思ってもらえるような、安心して広島に行っていいスタートを切ってもらえるような試合をしたい」とラストゲームに向けての意気込みを語った。

当然、塩谷自身も今節に向けて並々ならぬ闘志を燃やしている。「これからJ1に行くのだから、J2の選手には負けられないし、下手なプレーはできない。『さすがJ1に行く選手は違うな』と思われるようなプレーをしないといけない。正直、プレッシャーはあります。ただ、そのプレッシャーを楽しめるようじゃないと上では通用しない。気にしないで強く戦いたい」。

「最高の形で塩谷を広島に送り出そう」。それが今節に向けての水戸の選手の合言葉だ。そのために求められるのは「今までやってきたことを自信を持ってやること」(柱谷哲二監督)である。前節栃木戦は「ミスだらけのどうしようもない試合だった」(柱谷監督)。試合序盤にミスを繰り返し、チーム全体が自信を失い、ボールを動かすことができなくなってしまったことが敗因となった。だからこそ今節、以前の水戸の姿に戻るためにも試合の入りが非常に重要となる。市川は言う。「栃木戦では球際が弱かったし、出足が遅かった。でも、そういうのは試合の途中で変えるのは難しい。試合の開始から体力のことを考えずに思いっきり戦わないといけない。それで最後までしっかり戦い抜くという強い気持ちが大事だと思う」。

「前節のような試合を最後にしたくない」。塩谷は力強い口調で口にした。自分たちに自信を持って、試合開始の笛から相手を圧倒するような強い気持ちで戦わなければならない。そして、1年半の歳月をかけて塩谷とともに培ってきたポゼッションを基盤とした攻撃サッカーを勇気を持って貫いて勝利を飾ることが、塩谷への何よりの餞となる。

柱谷監督が「(J1昇格を)諦めていない」と言い切るように、塩谷がいなくなっても水戸はJ1昇格へのファイティングポーズを取り続けるという意志を示すためにも、今節は絶対に勝たないといけない一戦なのである。「この夏の厳しい条件の中、これから上位陣との戦いが続くけど、1試合も落とせない。まずは今節勝点3を取って、ここから上がっていくきっかけをつかみたい。そういう意味でも今節は大きなポイントになるゲームだと思う」(市川)。塩谷にとっても、水戸にとっても、希望を抱ける一戦を、試合後みんなが笑顔でそれぞれの次の一歩を踏み出すことができる一戦を、繰り広げてくれることに期待したい。

山形にとっても今季を左右する一戦となることだろう。ここ4試合負けなしという状況だが、そのうち3試合は引き分け。前節はホームで松本と引き分け、勝ち切れない試合が続いている。前節の結果により6位となり、7位京都との勝点差はわずか1に詰め寄られた。プレーオフ圏内の6位以内を維持するためにも、今節は絶対に勝っておきたい一戦だ。そのために期待されるのが、柏から加入した林陵平だろう。頼れるセンターフォワードが加わり、勢いに乗りたいところ。前節20分出場して試運転はできている。今節は先発出場の可能性も秘めている。新加入のストライカーの活躍が期待される一戦だ。

以上


2012.08.04 Reported by 佐藤拓也
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