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【J2:第27節 徳島 vs 大分】プレビュー:ボールホルダーを追い越す動きが徳島には絶対不可欠。間もなくやってくる阿波踊りの熱気にも負けない熱い戦いが期待される一戦。(12.08.05)

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「勝点を積み上げられるようになってきました」。前節勝利の立役者となった青山隼もそう手応えを聞かせてくれたが、その言葉通り徳島は最近の5戦で続けて勝点を手にしている。7月から突入したリーグ後半戦においてチームには未だ負けがないのである(2勝3分)。その結果から見れば、確かに徳島の状態は6月までと比較して飛躍的に良くなったと言っていいだろう。

しかし、昇格争いへの割り込みを狙うならまだ一段も二段も組織力、特に攻撃の力を高めなくてはならないはず。なぜなら徳島は戦績こそ上がってきているものの、効果的な攻めの形は相変わらず少ないままであるから。事実そのことはチームの放ったシュート数がハッキリ表しており、22節以降のそれを追うと「4」「7」「7」「5」「5」。いずれもひと桁で、見ての通りうち3試合が5本以下なのである。
もちろんシュート数で勝敗が決まるわけではない。また前節・熊本戦のように5本で3得点を奪って勝てば、非常に効率的で、ある意味試合巧者と言えるかも知れない。が、やはりそうしたゲームはそうそうできるものでないだけに、チームとしてしっかりチャンスを創っていける組織への進歩をさらに進めなくては。

ただ、それへの近付きを感じさせる動きを選手たちは前節で見せていた。それはまず先制点のシーンで、中央の青山から左の衛藤裕へボールがわたった時、徳重隆明がその衛藤を追い越して左サイド奥へ入り込んだのである。そして結果的に徳重の折り返しがアシストとなったわけだが、やはりこの場面で何より効いたのは背番号7の追い越す動き。それが熊本守備陣を守り難い状態へ追い込んだと言って間違いない。さらに、そうした動きは後半も一度決定機を生み出していた。濱田武が前方右タッチライン際の平島崇へボールを預けると奥に空いていたスペースへ思い切ってスプリント。その走りで完全に相手守備ラインの裏を取り、衛藤の惜しいシュートを引き出したのだ。
このように、ボールホルダーを追い越す動きはやはり相手守備を混乱させるにおいて非常に有効。だからこそ普段のトレーニングでもそうしたイメージ付けをするシュートメニューが頻繁に組まれている。となれば今節では、当然これまで以上にそれを意識すべき。そしてその動きを実際どれだけ攻撃に絡めていけるかというところが徳島のこの一戦における大きなポイントとなるように思われる。

対して大分については、ここ3試合で7失点を喫している守備をどう立て直してくるかが注目されるところ。中でも前節の失点場面で見られたバイタルエリアにおける寄せの遅れは何としても改善させなければならないだろう。とは言え、今季の大分は悪い部分を長く引きずらない修正力を持っている。そのことは今季まだ一度しか連敗を喫していないという事実からも強く受け取れ、ならばきっと今節も前述の課題部分を含めた守備改善をきっちりしてくるのではないだろうか。その上で、絶好調の三平和司が前節に続くような輝きを放てば、大分は前節に続きアウェイで価値ある勝点3を掴むことが出来よう。

この時期ともなると、徳島の地は間もなくやってくる阿波踊りに色めき始める。あの熱気溢れる夏の風物詩を今や遅しと誰もが待ちわび、そわそわ落ち着かない雰囲気が県内全体に漂う。だが、それの前に、今週末は鳴門が熱い戦いで燃え上がるに違いない。
浮上のために上位を叩きたい徳島か、再びの首位を目指す大分か、目の離せない激突である。

以上

2012.08.04 Reported by 松下英樹
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