後半戦に折り返しての2戦目となるこの第19節。札幌市の厚別公園競技場では現在勝点4で18位の札幌が、同29で6位の名古屋を迎え撃つ。
ホームの札幌は前節、敵地で磐田と対戦して1−4のスコアで敗戦した。守備的MFを3枚並べる布陣が機能し始めていたため、ひとつ結果を出して流れに乗りたいタイミングだったが、セットプレーから3点を失うまさかの展開に陥ってしまい、終わってみれば完敗。結果以上に試合展開のほうに悔しさが残る一戦となってしまった。
「自分達はもう、相手がどこであろうと勝点3が求められる立場にある」と山本真希が話すように、最下位にいる札幌は、とにかく勝点を積んでいくことが絶対的に求められつつある。シーズン序盤はいい内容のゲームを演じながらも結果が伴わないことで次第に失速していったことを考えると、ここからはシビアに結果を得ることで内容へと還元していく流れを作り出していきたいところだ。
そうしたなかで今節、注目を集めそうなのが3人の新戦力だ。7月20日に開いたウインドー(登録期間)で札幌は3人の外国籍選手を獲得した。FWテレ、MFハモン(ともにブラジル)、DFキム ジェファン(韓国)の3選手だ。なかでも注目はハモンだろう。CSKAモスクワ(ロシア)、フラメンゴ、コリンチャンス(ともにブラジル)といったビッグクラブでプレーをしており、三上大勝強化部長が「天才的な能力を持った選手。獲得できたのはラッキー」と話す実力派のアタッカーだ。今シーズンの札幌に乏しかった「個の力」を押し出して、浮上の契機を生み出し得るだけの力を持った選手と見ていいだろう。
新戦力合流直後の紅白戦では主力組の3トップにハモン、テレ、前田俊介という個性的なアタッカーを3人並べる布陣を試しており、石崎信弘監督は「レバークーゼン(ドイツ)の“デンジャラストライアングル”を真似してみた(2000年代前半のレバークーゼンはベルバトフ、ロブソン・ポンテ、フランサという名手を前線に並べ、この3人がそう称されていた)」と攻撃のパワーバランスを高めようという姿勢を打ち出した。ここ最近導入している3枚の守備的MFを並べる4−3−3に新戦力をハメ込むのか、それとも新戦力の特徴を生かす新システムを導入するのか。その部分にも注目したい。
一方で敵地に乗り込む名古屋の直近試合は25日のヤマザキナビスコカップ準々決勝第一戦、清水とのアウェイゲームだったが、後半途中に吉田眞紀人が挙げた虎の子の1点を守り切って1−0で勝利している。
この試合での名古屋は、本来はセンターバックである田中マルクス闘莉王を前線で先発起用する思い切った策を採用。ケネディを負傷、永井謙祐をロンドン五輪出場で欠くなど、攻撃的なポジションで複数の主力が不在となり苦戦が予想されたが、スクランブル起用がチームに刺激を与えたのか、ノックアウトステージの初戦という難しい試合で勝点3を得る上々な結果を引き寄せている。
闘莉王のFW起用についてストイコビッチ監督は「本当に私が期待した通りの動きをしてくれた」と称賛し、チーム全体のパフォーマンスについても「われわれの戦術を、守備も攻撃も選手たちがしっかり理解してやってくれたこと」を良かった点として挙げている。個人をフォーカスしても、チーム全体をフォーカスしても、どちらも手応えのある戦いができたということなのだろう。リーグ戦に目を向けても、6試合負けなし中と安定感のある戦いができている。主軸を欠き難しい部分はあるだろうが、前述の清水戦では2年目の吉田が初得点を挙げるなど戦力の底上げにつながっている。チームは良い流れに乗りつつあると言えるだろう。
そんなチーム同士の対戦だが、焦点となるのはやはり札幌の新戦力たちがどのタイミングで、どの位置で、どういった役割でピッチに登場するかという部分だろう。そして、それに対して名古屋がどのような応対を見せるのか。札幌にとっては新戦力の特徴を把握される前にリズムを掴み、そこからチャンスメークをして勝負を優位に進めたいだろうし、名古屋にとってはそれを何としても阻止したいところ。見応えのある攻防が演じられることは間違いない。
以上
2012.07.27 Reported by 斉藤宏則
J’s GOALニュース
一覧へ【J1:第19節 札幌 vs 名古屋】プレビュー:3人の外国籍選手が加わった札幌が、これまでとはどういった違いを作り出すのか。主軸を複数欠く名古屋に対し、新戦力がそのベールを脱ぐ。(12.07.27)
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