両チームのシュート数が試合展開を如実に表す。試合を通じて鹿島が17本、C大阪が15本のシュートを放ったが、それぞれ前後半でその数字は大きく異なる。前半は鹿島が12本と乱れ打ったのに対して、後半は打ち返しすかのようにC大阪が10本。ジメジメと体にまとわりつく湿度は80%を超え、体力の配分をさらに難しくさせた影響もあり、前後半で全く違う展開となった。しかし、決定力に差が出た結果、2−1で鹿島が勝利。少し優位な位置に立って第2戦を迎えることとなった。
「恥をかかずに済んだ」
試合後、セルジオ・ソアレス監督は旧知の仲であるジョルジーニョ監督に対してそう声をかけたという。鹿島は前半で2点を奪い試合を優位に進めたが、チャンスの数から言えばもっと得点が入っていてもおかしくなかった。
U-23日本代表に扇原貴宏、山口螢が選出され、メンバーを大きく変えてこの試合に臨んだC大阪は守備の組織がまとまらない。前半から大迫勇也、岩政大樹などにシュートを許し、再三再四ゴールに迫られ、キム・ジンヒョンとゴールのバーに助けられ、かろうじてゴールを守るのだった。
しかし、22分の小笠原満男のFKでまたも岩政をフリーにしてしまう。さすがに2回目はきっちりゴールをとらえ、鹿島が先制点を奪った。さらにその3分後、速攻で遠藤康がドリブルで駆け上がると、右サイドの興梠慎三がフリーに。「フリーになると思っていました」と言う興梠は、飛び出してきたキム・ジンヒョンをかわし冷静にゴールに流し込んで2点目を奪った。
ところが、33分に左サイドからC大阪・丸橋祐介にクロスを許すと柿谷曜一朗がヘディングシュートを決めてあっさり1点を返す。唐突に決まったC大阪のゴールで流れが変わると思われたが、その後もペースを握るのは鹿島。だが興梠、ドゥトラ、中田浩二がチャンスを迎えたものの、いずれもゴールネットを揺らすことはなかった。
前半から積極的に飛ばしたこと、2点のリードを奪っていること。それらを考慮し、ハーフタイムでジョルジーニョ監督は「ボールを保持すること」と指示を出す。しかし、高い湿度で体力を奪われ始めていた選手たちの運動量は必要以上に抑えられてしまい、結果、ほとんど攻撃の形がつくれなくなってしまう。
すると今度はC大阪がゴールに迫る。村田和哉、柿谷曜一朗らがチャンスを迎えたが、惜しくもシュートは枠を外れた。特に、アディショナルタイムに柿谷はキーパーと1対1の場面をつくったが、意表を突いたタイミングで放たれたループシュートはゴール左へと外れ、頭を抱えた。
「目標は次のステージに進むことですので、第1戦をしっかり勝てたことはある意味ではよかったのではないかと思います」
試合後のジョルジーニョ監督は少し悔しさも混じる表情で、この試合の意義を語った。第1戦で勝負を決めることもできただけに、この結果で満足することはできないだろう。ただ、新加入のレナトもまずまずのプレーを見せるなど、今後に繋がる材料もあった。C大阪にしても、勝負を第2戦にまで持ち越せたことは大きい。8月の長居はさらに暑くなることも予想されるため、次の試合も前半だけでは勝負が決まらないだろう。
以上
2012.07.26 Reported by 田中滋
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