今季のJ1リーグの中ではワースト2位の失点数を数えるガンバ大阪が、この日選んだシステムは3-6-1だった。狙いは「両サイドが高い位置を取り、サイドの攻防を制圧するため。また、2シャドーが少し中に入りながら中央で組み立てて、サイドを活かした攻撃を仕掛けるため(松波正信監督)」。もちろん、『アウェイゴール』がものを言うホーム&アウェイ形式のトーナメント戦でのホーム戦、しかも現在の失点の多さを踏まえても、最低でもその『アウェイゴール』を与えずに第2戦に繋げようという意識もあったはずだ。
その狙いについてはほぼ、徹底できていた前半だった。3バックというより、時に5バック気味の守備になったことで、攻撃の仕掛けに時間がかかり、思うように両サイドが攻撃に参加できないというシーンも多く見られたが、それでも相手のパスミスを拾って素早く前線にボールを運んだり、セカンドボールを拾ってフィニッシュの形を作り出したり。シュート数は少ないながらも、ある程度、攻守にバランスのとれた戦いで落ち着いて試合を進める。
これに対して柏レイソルは、守勢に試合を進めたG大阪の堅守の前に思うように攻撃の形を作り出せない。「オーガナイズの面、気持ちの面というところは別に悪くはなかったのですが、ダイナミズムが足りなかった」とはネルシーニョ監督だが、その言葉通り、個々の運動量も少なく、マイボールになっても攻撃が加速していかない。パスミスも多く、攻撃にかかるタイミングでボールを奪われ、G大阪の攻撃にさらされるシーンも見られるなど、自らリズムを失うことの多い前半だったと言える。シュート数もわずかに3本。うち前半終了間際には左サイドからの展開から、相手GKのこぼれ球に詰めたMFレアンドロ ドミンゲスが決定機を迎えるが、シュートはわずかに右に流れてしまう。
G大阪のシュート数5に対して柏も3と、直近のJ1リーグ戦とは試合の流れも展開もスコアも大きく違う中で折り返した後半。試合が動いたのは開始早々の47分のことだった。
「いい集中力を持って試合に入ろう(松波監督)」という意識で後半に入ったG大阪の出ばなをくじくかのように、得点を奪ったのは柏のFW工藤壮人。MFレアンドロ ドミンゲスのゴールライン際からの絶妙なパスにダイレクトで合わせて、先制点をものにする。
この貴重な『アウェイゴール』をものにしたことで、無理に攻めることのなくなった柏に対し、ビハインドを負ったG大阪は反撃を開始。59分には、FWレアンドロとMF阿部浩之を同時に送り込んで一気に攻撃を加速させる。なかでも、この試合がG大阪での“復帰戦”となったFWレアンドロはコンディション的には万全でないながらも、格の違いを感じさせるパフォーマンスを随所に発揮。その姿に、G大阪サポーターからはどよめきに近い歓声が沸き起こる。
だが、そうした勢いを『得点』に繋げられないのが今のG大阪だと言えるだろう。それどころか、その勢いを自ら止めてしまうかのように、76分にMFレアンドロ ドミンゲスにあっさりと左足でのゴールを許し、点差を2に広げられてしまう。さらに83分にセットプレーからDF丹羽大輝が1点を返し1−2とした後も、追い上げムードになりかけたところで、またしてもアディショナルタイムにMFレアンドロ ドミンゲスに追加点を許し1−3と、万事休す。
G大阪にとっては、FWレアンドロのパフォーマンスに光を見出せる試合ではあったものの、ホーム戦で、柏にアウェイゴールを3つも奪われるという、ヤマザキナビスコカップ準々決勝突破にはあまりにも厳しい結果に。その第2戦は、8月8日(水)、日立柏サッカー場で行われる。
以上
2012.07.26 Reported by 高村美砂
J’s GOALニュース
一覧へ- natsuyasumi2024
- jwc2024
- 国立20240914
- pari olympic2024
- bluelock2024
- THE国立DAY
- 2024 明治安田Jリーグ フライデーナイトJリーグ
- 2024JリーグYBCルヴァンカップ
- Jリーグ×小野伸二 スマイルフットボールツアーfor a Sustainable Future supported by 明治安田
- AFCチャンピオンズリーグ 2023-24
- はじめてのJリーグ
- 2024天皇杯
- seasonreview2023 Jリーグ1年の振り返り(別ウィンドウで開く)
- シーズン移行の検討
- 明治安田Jリーグ 月間表彰
- 2023 移籍情報
- 大会概要まとめ
- 2024Jユースカップ
- シャレン Jリーグ社会連携
- Jリーグ気候アクション
- Jリーグ公式試合での写真・動画のSNS投稿ガイドライン
- J.LEAGUE CORPORATE SITE