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【J2:第25節 横浜FC vs 鳥取】レポート:シュート16本を放った鳥取を、苦しみながら抜け目なく3ゴールを奪った横浜FCが下し、6/2以来のホームでの勝利(12.07.23)

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「光は見えた感じ」と試合後に鳥取・戸川健太が述べたように、鳥取には大きな改善が見られた試合だった。その改善の大きな要因は、期限付き移籍で獲得した久保裕一が鳥取の攻撃に芯を与えたこと。元々持っていたプレッシングからの守備に加え、攻め手を増やすことで、この試合16本のシュートを放ち数多くのチャンスを作り出した。しかし、勝負をモノにしたのはホームの横浜FC。こちらも、前節の千葉戦で突きつけられた「試合を勝つ抜け目なさ」という点で大きな改善を果たした。両チームとも、改善点を見せた試合となった。

横浜FCは、「いつもやっているやり方が悪い意味でこなれた感があったので、チームに刺激を与える意味で」(横浜FC・山口素弘監督)、立ち上がりから4-3-2-1のシステムでスタートする。このシステムは、これまでの試合でも、中盤でプレッシングがハマらなかったり、ポゼッションが決まらないときに、3枚のボランチで落ち着かせながら、リアクション気味に点を狙うときに採用してきたが、中盤から前線のプレッシングが激しい鳥取に対して、その力をいなしながら、確実に攻撃を仕掛けていく狙いが見て取れた。しかし、「システムどうこうより、ミスが出た」と山口監督が振り返るように、攻撃に切り替える時のミスでなかなかリズムが作れなかった。その横浜FCを尻目に、鳥取は久保を明確なターゲットして、縦方向にパワーのある攻撃を繰り返し、横浜FCを前後に揺さぶる。自然と横浜FCは4-1-4-1のような形に押し込まれてしまう。これは意図的に下げたのではなく、カイオがサイドに寄ってボールをもらおうと少しポジションを下げてしまったことによるもの。「(杉山)新を押し上げて、カイオを高い位置に戻そうとした」(シュナイダー潤之介)というように修正を図るが、なかなか修正できなかった。

そして、鳥取が11分から24分の13分間に浴びせた6本のシュートはそれぞれ迫力があるものだったが、先制点は横浜FCに。この日、久々のスタメン出場を果たした右SBの杉山新がファールをもらうと、高地系治のFKは直接ゴールに吸い込まれる。直接狙ったボールではなかったが、キーパーにとっては反応を決めにくい軌道をたどったゴールで、横浜FCは苦しい試合で先制に成功する。この高地は、FKの前に負傷を負っており40分に武岡優斗に交代。これでシステムを4-4-2に戻すが、横浜FCは苦しい前半をリードして折り返すことに成功。一方、鳥取にとっても横浜FCの長所を押さえることには成功していた前半だった。

山口監督が「相手もアグレッシブに来ているので、アグレッシブさで負けないこと」と送り出した後半は、前方でのプレッシングと久保をキーにした縦に早い攻撃を仕掛ける鳥取に対して、横浜FCもサイドの裏へのロングボールやドリブルを交えながら、攻勢に出るようになり、一言で言えば、打ち合いに近い状態となる。鳥取は、右サイドからクロスで何度もいいチャンスは作れるが、ゴールには結びつけられず。そして75分の1分間に、この試合の最大のポイントなる場面が訪れる。鳥取が右サイドのすばらしいパス交換から、奥山泰裕が抜け出し、久保にクロスを送り、久保がゴールネットを揺らすがオフサイド。その後の一瞬の隙に、シュナイダー潤之介が素早く杉山にボールを渡すと、そのまま持ち上がり、武岡、阿部巧とボールが渡り見事なカウンターで追加点を奪う。試合前から切り替えを勝負のポイントに置いていた山口監督だったが「何人も70mぐらい走った」と述べたように、最終的に5対3の数的優位をゴール前で作る、鮮やかな切り替えからのカウンターだった。

直後の77分にはようやく久保がセットプレーからヘディングでゴールを奪うが、80分には、キーパーからのロングボールを田原豊が落とし、野崎陽介、田原とつなぎ、フェイントで抜け出した田原が戻したボールを、野崎が決めて3-1として勝負あり。横浜FCの3つのゴールは、全てが細かなチャンスを決めたものだが、そういう勝負強さが鳥取の攻勢を上回ったゲームとなった。

横浜FCにとっては、勝負強さをつけた試合となり、その意味では千葉戦の悔しい敗戦を糧にチームが成長した試合。一方で「これからの上位の対戦に向けて4-3-2-1もモノにしないといけない。今日は選手が応えられなかった」とシュナイダー潤之介が語るように、新たな戦術的意図をピッチに表現するためのさらなる成長への課題も見えた試合だった。一方の鳥取は、冒頭にもあったように、大きな光を見いだした。前線でのプレッシングと久保を中心とした攻撃には迫力があった。試合を重ねることで、勝つための道筋ができるという予感がする内容だった。結果は横浜FCの勝利に終わったが、両チームとも改善を実感し、次へのステップを見出した試合となった。

以上

2012.07.23 Reported by 松尾真一郎
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