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【J2:第25節 横浜FC vs 鳥取】プレビュー:レベルアップと勝点3への渇望。上への新たな希望を広げるのは横浜FCか鳥取か。(12.07.22)

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関東地方は7/17に梅雨明けが発表され、本格的な夏を迎えた。学校も夏休み期間に入って初めてのJリーグ開催日となる。厳しい夏のゲームは体力的にも厳しく、ある意味サバイバルであるが、一方でここで勝ち残れば、ライバルに対して大きな差を付けることができる。この試合で対戦する横浜FCと鳥取は、目指すところには違いがあるが、この夏の躍進でそれぞれが上への希望を広げていかなければいけない。

横浜FCは、前半戦を終えたときに山口素弘監督がJ2優勝という目標を初めて口にした。開幕当初の成績からすれば考えられない目標だが、一方で前半戦を終了した時の順位を見たときに、グループとしてのより高い目標を掲げることでさらなるレベルアップを目指している。その新たな目標を考えたときに、前節の千葉戦は試金石であったが、ディテールでのレベルの差を見せつけられた形で敗戦を喫した。強風という悪コンディションにおける個のスキルの差によって、磨いてきたビルドアップも十分に発揮することができず、守備の面でも細かな穴を作ってしまい、そこから決勝点を献上してしまった。新たな目標に向けて、よりディテールを突き詰めないといけないという大きな勉強となった試合だった。だからこそ、敗戦の後の、この鳥取戦は非常に重要な戦いとなる。前節に肌で感じた上位との個人・チームとしての差をいかに埋めて鳥取と対峙できるか。高い意識で90分のゲームに臨むかどうかが、大きなポイントになる。「今週も、これまで持ってきていた良いところ延ばす練習をして、意欲的にこなしてくれた。鳥取戦だけでなくこの先につながる修正が出来たと思う」(山口監督)というように、改めて、継続して突き詰めているパスサッカーとビルドアップを高い次元でピッチに表現していきたい。そして、横浜FCはアウェイでは8連勝中だが、肝心のニッパツ三ツ沢球技場でのホームゲームでは6/2の熊本戦の勝利を最後に、1ヶ月半以上勝利がない。この試合も、多くのサポーターが駆けつけることが予想されている。試合後に「惜しかった」という声を掛けられて良い時期は過ぎている。山口監督が掲げた目標を実現すべく、全力で勝点3を取ることが求められる試合だ。

そのニッパ球に乗り込む鳥取は、現在勝点17で21位と伸び悩んでいる。前節の東京V戦では、前半から狙いとする高い位置でのプレッシングが機能し、守備から攻撃に向かうという流れを作ることはできた。しかし、ボールを奪った後のプレーでの確実性、スピードを見せることができなかった。ゲームプランとしての前半失点0は達成したものの、奪った後に取られるという繰り返しの影響で後半には押し込まれる場面を作り、杉本健勇に決勝点を決められてしまった。ゲームプランとして、チームの目指す良さは随所に見せていたが、一方でそれをフィニッシュ、そしてゴールにまで結びつけることができなかった。シュート5本という数字は、その結果の表れ。このゲームでは、攻撃に移ったときの確実性の向上というところが、1つのテーマとなるだろう。この試合から、千葉から期限付き移籍で加入したFW久保裕一と、DF藤本修司が出場可能となる。鳥取のビルドアップとチャンスメイクへの貢献が期待される。この試合で結果を残せれば、入れ替え戦の危機からの脱出と上昇への足掛かりをつかめるだけに、鳥取にとっても大事な試合となる。

鳥取ホームでの前回の対戦(第16節、5/27)は、三浦知良のゴールを含めて5得点で横浜FCが勝利。5得点という数字を見れば派手な勝利に思えるが、開始直後の4分に鳥取の住田貴彦が先制点が奪い、後半24分にも住田がゴールを挙げており、横浜FCにとっては得点差ほどの快勝というゲームではなかった。「前半立ち上がりの失点は絶対にするな。猛反省すること!サッカーはそんなに甘くないぞ! 集中していこう!」という山口監督のハーフタイムコメントが象徴するように緩みがあったのは事実。だからこそ、この試合では横浜FCはより高いレベルの意識を見せることが重要。鳥取も、プレーのレベルを上げて、ボールを奪った後の攻撃の質を高めることが必要になる。体力を消耗しがちな夏のゲームでは、ディテールの差が体力消耗にも大きく影響する。その意味で、ボールを奪った後のプレーの質、ボールを持っていない選手の動きなど、細かなプレーの質が、この試合の大きな見所となる。「鳥取は守備が良いチームで、ある意味千葉戦よりも難しい試合になる。前回の後半はこちらが緩んだが、緩むとボールを回されるし鳥取にその力はある。だからこそ緩んではいけないという話をした」(山口監督)というように、細部まで目が離せない試合となる。

ハーフタイムでの山口監督の定番コメントである「後半勝負!」ではないが、大きな差がない今年のJ2は、どのチームも今からが勝負所だ。その夏の扉を開けられるのは横浜FCか鳥取か。ぜひ、ニッパ球に足を運んで、飛躍のため全力を尽くす選手のプレーを応援して欲しい。

以上

2012.07.21 Reported by 松尾真一郎
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