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【J2:第25節 徳島 vs 北九州】プレビュー:どちらも今節のキーワードはプレー精度とグループ連携。過酷な気候下の一戦を制するのは徳島か、北九州か。(12.07.22)

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今の時期の気候は、きっとシーズン中において最も厳しいものだろう。夜を迎えても残るようになった暑さに、尋常でない湿度が重なり、選手たちは非常に激しい体力の消耗を強いられる。さらにそれによってフィジカルパワーが下がれば、集中力や意識力の低下も起こりやすい。注意しているつもりでいても、細かなポジショニングや気配りに思わぬズレや欠如が出てしまう。
現実、前節・岡山戦の終盤における徳島はそうであった。消耗し切ったことで選手たちの足は止まり、それぞれの位置取りなどもややボヤケたものになっていたのである。最終的には何とか維持した精神力で持ちこたえ勝点1を手にしたものの、勝負に関しては相当危ない状態を迎えていたと言えよう。

ただ、それは冒頭述べたような気候のせいだけではなかった。徳島は自分たちに絡む要因からもそうした状態へ陥っていたと言えるだろう。その要因とは、頻発してしまったミス─。選手たちはいざこれから攻撃というところで個人技術や連携などにそれを何度も起こしてボールを失い、すぐさま守備ブロックを形成し直すというある種余計な動きを繰り返していたのである。結果そうした自業自得の負担に個々が大きく体力を奪われていったと言わざるを得ない。

そこでその苦い経験から、やはり今節のゲームでは余分な体力消耗を確実に減らさなくては。もちろん決して軽い楽なプレーをするという意味ではなく、自分たちのサッカーに不可欠なハードワークを実践しながらだ。となれば、そのために求められるのは言うまでもなく全員のプレー精度向上。それを前節から大きく高めることがこの一戦の徳島にとって何より重要なポイントとなる。
それともうひとつ、グループとしてのボール運びを再度蘇らせることもチームには必要であろう。「グループでの連動が上手く出来なかったところが残念だった」と小林伸二監督も振り返っていたが、前節の徳島には複数人の連動した攻めが90分通してほとんど見られなかった。いや、それがハッキリ表現されたのは前半終了直前にジオゴ、ドウグラスへ鈴木達也が絡んだ僅か一度だけのはずで、当然それでは勝利を引き寄せられない。だからと言って、その部分について根本的な浸透がまだされていないのかと言えばそうでない。「チームは同じイメージを共有して、一丸となって闘うことが出来てきた」と西嶋弘之も手応えを聞かせてくれたが、実際徳島は前々節・福岡戦でそうした形を随所に披露。組織としてそれをきっちり会得したことを強く感じさせていた。それだけに今節では是が非でもグループ連動を復活させ、それによって効果的なボールの運びを実現し、その展開から突破口を切り開いていきたいところである。

そして対する北九州に目を向ければ、こちらも今節へ臨むにあたってのキーワードは徳島と同じに違いない。
三浦泰年監督が北九州に植え付け続けているスタイルは誰の目にもハッキリしたもの。流動的な動きを継続しながらのショートパスを主体としていくサッカーだ。だからこそ、パスをはじめとするプレー精度は間違いなく彼らの生命線であるし、グループ連動もチームには絶対不可欠となってくる。とは言え、北九州は前節敗れながらもそれらの好調さは見せていた。そのため今節でも安田晃大や新井涼平を中心にその状態を継続すれば、欲する結果への距離はおのずと縮まるだろう。
また、北九州に関しては個人的に非常に強く感じているところがある。それは球際での選手たちの粘り強さで、その部分からは三浦監督の現役時代が思い出されてならない。私事ながら読売クラブ所属時には何度もトレーニングマッチで三浦監督(当時は選手)とマッチアップさせていただいたのだが、その時体感した三浦監督の圧倒的な粘り強さが今の北九州の選手たちには大いに重なるのだ。そうした基本的なところにも三浦イズムが着実にチームへ根付いているということであろう。

さて、ゲーム当日は真夏日となる予報。それに梅雨の名残りの湿度も加わりピッチ上が過酷な環境になるのはほぼ確定的だ。果たしてそこで相手より高いプレー精度と活発なグループ連動を見せて勝点3を手中に収めるのは徳島か、北九州か。戦いの行方から目が離せない。

以上

2012.07.21 Reported by 松下英樹
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