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ルヴァン 準々決勝 第1戦
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【J2:第25節 東京V vs 熊本】プレビュー:FW争い激化の東京V。チャンスをつかむのは果たして?熊本は、ロアッソデビュー戦の“北嶋効果”に期待。(12.07.22)

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『ピンチをチャンスに!』これが、今節の東京Vのキーワードになるのではないだろうか。
ピンチというのは、主にメンバー構成である。元々、守備の要・土屋征夫が戦線離脱中と厳しい状況ではあったが、さらに勝利した前節から、少なくとも2人は必然的に代わることになる。
今さら説明するまでもないだろうが、まずは、杉本健勇の期限付き移籍満了によってFWが空く。もちろん、チームとして戦力的にも痛いことは否めない。ただ、それでもやはり、実績からみても、現在の東京Vの真のエースは阿部拓馬だと言えよう。あまり悲観しすぎず、“エース阿部の新パートナー探し”という観点でぜひ注目したい。

杉本健が重宝がられた要因のひとつが、最前線でのボールの収まりだった。その役割的な意味でも、今節は巻誠一郎の先発が予想される。「僕のやれることは変わらない。僕ができるプレーはもうみんなわかってるから、それをうまく生かしてくれればと思います」。184cmの長身を投げ出し、捨て身となってボールを収める献身的プレーには元々定評がある。加えて、巻は杉本健の加入当時から「上手いから、盗めるところはどんどん盗みたい」と語っており、「ポストの上手さ、どうすればチームとしてボールが回るか、引き出してボールが回る時間帯を増やしてヴェルディらしさを出すような動きなど、健勇の動きを見て身につけた部分はある」。これまで、決して黙って出場機会を待っていたわけではないことを今こそ証明したい。

また、他のFW選手にも十分出場機会はありそうだ。特に現在、ジョジマールがケガで戦線離脱しているため、アレックス、南秀仁という若くフレッシュな選手にとってはまさに大チャンス。現在2位(首位・千葉と勝点は同じ。得失点差による)につけるチームにとっても、今後『優勝して昇格』の目標を達成し、J1で戦っていく戦力を整えていくためには、彼らの台頭は必要不可欠と言えよう。それぞれタイプは違うが、アレックスは練習でもここしばらく好調が続いており、南の得点感覚の鋭さ、テクニックはU-19日本代表での活躍でも証明済みと、どちらもポテンシャルは高い。ぜひ、このタイミングを「絶好のチャンス」と理解し、出番が巡ってきたら思う存分アピールしたいところだ。

そしてもう一ヶ所の交代が右サイドバックである。森勇介を出場停止で欠かなければならないのは、正直痛恨とも言える。というのも、今季ここまでの戦いを振り返るとき、東京Vが思い通りのサッカーをやれた試合には、森のサイド突破、そして前線との絡みが欠かせなかったからだ。そこに、今節起用が見込まれるのは、ルーキー田中貴大だろう。先発すれば、第18節鳥取戦以来となるだけに、本人の意気込みも強いに違いない。その鳥取戦では、川勝良一監督も「使っても問題ないということがわかった」と、及第点を与え、特に持ち味であるスピードあるサイド突破には「縦に勢い良くに引っ張ってくれる」と、攻撃面でも高い評価を口にしていた。ただ、その後は出場機会を得られていないだけに、この機会にもう一度、しっかりと役割を果たし、ポジション争いに名乗りを挙げたい。

また、前節、先発が予想されながらも後半頭から交代で入った中後雅喜は、試合後に「自分も(先発の)可能性があると思ってたから、正直悔しかった。その思いをプレーで表した」と、悔しさを露に語っており、スタメン奪取に非常に意欲を高めている。他にも、小林祐希、小池純輝と、出場機会に飢えている選手が続々と控えている。こうしたポジション争いは、指揮官としては大歓迎だろう。
本当に強く勢いあるチームには、一見ピンチに見える状況や試合で“シンデレラ・ボーイ”なるものが誕生するものである。『チームのピンチは自分のチャンス』そんな、“新・モッてる”選手が誕生するかもまた、東京Vのチーム力を推し量るひとつの見方として楽しいのではないだろうか。

相手となる熊本は、なんといっても新加入・北嶋秀朗の出場選手登録完了が最大の注目ポイントだろう。第18節vs水戸戦から前々節まで6戦無敗など、機能しはじめていたチームの1トップとして大いなる貢献をしてきた高橋祐太郎、齊藤和樹の2人をそれぞれケガ、今節出場停止で欠かざるを得ない事情からも、おそらく新・背番号39の先発起用は濃厚とみていいに違いない。これは、熊本ファンならずとも、非常に楽しみなところだ。加入して約1ヶ月、試合に出てピッチ上で直接的な貢献はできなかったとはいえ、日本代表経験をもつ熟練FWが日頃の練習の中で熊本の選手たちに与えている影響は、すでに絶大なものだという。事実、前述の6戦無敗は、北嶋が加入してからなのである。
ただ、これまでの好成績を支えていたのは、齋藤、高橋、西森正明、武富孝介ら若い前線選手の激しい運動量であることは間違いない。その1枚に北嶋が入ることで、いかなる化学反応が起こるか。北嶋自身、柏所属時をさかのぼっても、5月6日以来約2ヶ月半ぶりの公式戦となるだけに、良くも悪くも未知数であると言っていいだろう。

熊本にとっても、この試合は下位を脱出するために絶対に勝ちたいことは間違いないだろう。得点力で上回る東京Vに対して、まず、形となりつつある高木琢也監督の「失点しないしっかりとした守備からの連動サッカー」で真っ向勝負を挑みたいところだ。

以上

2012.07.21 Reported by 上岡真里江
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