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【J2:第24節 岡山 vs 徳島】レポート:守備ブロックを形成する徳島に対し、岡山が用意した戦術はリトリート。しかしこの高度な戦いも、結果はスコアレスドローに終わる。(12.07.16)

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しっかりとした守備ブロックを形成する徳島に対し、岡山が用意した戦術はリトリート。この戦術は功を奏した。それだけに前後半にわたって作り出した数々の決定機を決められなかったことは、岡山にとって残念な結末だ。徳島は前半、この「奇策」に戸惑いを見せたが、後半はサイドを起点とした攻撃やポゼッションからボールをゴール前へと運んだ。しかし徳島もラストの精度を欠いて無得点に終わった。

引いた岡山に対し、徳島は時間をかけてビルドアップしながら、攻撃の糸口を探っていた。そのパスをボランチの仙石廉、千明聖典が主体となって奪い、岡山は幾度となく決定機を作り出した。前半17分には右ワイドの澤口雅彦が内側に切り込んでそのまま駆け上がり、左の田所諒、そして桑田慎一朗からチアゴへとボールを繋ぐが、最後の川又堅碁には合わない。しかし澤口の気迫あふれるプレーが、岡山の思いを象徴するシーンだった。

また前半23分には仙石廉がミドルシュートで意表をつく。得点の少ない岡山で、「FWだけの責任じゃない。自分がもっと点を取れる選手であれば、勝てる試合が増える、それを狙っていきたい」と仙石。その後、川又がフリーで抜け出す機会が2度繰り返されたが、「自分の中で細かいところがずれていた」と川又。このゲームでチームの得点数を伸ばすことは出来なかった。

徳島は前半の終わりに、ジオゴからドウグラスと繋ぎ、ドウグラスのクロスに鈴木達也が飛び込むところを岡山のGK中林洋次がキャッチ。絶好のチャンスを中林に止められた。後半に入ると徳島はスピードを上げ、岡山のボールを奪ってシュートを打ち込む。トップのジオゴと左SH鈴木の連係も上がり、前への力が効いていたが、前半10分、岡山の金民均が入ったあたりから、再び主導権を岡山に渡してしまう。

岡山は金民均、石原崇兆、関戸健二。徳島は徳重隆明、花井聖、津田知宏と、両チームともに交代枠をすべて攻撃的カードに使い、投入された選手は持ち味を生かしたプレーでチームを盛り立てた。自身のチームのプレーについて、「新たに崩しきる、ボールを奪って2本3本4本と確実に回すということを、しんどい中でもやる必要がある」と振り返る小林監督に対し、影山監督は「選手たちは色んな可能性を秘めたプレーをしてくれていますので、もちろん得点も勝点3も取りたかったですが、悲観していないです」。決定機の数と内容は岡山が上だった。

戦術が明確に見えるゲームは、観客に上質な愉しみを与える。あともうひとつ必要だったのが、ゴールだった。小林監督が予想していたように、「岡山はラスト15分にパワーアップして点が取れるチームなので、リトリートのままでは終わってこないと思った。うちとしては取られなかった、苦しかったですが、乗り切れた」ゲーム。ここでどちらかが決めていればそれぞれにとって鮮やかなショーとなったはずだが、別の機会に持ち越された。岡山も、徳島もチーム独自の強みがあり、また強化すべき点が見えている。つまり勝点3を積み重ねるために、面白いゲームを続けていくことが出来る。


以上

2012.07.16 Reported by 尾原千明
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