新潟と浦和は0-0で引き分けた。90分間、展開は変わらなかった。ともに中盤でボールを奪い合い、奪ってからはカウンター。自陣では相手の攻撃を粘り強くはね返す。どちらもペースダウンすることなく、歩調をあわせるように体力も消耗していった。走りあい、せめぎあった末のスコアレスドローだった。
「大きな勝点1」。新潟の柳下正明監督は選手たちの粘り強さをたたえた。同様に浦和のペトロヴィッチ監督も「この勝点1は意味がある。我々は9試合負けていない」。指揮官2人は勝点以上に内容を評価した。
新潟は狙い通りだった。最終ラインにダブルボランチが加わり、6人で守る。攻撃は前線の4人が中心。浦和の1トップ、2シャドーを、センターバックとボランチで徹底マークして、ボールを奪ってからは3バックの横のスペースを狙う。「練習でやってきた形」。本間勲が言うように、思惑に沿って接戦に持ち込んだ。守備陣だけでなく、全員が自分のマーク離さないことを心がけた。
守備にウエートを置いても、引いて守るだけだったわけではない。石川直樹は「前線に出すタイミングは常に狙っていた」。カウンター中心の攻めの中でも、後ろでポゼッションする場面では冷静だった。スイッチを入れるタイミングを落ち着いて図った。柳下監督が就任して5試合目。簡単にボールを失わない意識は浸透し、形になりつつある。
もちろん、課題もある。「勝点3を取るためにはゴールが必要」と田中亜土夢。カウンターで攻め込んでも、浦和の守備を崩す場面は少なかった。人数が足りずにペナルティーエリアの前で引っ掛けられる。菊地直哉、アラン ミネイロ、三門雄大らがミドルシュートを狙った。ただ、そこから相手守備を崩す糸口はみつからなかった。「ゴール前でのひと工夫が必要」。田中が言うように、フィニッシュに持ち込むまでの精度の高さがあらためて求められる。
浦和も堅守からリズムを作った。前半は3バックに阿部勇樹が加わる形で新潟のカウンターに対処した。クロスを入れられても、きっちりとはね返す。クリアボールを拾うと、カウンターを仕掛け、原口元気、柏木陽介らがゴール前に顔を出す。サイドを起点にシュートに持ち込むシーンを、全体を通して作った。
新潟の固い守備の前に、立ち上がりは前線でボールを回すことができなかった。ただ、後半はマルシオ リシャルデスらが出入りを多くすることで、相手のマークを外しにかかった。その流れでサイドからの突破が増えた。「5、6回、決定的なチャンスを作った」。ペトロヴィッチ監督は評価した。同時に「チャンスに対するゴールの割合が足りなかった」。相手の守備を崩しきる部分が必要だったことも認めた。
新潟は今季初の連勝はならなかったが、3試合連続で勝点をゲット。チーム状態は上向きにある。浦和も9戦負けなしと安定感に揺るぎはない。お互いにとってポジティブに捉えられる勝点1になった。
以上
2012.07.15 Reported by 斎藤慎一郎(ニューズ・ライン)
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