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【J1:第17節 清水 vs 川崎F】レポート:1,000ゴール目の呪縛から抜け出せない清水。川崎Fも同様に最後の落ち着きを欠いて、記念試合はスコアレスドロー(12.07.08)

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それにしても清水が点が入らない。それは川崎Fも同様だが、清水の場合、チャンスは作れど最後のシュートだけが決まらないという状態がここまで続くと、何かに呪われているとでも思いたくなってくる。
ただ、試合内容に関しては、お互いに単純なクリアやアバウトなロングボールが少なく、後方からつねに明確な意図を持ってつないでいこうとする姿勢は、観ていてとても気持ちが良かった。日本のサッカーの質を上げるという意味でも、両チームの姿勢は大きな価値がある。だが、お互いにミスが多かったことも、結果的に0-0だったことも事実。清水や川崎Fのようなチームが、ゴールを量産できるようになるには、もう少し時間がかかるということを実感させられたゲームでもあった。

清水にとってはクラブ創設20周年記念マッチで、試合前にさまざまなイベントが行なわれ、スタンドの入りも上々。今日こそは点を取って勝ちたい、勝たなければいけないという濃い空気が、試合前からピッチ上に漂っていた。急に夏が来たような暑さがあった中で、選手たちのコンディションは悪くはなかったが、やはり清水の選手たちに多少硬さが感じられたことは否めない。
ただ、それでも中盤の守備では清水が優位に立ち、前半は速いピッチに戸惑う川崎Fにミスが目立ったこともあって、少しずつ清水が主導権を握り、相手ゴールに迫る場面を増やしていった。
そして、32分には右サイドでボールを奪ってからの速攻で、アレックスが右に飛び出し、折り返しから河井陽介がシュート。これはゴトビ監督がよく言う「100%のチャンス」だったが、GK西部洋平にわずかに指先で弾かれ、先制点を奪う最初のチャンスを逸した。

その後も、清水が何度かゴールに迫っていったが、古巣に対する意地を見せるGK西部がクロスにも良い反応を披露。川崎F守備陣も粘り強い対応を見せ、なかなかつけいるスキを与えてくれない。
後半に入ると、川崎Fが攻めのギアを上げて序盤はペースを握り、開始2分に楠神順平がうまく突破してGKと1対1の状況を作ったが、ここはDF岩下敬輔とGK林彰洋の2人で何とかブロック。
清水はやや落ち着かない状況になっていた中で、後半11分に杉山浩太→高原直泰、小野伸二→高木俊幸と一気に2人を交代。それまでトップに入っていたアレックスと河井を2列目に下げ、攻撃シフトに変更すると、再び清水が押せ押せの流れに。

だが、ラストパスやそのファーストタッチが微妙にズレる場面も多く、良いところまで行ってもなかなか決定機には至らない。それでも後半18分に高原がボックス内で決定的な反転シュートを放ったが、ここは再び西部がスーパーセーブ。27分にも李記帝の左クロスから大前元紀がフリーでヘディングするが、これはわずかに右に外してしまう。
後半40分にはアレックスのパスから高原がチャンスを迎えたが、シュートは完全な当たり損ね。大事な時間帯でのこうしたミスは高原らしくないもので、彼に限らずやはりチーム全体としてゴール前での冷静さを欠いていることは明らかだった。
それは川崎Fにも同じことが当てはまり、結局どちらも点を決めきれないまま、0-0でタイムアップの笛を迎えた。

これで清水は2試合連続無得点。直前の得点はPK(鳥栖戦)なので、流れの中からという意味では、なんと6試合点が取れていないことになる。とくに今回はクラブとして何としても勝ちたかった記念試合で、チャンスの数や質でも相手を上回り、少なくとも3回は「それは決めなきゃ!」という決定機があった。まさか通算1,000ゴールの呪いなどはないだろうが、あと1点に迫った1,000ゴール目の呪縛からは、まだ抜け出せていない。
川崎Fの風間八宏監督が語った「ペナルティエリアに入ったら、本来はボールを持っている攻撃側が有利な状態だから、冷静あるいは冷淡なぐらいで良いと思うんですが、そこで自分が冷静になるよりも不安のほうが出てきてしまう」という言葉は、そのまま清水の選手たちにも当てはまる。
そこで神様に頼ることもなく、自力で自信を獲得し、プレッシャーの中で冷静にゴールを決めることがプロとして求められるミッション。今のところサポーターとしてもゴトビ監督としても、その部分の成長―あるいはラッキーボーイの登場を、辛抱強く待つしかなさそうだ。

以上

2012.07.08 Reported by 前島芳雄
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