雨が降るニッパツ三ツ沢球技場に、愛媛FCのゆるキャラ、一平くんが登場。昨年、在籍していたU-23日本代表の齋藤学を激励しようと駆けつけたわけだ。横浜F・マリノスのサポーターソングに合わせ、マリノスくんと軽妙に踊り、試合前のスタジアムを温めてくれた。
キックオフ。一平くんの応援効果か、齋藤が躍動。ボールを持ったらまずドリブル、というぐらい果敢に仕掛ける。27分には、左サイドから一気にギアチェンジするドリブルで、カットイン。DF2人を抜き去るも3人目に潰された。
横浜FMは齋藤の勢いに引っ張られ、31分に先制。右CKをニアで中澤が競り、裏に抜けたボールをマルキーニョスが足に当てる。これはDFにブロックされたが、こぼれ球を富澤清太郎が蹴り込む。
その後も横浜FMペース。左サイドではドゥトラと齋藤、右サイドでは小林祐三と兵藤慎剛がそれぞれ絡んで、何度もセレッソ大阪のサイドをえぐる。39分にはドゥトラの縦パスに抜け出した齋藤が丁寧にグラウンダーのパスを中へ。小野裕二がそれをミートしたが、追加点ならず。
逆にC大阪は41分、ブランキーニョが中央からミドルを打ち、これがDFに当たりゴールを強襲。だが、横浜FM守護神・飯倉大樹が、鋭い反応で右へダイブしギリギリで防ぐ。
ハーフタイムを挟み、後半頭から横浜FMが選手交代。マルキーニョスが負傷したため、谷口博之が出場した。
その谷口にいきなりチャンス到来。小野の右クロスに対するクリアボールが小さく、谷口の目の前へこぼれる。谷口はエリア内で冷静に打つもGKにセーブされる。
61分、今度はドゥトラが負傷退場。65分、C大阪は永井龍をピッチへ投入。このあたりから徐々に、C大阪が攻勢に出始める。若い選手たちがよく走り、「グラウンダーのパスも繋がった」(扇原貴宏)ことで、ようやく攻撃にリズムが出る。
それに対し横浜FMは、この時点でサイドハーフに入っていた小野と齋藤が、献身的にディフェンスをカバー。ボールを奪えば、2人揃ってカウンターの急先鋒に。74分、齋藤、小野で右サイドを崩しにかかり、ルーズボールを齋藤がシュート。ボールはDFに当たって軌道が変わり、左ポストを直撃した。
それでも流れは変わらず、勢いのあるC大阪に押し込まれ、運動量も減っているように見えた。その隙を突いたのが、柿谷曜一朗。80分、中盤でフリーのブランキーニョからの縦パスをワントラップし、反転しながらの左足ボレー。鮮烈な一撃がゴールを射抜く。
横浜FMにとって、この失点パターンは、先週の「名古屋戦と一緒」(中澤佑二)。前節も83分、中盤のパッサーにプレスをかけられず、縦パスを通され、失点している。そして、また同じ展開で勝ち切れなかった。これでリーグ戦は3試合連続引き分け。ミックスゾーンに現れた選手の顔は、まるで敗者のような沈んだ表情が多かった。
それとは対照的だったのが、2戦連続同点弾を挙げた柿谷だ。「横浜FMのディフェンス力がすごく高かった」と言いながらも、スッキリとした、いい表情をしていた。
以上
2012.07.08 Reported by 小林智明(インサイド)
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