ともに５勝４分７敗と同じ成績で並ぶ両チームの対戦だ。12位の横浜FMとは勝点４差ができてしまっており、ここで置いて行かれないためにも、是が非でも勝点３が欲しい試合となる。お互いにチーム事情により前節とはメンバーが変わるため、変化にうまく対応できるかどうかが、勝利の鍵となるはずだ。

まず鹿島は、最終ラインから岩政大樹が累積警告により出場停止。代わりに中田浩二が出場することになるだろう。6月27日のナビスコカップ清水戦で先発しているが、リーグ戦では3月17日の川崎Ｆ戦以来の出場だ。ようやく戻ってきてくれた、という印象を持つサポーターも多いことだろう。
練習でもさっそく視野の広さでチーム全体の守備バランスを微調整するコーチングを見せていた。コンビを組むことになる山村和也に対してもパスまわしの際のポジショニングを指摘するなど、立ち位置のわずかな差で失点してしまっているルーキーと、積極的にコミュニケーションを取っていた。
とはいえコンディションはまだまだ。本人も「完璧ではないけど、これ以上休めない」と決意の出場だ。ただし、ボールを奪われたあと、高い位置から奪い返すことを模索するチームにとって、チーム戦術を高いレベルで理解する中田の復帰は朗報だ。また、攻撃に関しても怪我で戦列を離れているときから「ちょっと攻め急ぎすぎてる」と指摘していた。中田が戻ることで、守備だけでなく攻撃にもプラスの効果があることが期待される。

対する大宮はラファエルと金英權がシーズン途中にチームを離れた。特にエースFWのラファエルの離脱はチームのサッカーを根幹から変えることになる。長谷川悠とチョ ヨンチョルが組む２トップでスピードを生かした突破をはかる場面がつくれれば、勝機は見えてくるだろう。

今季はすでにヤマザキナビスコカップの予選リーグで対戦している。そのときは、鹿島が試合を支配しながらゴールを割ったのは1度きり。興梠慎三、大迫勇也がうまくパスを引き出していたが、決定力不足が問題になっていた。
ただし、先述したチーム事情に加え、ヤマザキナビスコカップということで若手選手が出場していたポジションもあり、まったく同じ展開になるとは思えない。
とはいえ、データ的には鹿島が圧倒しており、カシマスタジアムでは５勝２分と無敗を誇る。通算成績でも９勝４分１敗と一度しか敗れたことがない相性の良い相手だ。
またロンドンオリンピックに出場するU-23日本代表に選ばれた山村和也、東慶悟にとっては、大会前の最後の試合となる。彼らのパフォーマンスにも期待したいところだ。

以上

2012.07.06 Reported by 田中滋