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ルヴァン 準々決勝 第1戦
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【J2日記】京都:ユーロ決勝、どう見ましたか(12.07.05)

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ユーロ2012決勝、ご覧になりましたか? スペイン対イタリア、すごい試合でした。あの試合を観て、京都の選手は何を感じるか、あるいは何を学ぼうとするのか。ちょっと気になったので、練習後に、安藤淳、工藤浩平、駒井善成、久保裕也、原川力の5選手に聞いてみました。

Q:「決勝戦の感想」と「目を引いた選手」は?
●安藤淳選手
「やっぱり、やり続けることの大切さ、ぶれない強さ、そういうのは感じましたね。僕のポジションが右サイドバックなので、サイドバックのポジション取りとかは特に注意して見てました」
●工藤浩平選手
「ひとことで言ったら、スペインはすごいなあと思いますね。イニエスタとかシャビとか、相手のプレスを外すのはうまいなとは思いますね」
●駒井善成選手
「あれだけ相手が守備ブロックを作った中でどう崩すかというイメージをチーム全員で共有できている。みんなが流動的にポジションを動かしながらパスを回して、それで仕掛けるところのスイッチが入った瞬間にみんなもそのスイッチが入るという感じ。すごく迫力がある。奪われてからも選手たちの距離感がしっかりしているから、相手に奪われて攻守の切り替えが起こった時にも相手は全然前に行けないし、前にボールを蹴れない。そこからまた取り返してやり直すので、イタリアは苦しんだと思う。
注目したのは、スペインの全員。やっぱりセスク、イニエスタ、シャビ、ダビド・シルバ、前線の選手は全員、目を引くぐらいのクオリティがある。両サイドバックはとても高い位置を取って、決勝の2点目なんかは左サイドバックのジョルディ・アルバがあそこまでランニングして点を取るという…ほんまに左サイドバックじゃないような動きをしている。京都もサイドバックが高い位置を取って相手を押し込む形だし、スペインがお手本を見せてくれたので、真似したいなとは思います」
●久保裕也選手
「やっぱりフェルナンド・トーレスは取るな、と思いました。大事なところで取りますよね。バロテッリにも取ってほしかったですけど」
●原川力選手
「スペインのポジショニングは見ていてすごいなと。みんなが連動して動いているので成り立っているんやろうなという感じです。イニエスタとかシルバはずっと好きで、注目して見ていました」

Q:自分あるいはチームに取り入れたいところは?
●安藤淳選手
「サイドバックがタイミング良く高い位置を取れるようにしたいし、パスを出させるように中盤とうまく連携する。高い位置を取っているだけじゃなくて、そこにボールが出るようにしていきたいですね」
●工藤浩平選手
「目指すところというか、お手本にしなくてはいけないプレーはたくさんあった。ボールの動かし方だったり、ボールを取られた後の切り替えの速さだったり、参考にして見ていました」
●駒井善成選手
「セスクはFWの選手じゃないですけど、前のほうで流動的にポジションを下げたり裏に抜けたりを繰り返していた。自分も相手を背負えるタイプではないので、ああいうふうにいろいろなところに顔を出しながら裏に抜けたり、逆に引いてもらってはたいたり、勝負したり…もっともっとバリエーションを増やしていけたらなと思います」
●久保裕也選手
「京都もビルドアップはできるので、僕自身が裏へ抜け出したり、そういうところは真似できると思います」
●原川力選手
「ゲームの流れとか落ち着いている時間帯とかは、もうちょっとチームとしても必要なんじゃないかなと思います」

ポジションによって見え方が違うものですね。最後の質問は2点目のシーンから。
Q:前半終了間際に左サイドバックのジョルディ・アルバが走り抜け、そこにシャビからパスが通り、2人でイタリア守備陣を切り裂きました。なぜ2人だけで点を取れたと思いますか?
●安藤淳選手
「僕は2人だけで取ったとは思わなかったです。ワンツーの場面だけを見れば2人だけで取ったように思いますけど、その前の守備から始まっている。攻守が切り替わった瞬間からゴールまでつながったんじゃないかなと思います」
●工藤浩平選手
「点を取ったのはアルバでしたっけ? パスを出して動いて、そこのスプリントがすごかった。あの足元に入れるパスは、ウチも慌てないでやっていきたいなと思いますね」
●駒井善成選手
「シャビのクオリティやアルバのランニングというのもありますが、やっぱり斜めに走るという相手が一番嫌がるランニング。あれはスペインしかできないプレーの一つだと思います。ああいうパスを出せるのは、やっぱり世界でもトップクラスの選手。2人で点を取るというのはとても難しいことなので、それを目指しながらやっていくというのはいいことだと思います」
●久保裕也選手
「ラインぎりぎりで受けていたし、抜け出しのタイミングも良かった。パススピードも速かったので、うまく抜けたのかなと思います。中盤で前を向いて、仕掛ける人がいて…動き出しが良ければ京都でもできると思います」
●原川力選手
「足元に入るパスの精度じゃないですか。もっと前のスペースに送っていたら取られていたと思いますけど。パスの精度が高いから、2人で行けた。自分たちでもできると思います」

ひと昔前なら「最高レベルのプレー」「やっぱり世界は違う」と憧れの目で見ていたものですが、今や自分たちでもあのレベルを目指し、世界とのレベル差をどうやって埋めていくかを意識する時代になったのだ…そんなことを思いつつ、最後は大木武監督にも同じ質問をしました。

Q:決勝戦の感想は?
「やっぱりスペインは強いな、というのが正直な感想です。ダークホースのイタリアが行くんじゃないかと思ったりもしたんですけど、それどころではなかったですね」

Q:特に目を引いた選手は?
「やっぱりイニエスタは良かった。それから、すごく良かったというわけじゃないけど、セスクがあそこで何をするのかなというのが気になりましたね」

Q:参考にしたり、こういう考え方は取り入れたいなという部分はありますか?
「今日(7月4日)のミーティングでは、自分たちよりもユーロ決勝のプレー映像を見せた時間のほうが長かったです」

Q:特にスペインの2点目、2人で点を取ったシーンがありました。なぜ、2人で点が取れたのでしょうか?
「1点目もそうですよね。点が入る時というのはそういうもの、たとえば、(久保)裕也が頭で決めた水戸戦の時も、相手は3人くらいいましたが裕也1人ですよね(動画はこちら)相手のほんのわずかな隙だったり、自分たちの良さが沸き上がる時だったり…そんな状況で得点・失点が生まれる感じがしますね。もちろん、だからといって運を天に任せるわけにはいかない。自分たちが取れないのであれば取りに行く努力をしなくてはいけない。その努力は100やったら100実るわけではないけれどでも流れに身を任すのではなくて、点を取れる状況を作らないといけない。シュートを打たなければ点が入らない、シュートを打つためにはチャンスを作らないといけない、ではチャンスを作るためにはどうするか…逆算すると何をすべきかというのが見えてくる。でも、それをやったら本当にゴールできるかと言えば、たった2人でも点を取ってしまう。だからおもしろいよね、サッカーは(笑)」

Q:足元に入ったパスの精度が高かったと言う選手もいましたが?
「足元ではない、スペースに入っているんですよね。ジョルディ・アルバは走っている、彼のスピードが落ちましたか? 落ちていないですよね。それは走っているスペースにパスが入っているから。そういう感覚があるか、ないか。スペインだからできたとかではないんですよ。中村充孝の岡山戦のゴール(動画はこちら)で、原一樹のパスはドンピシャリだった。京都でももう十分にやっているんじゃないかなという気がしますね」

Q:ひと昔前は「あれが世界」「理想的なプレー」と絶賛して憧れていましたが、Jリーグでもああいうレベルを目指さないといけないと思いますが?
「もちろんそうですね。ただ、世界中が見ているユーロ決勝でやるので『スゲぇな』となるわけですが、先ほど言った岡山戦での原一樹のパスは、それがJ2の試合だからなかなか目に付かないけれども、現実には大差ないかもしれない。スペインだからすごいとか真似できないとか、そういう気持ちはさらさらない。もっと言えば、こんなことしかできないのかと思うこともたくさんあった。もちろん良いプレーを真似したり、「なんでこうなるんだろう」と突き詰めていくことは必要だし、アイデアとしてストックできる部分もあるかもしれない。だた、そういう環境はここでも整っているよ、と…。みんなはJ2よりもユーロ決勝がすごいと思って見ているわけだけど、でも本当にどっちがすごいのか。それはわからない」

舞台が違うから…最初から色眼鏡で見ている部分や当然と認めている部分があるのかもしれません。でも、自分たちだってスペインに負けていないプレーもあるよと大木監督は言いたいのだと思います。もちろんスペインのプレーはレベルが高く、そこから学び取ることもたくさんありますが、自分たちを下に置くこともないのだと。その微妙な部分が監督の答えに出ている気がしました。

あれやこれやと選手や監督に様々な思いを与えてくれたユーロ。皆さんはどう見ましたか?

以上

2012.07.05 Reported by 武田賢宗
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