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【J2:第22節 栃木 vs 山形】プレビュー:勝利への近道を思い出した栃木。首位・山形とのスリリングな一戦に挑む。(12.07.01)

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前節の松本戦では栃木本来の姿「いい守備からのいい攻撃」で勝点3を奪い、前半戦の成績をイーブン(8勝5分8敗)に戻した。借金をきっちり返済したことで、まっさらな気持ちで後半戦に挑める。

その初戦は、いきなりスリリングだ。グリスタで迎え撃つのは首位・山形。「順位は関係ない。後半の一発目なので上位に行くためにも負けられない」と高木和正は結果で古巣への恩返しを誓い、松本戦で1ゴール1アシストのサビアは「自分達は成長しているので勝つ力はある。上に行くためには勝つ必要があるが、その自信は持っている」と首位撃破にモチベーションは高い。山形・奥野僚右監督が鹿島のコーチ時代に指導を受けた當間建文は静かに闘志を燃やし、「楽しみというよりも負けたくない気持ちが強い」と話した。プレーオフ圏内の6位・甲府との勝点差は8。まずは眼前の強敵・山形から勝星を挙げ、それを弾みに前半戦は一度も食い込めなかった6位以内を目指したい。

「(山形は)あのシステムで守るのは大変だと思う。そこの部分を上手く突けるか、逆にボールを失いカウンターを受けるかになる」
今節の展開を松田浩監督はそう読む。前節、栃木はシステム上の優位性を活かして松本を完璧に攻略。先制点のシーンが象徴的だったが、廣瀬浩二が開いたスペースに飛び出し、そこへサイドバックの赤井秀行が縦パスを入れ、菊岡拓朗のゴールに繋がる起点を構築した。3バックの弱点を巧みに突いて主導権を握れただけに、山形戦でもサイド、または1ボランチの脇に生じるスペースを有効利用し、取れば7勝2分と負けなしの先制点を手に入れたい。

使えるスペースは十分にあるが、「無理に狙うことだけは避けたい」と菅和範。山形の3トップは前線に攻め残るケースが多く、能力の高い3人だけでゴールを取り切る力を持っている。今週は強烈なカウンターを浴びないために、ボールの失い方と場所に応じたリスク管理を徹底してトレーニングした。あまり色気を出すと痛い目に遭う。松本戦は無失点で試合を進められたことで勝つ確率を高められた。原点回帰が連敗を阻止し、悪い流れを断ち切る要因となったことからも、山形戦でも「強かにシビアに試合を進めなければいけない」(松田監督)。先制点の重要性を再認識したからこそ、それを奪うために慎重な試合運びが求められる。

一方、前節4試合ぶりの勝利で首位に返り咲いた山形は、最高の形で折り返し地点を通過した。キャプテン山崎雅人が出場停止という難局を、持ち前の粘り強さで乗り切った。しぶとさと手堅さが山形の最大の特長であり、今季の戦国J2で頂点に立てている要因。前回の対戦では終盤に栃木を突き放し、クロスゲームを制している。今回も前回同様に接戦が予想されるが、前線からの果敢なプレス、積極的なサイドバックの攻撃参加、質の高いセットプレーなどの強みを活かしてゴールを狙い、勝負強さを発揮して首位固めを目論む。

「(今の順位は)自分達がいる順位ではない」
成績を五分に戻せたことをポジティブに捉えつつ、高木は松本戦後にそう言い切った。故障者が相次ぎ、それが前半戦の不本意な結果を招いた一因となったが、怪我人が復帰したことで悩みの種は解消されている。新機軸のポゼッションと前線からのプレスは体に馴染んだ。前半戦の最後に勝利への近道を思い出すことが出来た。相応しい順位を手に入れる準備は整い、栃木の逆襲が山形戦からスタートする。

以上

2012.06.30 Reported by 大塚秀毅
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