今季のJ2リーグも早半分が消化されたが、徳島はその21戦を通して着実な組織的前進を果たしたと言っていいだろう。小林伸二監督の掲げる戦術への理解を選手たちが一歩一歩深め、チームはグループとしての繋がりあるプレーをピッチ上で安定して表現できるようになってきた。事実、積み重ねの成果がハッキリ現れるようになった15節以降は、それを証明するように波の少ない戦いぶり。「ようやく勝てるようになってきた」と那須川将大も手応えを口にしていたが、チームは7試合を4勝1分2敗とし、勝点獲得のペースをきっちり上げてきている。
しかしながら、シーズン序盤を成長に費やしたことで上位陣とは小さくない勝点差が生まれてしまった。実際に自動昇格圏(2位)と15、プレーオフ圏(6位)とも12という簡単でない開きがあるのが現状だ。それだけに徳島は今節からのリーグ後半戦、いっそうの組織力を発揮し、巻き返しの勢いをさらに何段も強めなくては。
では迎える今節、その徳島において直ちに必要な部分は何かと考えれば、それは間違いなくファーストパスの精度アップ。ボールを奪い攻撃に転じる際の最初のパスに全員が高い正確性を持たせることである。なぜなら、その欠如は過去にも課題となっていたが、改善されたかに思われた矢先の前節・山形戦で再び発生し、以前同様効果的な形を作れない大きな要因となっていたから─。逆にそれが上手く収まった幾度かの時には、山形相手にも可能性を感じる仕掛けが展開出来ていた。1本目が2トップのドウグラスや津田知宏、オフェンシブMFの宮崎光平らにきっちり入れば、山形がブロックを作る前のタイミングでしっかり前方へボールを運べていたのである。
さらに付け加えるなら、今節対する草津が前節カウンターへの脆さを見せていたこともそれの重要性を高めるところ。その事実はやはり守から攻へ切り替わった直後の早い攻めが草津に対して有効であることを物語っており、そうした視点から見てもファーストパスの精度は不可欠。チームとして絶対に持っておかなくてはならない。
そこでこの一戦のキーマンとして挙げられるのが、西嶋弘之と那須川の両サイドバックだ。外へ追い込むチーム守備によってボール奪取機会の多い彼らがこれまで以上に素早く正確な配球を実践できたなら、きっと徳島は得点に繋がる前へのスピーディーな進軍を見せられるであろう。
それに対し、前節6試合ぶりの敗戦を喫した草津は、如何にその時の反省点を引きずらないかに尽きるはず。特に局面の争いで後手を踏んでいた部分は何にも増して改善が求められよう。ただ、9節から味わった苦過ぎる7連敗の経験はチームの修正力向上を大いに促したのではないか。そう思えるだけに、今節には大黒柱・松下裕樹を中心としてまた全員が5試合負けなしにあった前々節までのような粘り強さを取り戻し、組織としてのパワーを蘇らせてくる気がしてならない。
もう8年が経ち、そうした意識も少々薄れている感があるが、徳島と草津は2005年に揃ってJリーグデビューした言わば同期。そして昨季はともに次の年への期待が膨らむ素晴らしいシーズンの終わり方をした。が、2005年組は今季前半どちらも浮上し切れない状態で、ここからのシーズン後半戦に巻き返しを誓っている。
Jの舞台で同じ時間を過ごすライバルを制し、上昇への足掛かりを掴むのは果たして徳島か、草津か!?注目しておきたい一戦だ。
以上
2012.06.29 Reported by 松下英樹
J’s GOALニュース
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