勝敗に関係なく準々決勝に勝ち進めるという条件もあり、この試合をどういう位置づけで戦うのかは両監督の手腕に委ねられていた。負傷明けの中田浩二、本田拓也の調子を確認するところに主眼が置かれた鹿島に対し、清水は枝村匠馬の復帰こそあったもののプロ初先発の選手を3人起用するなど、出場機会のない若手の起用が主。その意味では、勝ったのは鹿島だったが清水も手応えを感じる、お互いに得たものが大きな試合だった。
序盤は鹿島が勢いを持って試合には入った。しかし、「必要のない失点の仕方をした」とジョルジーニョ監督がふり返ったように、左サイドで軽率なプレーが続くと、初出場だった柴原誠にサイドをやぶられる。マイナスのクロスを伊藤翔が合わせると、あっさり清水が先制した。
先制を許した鹿島も、本山雅志のイマジネーション溢れるパスからチャンスをつくる。浮き球のスルーパスや絶妙なワンツーパスで岡本英也にゴールへのお膳立てをするも決めきれず、前半終了間際には、スローインから背後にいる大迫勇也へヒールで流す意表を突いたプレーでチャンスメイクするも、清水のキーパーである山本海人らの活躍もあり、ゴールを奪うことはできなかった。
後半に入ると、平均年齢が22.91歳と驚くほど若い清水イレブンも徐々に試合に慣れ始める。センターバックの村松大輔と、ボランチの姜成浩がポジションを入れ替えたことも奏功。パスまわしがスムーズになり、ピッチを広く使う[4-3-3]の利点を生かし、前からボールを奪いたい鹿島のプレスを分断した。
なかなか得点機を見出せない鹿島だったが、ひょんなことで同点に追い付く。75分、なにげないCKに思われたが、クロスを処理しようとした山本と姜が交錯。無人のゴールへ大迫がヘディングを流し込み同点に追い付いた。
ここから展開はオープンに。鹿島が、ようやく高い位置からボールを奪ってチャンスをつくると、清水も途中出場の大前元紀がヘディングシュートを見舞うも左ポストに弾かれてしまう。
このまま試合が終わるかと思われたが最終盤に試合は大きく動いた。
87分、右クロスに佐々木竜太が飛び込むと、背後からマークしていた村松が肩で押し倒してしまいPKが宣告される。しかし、このPKを蹴った佐々木はバーに当ててしまい得点は生まれなかったのだが、その3分後に再び鹿島がPKを得る。DFラインの裏に抜け出した佐々木とゴールマウスから飛び出した山本がペナルティエリアの角で交錯。微妙なプレーではあったが、家本政明主審の判断に迷いはなかった。これを大迫が落ち着いて決めて逆転に成功。なんとかホームゲームで勝利を手にしたのだった。
とはいえ、清水も大幅にメンバーを入れ替えながらも、若い選手たちが監督が求めるサッカーを実践したところは見事。お互いに得るものがある試合だった。
以上
2012.06.28 Reported by 田中滋
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