浦和は27日、ヤマザキナビスコカップ最終戦で広島をホームで迎え撃つ。昨シーズンはファイナルまで駒を進めた浦和だが、今季は残念ながらすでに予選リーグ敗退が決まっている。最終戦は勝っても負けても次はない、いわゆる消化試合になるが、今の浦和に意味のない試合など1つも存在しない。日頃から「若い選手には公式戦でプレーする経験が必要」と話すミハイロ ペトロヴィッチ監督にとっては、リーグ戦で出場機会に恵まれない選手にチャンスを与えられるまたとない機会だ。
控え組の選手たちもこういった試合の重要性を理解している。「現実的にもう上にはいけないので、チームのために戦うのはもちろんですが、自分のためにいいプレーがしたい。自分の今後のために監督にアピールしたいし、もうすぐ五輪もあるのでがんばりたい」。濱田水輝は並々ならぬ闘志を燃やしている。
対する広島も浦和と同じく、すでに決勝トーナメントへの道は閉ざされている。若手の育成で実績を残してきた広島にも、大器となり得る活きのいい素材が揃っている。浦和との一戦ではおそらくそういった選手たちにチャンスを与えてくるだろう。
浦和にとってこの一戦はリベンジの機会でもある。指揮官の古巣対決として注目を集めた3月10日のリーグ開幕戦では“先輩”の貫禄を見せつけられた。スコアこそ0−1の僅差だったが、内容的には完敗。「開幕の時はキャンプでいいサッカーができていたという思いがあって、あの時は自信を持って入ったけど、やってみると広島とは完成度に開きがあった」と濱田も振り返る。
しかし、あれから時間は経った。浦和は目指すべきスタイルに必要なものを日々のトレーニングで1つ1つ積み重ね、試合で少しずつ収穫を手にし、出てきた課題も少しずつ消化して力に変えてきた。ここまでリーグ戦3位と結果もついてきている。
開幕戦で味わった悔しさも成長の糧とした。鈴木啓太は「(広島戦は)いい経験というか、あの負けをプラスに変えてきたと思う。あの時はなかなか形を作れなかった。今回どこまでできるか分からないけど、自分たちがこれから階段を登っていくためにも倒さないといけない相手」と言い切った。
ただ、浦和が着実に成長しているように、広島もまた前に進んでいる。広島のステイタスを確立させたペトロヴィッチ監督の退任、森保一監督の指導者としての力量が未知数だったこともあり、開幕前には厳しい見方をされることもあったが、いざ蓋を開けてみれば首位争いをするほどの強さを見せている。
前任者が残した遺産があったからだという向きもあるかもしれないが、スタイルの踏襲は言うほど簡単なことではない。形だけ真似ても成功しない、というケースはこれまでいろんなところで見られてきた。森保監督はミシャのスタイルを継続すると同時に自分の色も付け足してチームをまとめている。
広島はここまでリーグ3位の総得点30、1試合平均2ゴールの攻撃力を誇る。総失点も16でリーグ7位の成績。その相手に結果でも、内容でも上回ることは容易ではない。しかし、いつまでも“先輩風”を吹かせておくわけにもいかない。「あれから成長したというのをサポーター、広島に見せつけたい」とは濱田。ここで開幕戦の借りを返し、浦和は次のステージに足を踏み入れる。
以上
2012.06.26 Reported by 神谷正明
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