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ルヴァン 準々決勝 第1戦
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【J2:第20節 京都 vs 草津】レポート:京都、草津の堅守を破りきれず。草津は京都からうれしい初勝利。(12.06.18)

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京都と草津の一戦は、草津が前半の1点を守り切り、京都から初勝利を挙げた。
京都は前節から、黄大城、チョンウヨン、宮吉拓実、久保裕也の4人を怪我で欠き、メンバーを入れ替えた。

試合は、序盤こそ京都が攻め込み、4分に左クロスから工藤浩平が頭で落とし、原一樹がシュートを放つなど、工藤が積極的に裏を狙い勢いを持って入った。だが、徐々に相手を押し込む感じが無くなっていった京都。すると草津がファーストチャンスを作る。
21分、草津は右サイドのスローインから中盤で前を向くと左の永田拓也へ。その外にも草津の選手がいて、安藤淳がボールに行けずにいると、そこを永田がドリブルでカットインし、シュート。GK水谷雄一がこれを弾くも、そのこぼれ球を遠藤敬佑がシュート。草津が先制する。

先制された京都。攻勢に出たいが、攻撃がなかなか連続しない。31分に工藤から裏へ走る安藤へ渡り、安藤がトリッキーなフェイントからシュートを放ち、34分にロングキックのこぼれを工藤が持ち込んだりと、局面では相手ゴールに迫る場面もあるが、畳みかける様な感じが出ない。

後半、京都は、最終ラインから一つ前にボールを運ぶ部分で落ち着きが出るようになると草津を押込み始める。53分には裏に抜け出した工藤がシュートを放つ。59分には右サイドの中村充孝のクロスに福村貴幸が頭で合わせるシーンも作る。
62分に長沢駿に代えて駒井善成を投入。その3分後には右サイドでつないで原がDFの裏に入り込みシュートへ持ち込む。77分、京都が伊藤優汰を送り込む。すると草津は櫻田和樹を入れて左サイドをテコ入れする。互いにベンチワークも活発化する。
84分に福村からクロスが送られるも原の頭に届かず、87分には伊藤から中山へ送られ、中山がミドルを放つもGK北一真がしっかりとキャッチ。結局、京都は草津を攻略することができず0−1のままタイムアップ。草津にとってみれば、対京都3分7敗とこれまで勝利がなかった相手からの嬉しい初白星となった。

試合後、草津・副島博志監督は「チーム全体の協力があって」京都の縦パスを封じたことに手応えを見せた。特に中盤の松下裕樹、熊林親吾、センターバックの中村英之、御厨貴文の粘りは殊勲と言っていいだろう。

京都は―、ボールを相手陣内に運んでいくという点で、見応えが薄かったという印象。
個人的な視点だが、京都の攻撃について振り返る。ポイントは第17節の富山戦。勝ち越しゴールは奪えなかったが、後半は非常に良いボール運びを見せてくれた印象がある。富山・安間貴義監督は、後半に押込まれた理由に「京都が上手いから。(中略)アプローチに行ってあそこまで外されるのは北九州戦でも東京V戦でもなかったこと」と話している。その通りの素晴らしいボールの運び方だった。だからこちらは「ボールは運べる。後は残りの1/4の所のアイデアであったり、精度の部分」と思ってしまった。
その後、山形戦、愛媛戦と続く。愛媛戦ではボールを前に運んでいくというよりも、中盤を飛ばして裏を狙う形が多かった。そして今節の前半、ボールを相手陣内に運ぶのに「自由自在」という感じが失せていた。出来ると思っていたことが出来なくなっていた印象だ。

具体的なポイントを挙げるなら、前半開始から10分程まで中村充孝がボールを触る回数がほとんどなかった様に思う。京都の戦い方でボールを触る回数がほとんどないというのはあり得ないことだと思うが、ほとんど目立たなかった。そこまでボールを運べていないからではないか。そこで、中村充孝が下がってボールに触る様になると廻り始めた印象がある。これは「彼の高い能力」よりも「ディフェンスからボールを受ける頭数が増えた」ということだと思っている。

後半、ボールを前に運ぶ作業に落ち着きが出た。観た目では、草津のファーストディフェンダーである相手FWの背中、或いはその横のスペースへボールを置く様になったことでボール運びの最初の部分で落ち着かすことが出来たから、という様に観えた。また、右サイドで安藤や駒井が加わって、人数をかけてグループで前に運んでいく作業も出てきた。こうなると草津も、リードしていることもあるが、引く様になる。

一本のプレーで局面を変えることもあるので、「相手陣内にボールを運び込む事」と「残り1/4ゾーンでの仕掛け」は、本当は切り分けられないが、「ボールを運び込む事」が安定しないと「仕掛け」も安定しない様には感じる。それが出来なかった要因は―、幾つも要因がリンクしているのだろうが、その一つに数的優位を作れないというのもあるのではないか。

なかなか上手くいかなかった、という印象の今節だが、少し気になるプレーもあった。
駒井善成と伊藤優汰、ボールを受ける感覚が見応えのあるものになっていた。駒井は相手の隙間でボールを受け、攻撃のリズムを引きだした。伊藤についてはボールを持っていない時の動きの意識が高まっていた。左サイドにボールがある時に中のスペースを見つけて走り出していた。そこに入っても面白かっただろうが、そのスペースを安藤が使うことができたのも良かった。DFの背中のスペースを見つけてそこに入れば決定機。中盤の背中を取ればDFと向き合って仕掛けられる。こうしたことが体得できればプレーの幅も広がるのではないか。苦しい状況だが、何かを手に入れそうな選手もいる。チーム全員で、苦しい状況を乗り越える強さを身につけられるか、大いに期待したい。

以上

2012.06.18 Reported by 武田賢宗
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