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【J2:第19節 草津 vs 熊本】レポート:沈黙のスコアレスドロー。草津、熊本とともに突破口を見出せずに連勝を逃す。(12.06.14)

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17位草津と18位熊本の下位対決は、一度もゴールネットが揺れることがないままスコアレスドローに終わった。停滞したリズムは90分というタイムラインを通じても大きく変化することなく、時間だけが淡々と流れていった。両チームが勝点1を分ける結果となったが、アタッキングサードでのチャレンジとアイデアを欠いたゲームだった。

今季初の3連勝を狙う草津は中3日ながら前節と同じく、小林竜樹、金成勇を前線に配置する4−4−2で熊本をホームへ迎え撃つ。一方、中5日の熊本は高橋祐太郎を3トップの頂点に置く3−4−3のシステムで今季初の連勝、そしてアウェイ初勝利を狙う。

ゲームは序盤こそ、コンディション的に有利な熊本が高橋のポストプレーと片山のサイド突破を起点にゴールへ迫った。だが、時間の経過とともに草津がポゼッションを支配、最終ラインからじっくりとビルドアップし熊本の隙を狙っていく。「しっかりとボールを動かしながらサイドを狙っていった」(松下裕樹)。草津は3バックを選択する熊本の両サイドから先制点の糸口を探るが、臨機応変な守りをみせる熊本の最終ラインを突破することができない。

前半を終えて両チームのシュート数は草津が2本、熊本は5本。互いに攻撃の意図は垣間見えたものの相手ゴールを脅かす決定的なシュートはゼロ。ナイトゲームの正田スタは冷たい風が流れ込み肌寒さを感じたが、その寒さが身にしみるような前半だった。遠藤敬佑は「選手同士の距離が遠くて単発に終わってしまった」と振り返った。

後半に入って熊本が若干ギアを上げてきたもののゲームの大勢は変わらなかった。草津、熊本とともにビルドアップのスピードが上がらずにアタッキングサードへボールを運ぶことができない。両チームともに中盤でボールは動かすもののバイタルエリアを打ち破ることができずゲームは膠着状態へ入っていく。

ゲーム中盤、両指揮官は選手交代で状況打破を図る。草津は65分にヘベルチを投入、一方の熊本は66分に根占真伍を起用。前線に変化を加えるが、投入した選手たちもリズムを劇的に変えることができず、魅力の乏しいゲームに飲み込まれた。草津はアディショナルタイムに猛攻を仕掛けたが、均衡を破るには時間が短過ぎた。ヘベルチは「スペースがなくフィニッシュへ持ち込めなかった」と険しい表情でバスへ向かった。

アウェイ初勝利を狙った熊本は、中5日のゲームだったが日程的なアドバンテージを活かすことができず、敵地での勝点3はお預けとなった。守備陣は、草津の攻撃をパーフェクトに抑えたが、攻撃陣がゴールに近い位置でプレーできずチャンスを見出せなかった。廣井友信は「チーム全体でうまく守れたが1点が入らなかった。アウェイで勝って連勝できればチームはもっと上へ行けるはず」と次節へ切り替えた。

3連勝を逃した草津だが、熊本の内容を鑑みれば勝点3を奪いたかった。守備陣が4戦連続で相手をゼロに抑えて4試合負けなしとなったことは評価できるが、攻撃面での課題は依然として多い。「バイタルでの精度とアイデアがなく勝つに値するプレーができなかった」(熊林親吾)。この日はスタンドが沸くシーンは限りなく少なく、アタッキングサードでのパフォーマンスには魅力を欠いた。それはピッチに立っていた選手が一番理解しているはずだ。草津の下位脱出には攻撃のバージョンアップが欠かせない。

以上

2012.06.14 Reported by 伊藤寿学
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