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【J2:第19節 千葉 vs 鳥取】レポート:サイド攻撃が機能した千葉と、サイド攻撃を生かしきれなかった鳥取。決定力の課題を残しつつも勝った千葉が首位に立つ。(12.06.14)

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まさに電光石火の一撃だった。試合開始わずか41秒、千葉のMF兵働昭弘が鳥取の横パスをカットするとドリブル突破し、クロスをあげる。そのクロスに千葉のFW藤田祥史がヘディングで合わせ、千葉がファーストシュートで先制点を奪った。千葉は、鳥取戦では過去の対戦2試合でいずれも1−0の接戦(2011年第11節では得点は後半アディショナルタイム)と苦戦してきた。それだけに、開始直後に先制点を奪ったことは、選手の精神面と試合運びに好影響を与えた。相手のミスを見逃さずにボールを奪い、すぐに得点を意識したプレーを選んだ兵働と、兵働のパスカットを見た瞬間に動き出し、クロスが入るのを信じてゴール前に走り込んだ藤田。2人のゴールを狙う姿勢が生んだ先制点だった。

隙を突かれ、出鼻を挫かれた形の鳥取だが、前半は特に左サイドハーフのMF奥山泰裕の突破が目立つ攻撃を見せた。だが、中盤の真ん中を使った攻撃の組み立ては、千葉の機動力のあるダブルボランチや強固なセンターバックコンビに引っ掛かり、いい形でなかなかフィニッシュまで持ちこめない。試合後の奥山は「前半にサイドを使えていた時間帯に、中、中と攻めるのでなくて、もっとサイドを使ってじっくり攻めてもよかったんじゃないか」と話したが、例えば11分、CKからDF戸川健太が枠内のヘディングシュート放ち、これは千葉のGK岡本昌弘がキャッチされたが、CKを得たのは奥山の突破から。また、26分には左サイド深くまで突破した奥山のクロスがファーサイドに抜けて行ったものの、それを拾ったMFキム ソンミンがシュート。ゴールマウスに飛んだボールは千葉のDF山口智にクリアされたが、確かにサイドから仕掛けたほうがチャンスになっていた。

一方、千葉はサイドを有効に使い、逆サイドを意識してピッチを幅広く使った攻撃が機能し、得点に結びついた。27分の追加点は、右サイドバックのDF大岩一貴のクロスに対して、ペナルティエリアの中央に入ったMF米倉恒貴はDFと競りながら潰れたが、ファーサイドに走り込んだ兵働がフリーになってシュート。後半早々の49分には大岩の低めのクロスをややニア寄りの藤田がスルーし、クロスを受けた米倉はDFを背負った形になってシュートは打たずにパス。パスを受けた兵働が、鳥取のGK小針清允とゴールポストの隙間にうまくシュートを決めた。追加点の2点は、クロスを上げたサイドとは逆サイドに走り込み、相手の隙を突いてフリーな状態になった選手を生かした連係プレーでのゴールでもあった。

後半開始から選手を2人代えて反撃を狙ったものの、早い時間帯に0−3の苦しい状況になった鳥取だが、最後まで果敢に攻めた。それでもゴールはPKの1点のみで終わったが、PKを得たのは右サイド深くに攻め入った右サイドバックのDF尾崎瑛一郎のクロスが千葉のFW大塚翔平のハンドにつながったからで、奇しくもサイド攻撃からだった。また、守備はボールサイドに意識が行くあまり、逆サイドへの意識が薄くなって失点につながったのが痛かったし、ボールサイドでの守備では突破やクロスを抑えたかった。

千葉は3得点したが、試合後に選手や木山隆之監督が話したように、もっと点が取れるチャンスはあった。今節終了時に首位に立ったが、最終節終了時に首位に立つには得点機を確実にモノにする決定力が必要だし、相手が今日のようなサイド攻撃を封じてきた時、いかにバリエーション豊富な攻撃で得点できるか、さらなる連係面の向上が必要だ。

以上

2012.06.14 Reported by 赤沼圭子
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