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【ヤマザキナビスコカップ 川崎F vs 磐田】プレビュー:風間監督のサッカーを習得するためにも、ムダな試合は1試合もない。川崎Fは等々力での戦いであり、全力を尽くして勝利を目指す(12.06.08)

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予選リーグ敗退の瀬戸際に立たされ行われた前節のC大阪戦は、苦しいチーム事情の中での戦いとなった。試合前日の練習時に福森晃斗と杉浦恭平の両者が負傷し、戦線を離脱。通常18人で組まれる遠征メンバーを17人にせざるを得なかったのである。そんな状態で臨んだ試合は、先制しながらも逆転を許す展開となり、また試合終盤には大島僚太までもが負傷するという不運にも見舞われる。

この結果、川崎Fは敵地で敗戦。この磐田戦を残すが、勝点は4にとどまっており、予選リーグ敗退が決まってしまった。つまり有り体に言えばこの試合は消化試合という事になる。ただ、選手たちは普段と変わらないテンションでこの試合に臨むと述べている。たとえば田坂祐介は「次は磐田。いい相手だと思いますし、消化試合になりますが、自分たちのやりたいサッカーを追求する意味でもがんばりたい」と話す。風間八宏監督が推し進めてきたサッカーを習得するために、1試合も無駄にできないという事を理解しているのである。では、ここで田坂が口にする自分たちのサッカーとは何なのだろうか?

風間監督はサッカーを型にはめることはしていないが、幾つかの要求を選手にしている。そのひとつがマイボールを大事にするというものである。ただし、だからといって単純にボール保持率を高める事を求めている訳ではない。横パスやバックパスは最後の手段であり、ボールを受けた際の選択肢として、まずは前を向く事を選手に求めているのである。

現在、W杯最終予選を戦っている日本代表チームに中村憲剛が招集されており、ラストパスの出どころがなくなることを個人的に心配していた。しかしC大阪戦でその心配が杞憂であることが明らかとなる。楠神順平の1点目はセンターバックの實藤友紀からのスルーパス。また楠神には、オフサイドにはなったが柴崎晃誠からもパスが出ていた。中村とのホットラインで得点を量産してきた矢島卓郎も、田坂からのスルーパスを受け、GKをかわしてのシュートを放っている。

つまり、よりゴールに近い地点を見る事を意識付けられた事により、ラストパスの出どころが増えているという事実があるのである。また、矢島が習得している相手の背後を取る動きについても、楠神が身につけつつある。つまり、パスの出どころと受け手の両方で、的を絞りにくい状況が生まれつつあるのである。

C大阪戦では、もうひとつ練習の成果が出た場面があった。それが2点目のきっかけとなった矢島のループシュートである。これは、その2日前に矢島が風間監督から個別指導を受けていたもの。そもそも、相手にぶつけてでもシュートを打つ事を意識してきた矢島はこの指導を受け、相手に当てないように打つというような意識を持つ事となった。そしてそれが多少なりとも出た場面だったのだという。

こうした選手たちの成長の実例があるのだから、若手選手にとっての成長の余地の大きさは言わずもがなである。たとえばC大阪戦で負傷してしまったが、大島はそのいい例であろう。また、負傷者が続出するということは、それだけ若い選手に出場のチャンスが巡ってくるということでもある。そうしたチーム状況について田坂は「若い選手は1試合ででも成長できる。いい機会になると思うし、そうすればシーズン終盤に選手層も厚くなることになる。ムダにせずにひとつひとつ大事にしていきたい」と話し、前向きに捉えていた。残念ながら川崎Fにとっての今季のヤマザキナビスコカップはこの磐田戦が最終戦となるが、チャンスをもらうことになる選手には、大事な1試合という事になる。ホームでの試合ということもあり、大事に、そして勝利を狙い戦うスタンスに変わりはない。

一方、磐田は3勝1敗の成績を残しており、C大阪、鳥栖と共に勝点9でAグループトップに並ぶという状況にある。だからこそ、予選リーグ突破に向けて勝点3がほしい試合となる。そうした中、川崎Fの中村と同じく磐田も前田遼一、駒野友一が代表に招集されており、彼らの穴をどのように埋めてくるのかを見てみたいと思う。また、磐田のこれまでのグループリーグの戦いぶりを振り返ると、積極的に選手を入れ替える戦いにトライしていることがわかる。たとえば、押谷祐樹や菅沼駿哉といった選手が起用されており、彼らの起用を含め、磐田がどのような布陣を採用してくるのか、まずは注目したいと思う。

そうした中、磐田の中で特に警戒が必要な選手として山田大記の名前を上げておきたい。リーグ戦でも好調の彼は、ヤマザキナビスコカップの予選リーグ4試合全てで途中交代出場。つまり、試合時間が短いにも関わらず3得点を上げ磐田を牽引してきている。またその山田に続く2得点の松浦拓弥にも注意しなければならない。

磐田は日程の関係で、第5節に試合がなかったチームである。一方の川崎Fは、その5節をアウェイで戦い、中2日でこの磐田戦を迎えることとなっている。つまり体力的な部分で多少の難しさを抱えているのである。コンディション的に難しいの中での戦いとなるが、等々力のサポーターの前ではそれは言い訳にはならない。相手がどんな状況であろうとも、川崎Fとすれば結果を残すのみ。また、この試合を終えると、リーグ戦も再開する。

「Jも再開しますし、そうした中で負け癖がつかないようにしたい。(予選リーグ突破を目指す磐田に対し)いい意味でいじわるをできればと思う」と井川祐輔はこの試合を見据えていた。

ケガ人が続出する中、コンディションに難しさがあり、予選リーグで敗退してしまっているという状況での戦いとなるが、川崎Fの選手たちはサポーターのためにも勝利したいと決意を語っている。そしてそんな選手たちをサポーターの声援で後押しして欲しいと思う。

以上

2012.06.08 Reported by 江藤高志
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