６月５日は鈴木隆行の36回目の誕生日でした。

昨年の６月中旬に水戸に加入した鈴木隆にとって、水戸での初の誕生日です。全体練習が終わるといつもは自然解散となるのですが、この日は全員が集まりました。そして、柱谷哲二監督から「今日は隆行の誕生日です！」と声がかかり、富永恭介マネージャーからバースデーケーキがプレゼントされました。

鈴木隆が照れ笑いを浮かべながら受け取ると、柱谷監督から「それでは一言」とうながされ、みんなの前で「この間の試合はいい試合で勝てたので、次の試合もいい試合をして勝ちましょう！」と挨拶をしました。

挨拶の途中から隣でにやにやしていたのは吉原宏太。実は集まる前にみんなに水を配っていたのです。そして、選手全員で「ハッピーバースデー」を歌い終わるやいなや、吉原を先頭にみんなで鈴木隆に水を浴びせかけたのです。ここぞとばかりに思いっきり水をかける若い選手たち。そして、必死に逃げる鈴木隆。それは、この日しか見られないであろう光景でした。

必死に逃げながらも鈴木隆の表情は満面の笑顔。やはり誕生日を祝ってもらうのはうれしいのでしょうね。加入からもうすぐ１年となりますが、チームメイトと心から信頼し合えていることが、鈴木隆の表情から見て取れました。「もう36歳。祝われてうれしい年齢じゃないですよ」と語りながらも、「でも、チームメイトにこうやった祝福されるのはうれしいです」と最高の笑みを見せていました。

ちなみに、前日も鈴木隆にとって記念日だったのです。ＦＩＦＡワールドカップ日韓大会・グループリーグ初戦のベルギー戦で鈴木隆が日本中を感動の渦に巻き込むゴールを決めたのが、10年前の６月４日だったのです！　日本サッカーの歴史を変えたと言っても過言ではないゴールを決めた鈴木隆。10年という月日を経て、今は水戸で日本サッカーの歴史を変えようと奮闘しています。水戸がＪ１に昇格するなんて、鈴木隆加入前は夢物語でした。しかし、現在、プレーオフ圏内と勝点２差の８位に位置しています。現実的にＪ１を狙える状況にあるのです。夢は見るものではなく、叶えるもの。それを10年前に証明した鈴木隆。今度は水戸で奇跡を起こすために、あの時と同じギラギラした目つきで戦い続けているのです。

以上

2012.06.05 Reported by 佐藤拓也