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【大宮】ベルデニック新監督就任会見(12.06.05)

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●鈴木茂代表取締役社長
「大宮アルディージャは鈴木淳前監督の後任として、ベルデニック氏を後任に招聘しました。ベルデニック監督はJリーグでの経験も実績もあり、かつ人間的にも非常に魅力的な方で、見ての通り非常に紳士的で、かつ指導以外に選手に対する教育もしっかりやっていただけるということで、今大宮アルディージャに、新たな風を吹き込んでチームを強くしていただけるのではということで、今回契約をしました。労働ビザの関係もあり、チームの指導は来週11日からになりますが、間違いなく16日のリーグ戦からは指揮を執っていただけます。また井上卓也コーチとは、過去にベルデニック監督が市原にいたときに一緒にやっていたこともあり、井上コーチがケルンの大学で勉強していたときから交流があったこともふまえて、トップチームのヘッドコーチということで契約しました。明日からのカップ戦もあるが、16日のリーグ戦で良い結果を出してくれることを確信しています」

●ベルデニック新監督
「再び日本に戻ってきて、大宮という有名なクラブで監督ができることを非常にうれしく思う。単に残留というのではなく、クラブとして前進していくという大きな目標を掲げているわけだから、我々に課された責任は非常に大きいと感じている。そのために、ゲームの結果はもちろんだが、プレーの内容の改革も求められていると思う。我々はクラブに安定性を持ち込まなければならない。まずは結果に対する安定性を持ち込むことで、毎年のように降格の恐れから逃れることをまずはやっていく。往々にして試合の結果というのは、いかにプレーしているか、いかに組織だったゲームをしているかに関係ない場合もあるが、我々は毎試合勝利を求めて戦うのは当然のことで、いかに戦うかということにも力を注いでいきたい。これまでのところ、失点が多く得点数が少ない。まずはこの点を改善していかなければならない。ゲームの中での攻撃の組織を改善しなければならないと同時に、ディフェンス面での改善も求められる。実際、チーム戦術をチームの中にきちんと取り入れていかなければならないが、それは試合と練習を通してやっていく。どのようにすればいいか、どのようにできるかというアイディアを、トレーニングの中で選手たちにたくさん示すことで、良い連携でのプレーができるようにしていきたい。個々の選手がいかに良いアイディアを持っていても、そのアイディアが連携していなければ良い結果には結びつけられない。そこで求められるのがトレーニングであり、我々と選手間の意思疎通であると思う。攻撃においても守備においても、そのアイディアを提供していくことが大切になる。いかにコレクティブにプレーしていくかというアイディアを選手に提供していく、それと並行していかにダイナミックな動きを出していけるかが求められる。個々が犯すミスを改善していくことも大事だが、まずはいかにチームとして戦術を理解して、チームとしてプレーすることを第一の改善点として考えていきたい。我々が今より前進していくために、選手たちにもそれはしっかり理解させて、そのための準備を求めていく。100%のモチベーション、100%の準備がない限り、戦術の話をしても意味がない。大宮に携わるすべての人から、我々が前進する一歩を踏み出したい」

●井上卓也ヘッドコーチ
「今回、監督が来られると同時にヘッドコーチに就くことになりました。いかに早く監督のアイディア、コンセプトをチーム内に落とし込んでいけるかが自分に課せられた課題だと思っています。監督をしっかりサポートして、選手、他のスタッフともコミュニケーションを密に図りながらチームを前進させていきたい」

【質疑応答】
Q:大宮の映像などを見て現時点の率直な印象は?
●ベルデニック監督
「ポジティブな面では、今の時点でできていることをさらに良い方向に持っていけると思いました。ネガティブな面では、特に守備において、結果を求めていく以上はできるだけ早く改善しなければならないという印象を持っている」

Q:監督のサッカー哲学、どんな戦術を採りたいと思っているか?
「まず、自分がやりたいと考えるサッカーと、現実的に今の大宮の状況で結果を出すためにやらなければならないことの2つがある。私自身も、これまでの私の戦い方とは変わってきている。これまでの私の戦い方は、カウンターが多かった。しかし自分の目指すものも変化をしてきて、より攻撃的に、あるいはより攻撃している時間を長くする。自分たちがボールを持っている時間を長くする方向に変わってきているし、相手よりたくさん得点を挙げていく戦い方を好んでいる。実際に試合を見ていただいても、守備だけを固めてカウンター攻撃を行うチームというのは、残留争いで戦っている状況が多い。ボールをしっかりつないでポゼッションし、相手にプレッシャーをかけていく戦い方ができているチームは、やはり順位でも上のほうにいると思っている。これまで私が見た中では、大宮は少し守備的な布陣を引いて、そこからのカウンターという形が多いと見ている。ただ、ゲームの時間帯によってはボールを保持している時間が長いこともあるし、相手に積極的にプレッシャーをかけることもできている。我々の大宮での戦い方も、より前に向かっていく、より長く攻撃する時間を持つことを目指していく。ただしそれは相手のカウンターを食らうリスクも背負っているが。システマティックにトレーニングを積んでいかなければならない。前に前に、急ぎすぎるがために自分たちのオーガナイズを崩してしまったり、相手の攻撃を受けてしまう状況にならないように。ディフェンス面においてはよりコンパクトさを保って相手にプレッシャーをかけていく、最終ラインの選手は1対1で負けないようにしなければならない。そうしたことも、言うのは簡単だが実際にグラウンドで実践していくのは簡単ではない」

Q:そうしたサッカースタイルの変化には何かきっかけがあったのか?
「皆さんが仕事をしている中でどんどん発展・変化していらっしゃるように、私も世界のサッカーの流れを見ながら自分のスタイルを発達させてきたということです」

Q:かつては3バックのシステムで戦っていたが、大宮では選手を見てシステムを決めていくのか?
「過去の日本での仕事では3−5−2のシステムをよく採っていたが、世界のサッカーの流れ、また自分がスロベニアでやってきたことからいっても、最近では4−4−2または4−2−3−1のスタイルが非常に多い。4−4−2システムのバリエーションを、実際に大宮の選手を見た中で考えていきたいと思っている。世界では4ディフェンダーのチームが多い中で、ここ日本では3バックのチームが逆に良い結果を残しているというのは、私にとって少し驚きでもある。ただ、システムが一番重要ではない。いかに戦術や技術やアイディアが連携してつながっていくかが大事だと思う。バルセロナであれば、3−5−2でも結果を出すかもしれない。そこで重要になってくることが2つ。一つは創造性。クリエイティビティを持った選手がそれをゲームの中で発揮できるかどうか。もう一つは、監督がトレーニングを通してそのアイディアをいかに彼らに提供していくことができるか。これは一夜にして改善されるものではなく、トレーニングを通して時間をかけて変化させていくものだと思う」

Q:週明けから2部練習のトレーニングとなっているが、短い期間で少しでも戦術を落とし込みたいという意図か、それともフィジカルをもっと向上させたいという意図か?
「私のやり方では、戦術的なトレーニングの中にもコンディション的な要素も入れて、同時に浸透させていく。何回トレーニングするかという回数が問われているわけではなく、重要なのはその中身で、きちんと量なり強度なりを処方させていかなければならない。一番最悪なのはゲーム当日に疲れのピークが来ることで、そこのコントロールはしっかりやっていく。また現時点で、選手たちにとっては監督が代わったこと自体がショッキングなことなわけで、これ以上特別なことを加えていくのは得策ではないと思っている」

Q:選手たちにサッカー以外で伝えていきたいこと、またクラブとともに、どのように大宮アルディージャを成長させていきたいか?
「我々にとってサッカーは大事なものだが、選手たちにはサッカーだけではなくより人間的な部分を、真摯に物事に取り組む姿勢や責任、いかに振る舞うか、いかにその文化を吸収するかということも伝えていきたいと思っている。サッカーというのは文化の一つであり、そういう文化的な志向を兼ね備えた者だけが、ゲームにおけるストレスに打ち勝って結果を出していける。サッカー選手である期間というのは非常に短い。その後のキャリアのほうが時間としては長いわけだから、選手でいる間にポジティブな経験をすることがその後の人生においていかに助けになるかということを彼らには感じ取ってほしい」

Q:勝点50という目標に対してどう思うか?
「達成することを望んでいるが、現時点で100%達成できるという回答を出すことはできない。ただし目標を上回る成績を出したいと望んでいるし、我々は100%で取り組み、目標に向かって戦う。難しい目標だが、理想を掲げて仕事をしなければ。ネガティブなことを考えてやっていくわけにはいかない」

Q:サポーターからは最近の大宮について、「覇気が見えない」という声が聞かれている。選手のメンタル面ではどのように改善していくか?
「一つはトレーニングを通して、いかに現状を変えていくかというアイディアを与えていく。彼らにはプロフェッショナルとして、ポジティブに取り組み、発展させていくことが求められる。二つめは、サッカーだけでなく人間としてどのような態度を示すかということ。それにはクラブの中における人間関係が重要になってくる。そのために我々はどの選手も同等に扱わなければならないし、彼らもそう扱われている感覚を持たなければならない。もちろんさらに幸運が加わらないと、今の状況改善にはつながらないかもしれないが、それにはサポーターの皆さんの後押しを得たいと思っている」

Q:鈴木社長にお伺いします。契約までの経緯と、目標達成のためにベルデニック監督に期待すること、また契約期間を教えてください。
「5月27日に鈴木前監督を解任した翌日からベルデニック監督と交渉していた。皆さんに解任をリリースした(29日)後からベルデニック監督に一本化し、6月2日の土曜日に内定した。ベルデニック監督に決定したことは、選手には昨日の非公開練習の前のミーティングで正式に伝えた。決めた理由は経験と、選手に対するモチベーションを含めた教育というか、テクニックや戦術以外の選手としての振る舞いなどを大事にする監督という印象があったのと、年齢は私よりも上ですが勉強熱心というか向上心の強い方であること。そういう部分が大宮アルディージャには足りないと以前から感じていたので、ちょうど良い監督だと思った。コミュニケーションの部分で心配はあったが、日本の文化、生活についても慣れているし、コミュニケーションについても日本語も少し話せるし、ちょうど通訳ができる井上コーチがいたことで懸念がなくなり、決定に至った。契約期間は、今シーズン残りの試合を見ていただくということになっています」

Q:11日から実際に指導を始めるということですが、それまでは何を?
「より多くの試合のDVDを見て、よりこのチームの現状を自分の中に取り入れる。また、チームのスタッフといろいろな話をしたい」

Q:目標に対し、監督の志向するサッカーを植え付けるには時間がかかるのでは?
「ここで話したことをグラウンドで実践することは容易ではないが、チーム戦術を徹底する、ダイナミックな動きやプレーを通して良い結果に結びつけることは可能だと思う。ただ、今いる選手たちの、どの能力を、どのプレーの回数を増やすことができるかが、我々が前進していくために非常に大事なポイントになる。そこに我々の全精力を注いでいきたい。それによって選手たちが発展・成長できて、例えばそのときの勝点が49だったりしたときは、選手の成長を見た上で契約を延長するかどうかという話になるのではないか。どの部分にフォーカスしてトレーニングしていくか、ミーティングで話していくか、どの部分を引き上げるかというのは自分の経験からくるものになる。私の記憶では、かつてオシムさんがジェフに来たとき、彼のアイディアを選手たちが実際に理解してグラウンド上で表現するまでに6か月かかったときいている。実際に自分のやることがどれくらいかかるかは分からない」

Q:現有戦力に対する印象は?
「技術的には優れているし、スピードも兼ね備えているが、現時点で精神的にはダウンした状況にある。消極的な姿勢が見える。1対1の状況でも弱さが見えるし、その状況に100%で望めていないように見える。これは前任者に対する批判ではなく、彼が築き上げてきたものに私が改善を加えて、状況に改善を加えていきたい」

Q:しばらく監督業から遠ざかっていましたが?
「仙台のあと1年間は静かな時間を過ごした。その後は母国で指導者養成にあたり、同時に大学で教鞭をとり、スロベニアの協会で各カテゴリーのコーチングスタッフに対するアドバイスをし、昨年はスロベニア2部リーグの若いチームを昇格させた。このチームは経済的な事情から昇格はできなかったが、要するに1年の休養の後、ノンストップでサッカーに携わってきた。またサッカーに関する専門的、教育的なDVDを作成したりもしていたので、サポーターの方たちは安心してください(笑)」

以上
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