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【J2:第17節 東京V vs 大分】レポート:内容凝縮された3得点で東京Vが苦手大分を粉砕!大分は「今季一番悪い内容」の前半響き今季初の連敗。(12.06.03)

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東京Vの快勝だった。終始ポゼッションで上回り、華麗なパスワークで大分を圧倒した試合内容に加え、前半で2点、後半に1点と、コンスタントに東京Vが挙げた3得点も、それぞれ内容が詰まった収穫多いものだった。
まず、先制点。プレビューでも書いたが、東京Vは先制すると好ゲームで勝利する傾向が強い。そのため、毎試合先制点がポイントとなるのだが、この試合は上手くいった。
前半10分、阿部拓馬からの絶妙な縦のスルーパスに抜けた出したのは杉本健勇だった。全力疾走のままボールを受けると、相手DFとGKをいなし確実に流し込んだ。第7節以来となる、東京V加入3点目。「ずっと点が欲しかったから、今日の1点はすごく嬉しかった」と満面の笑顔を見せた19歳は、得点後、まっしぐらにベンチへと向かっていった。「点が取れていなかったから、この間の北九州戦(第15節)でみんなが僕に点を取らせようと気を使ってPKを譲ってくれたのに外してしまって、本当に申し訳なく思っていた。そういう意味でも、『みんなでとった1点』なので、みんなで喜びたくて」自らの反省と、仲間への感謝がこもった“1点”だった。

前半38分の森勇介のゴールには、前節からのチームとしての成長がしっかりと見てとれた。杉本健も、勢いもたらす自身の先制弾以上に「森くんのゴールの方が大きかった」と、その価値の大きさを口にしたのは、先取点を奪ったわずか6分後、PKを与えてすぐに同点に追い付かれてしまっていたからである。「前節の栃木戦は、逆に先制されたけどすぐに同点に追いつけたのに、そこで相手に追加点を与えてしまった。その反省を改善するための練習をこの一週間やってきた」(杉本健)トレーニングの成果が、形として表れたという。森のこの見事なミドルシュートに限らず、梶川諒太、高橋祥平、和田拓也など後ろの選手も、チャンスさえ見つければとにかく得点を狙って積極的にシュートを放つ場面が何度も見られていた。「同点になってからなかなか点が入らず、またいつもみたいに、自分たちが押しているのに点が入らなくて焦っていくっていう感じになっちゃうのかなぁと思ってたので、あそこで追加点が取れて楽になりました」。万が一、点が入らない状況が続いていたら陥りかねなかった、これまで何度も泣かされてきた『焦燥感』というメンタル面の課題も、この1点が払拭してくれたのだった。

そして、飯尾が挙げたセットプレーからの3点目もまた、『練習の賜物』だったようだ。梶川の鋭いグラウンダーのパスが阿部に渡り、そのシュートは相手DFにブロックされたが、跳ね返ったボールを飯尾が突き刺した。「練習通り?そうです。でも本当は、直接僕のところにボールが来るはずだったんですけど…」若干のズレはあったようだが、描いたイメージを結果として実現させた。
ただ、特筆したいのが、この得点した3選手が目立ったのは決して得点を挙げたからではないことである。杉本健、森、飯尾とも、立ち上がりからボールによく絡み、しっかりとおさめ、シンプルに叩いて味方と連動し、攻撃の起点となっていた。中でも森のサイド突破は大分にとって脅威ともなり、その証拠に、対応しきれなかった大分の攻撃の核チェ ジョンハンを前半で交代させるに至っているほどだ。そういう意味でも、この3選手の得点は個人としての『結果と内容が伴った』と言えるのではないだろうか。

また、チーム全体としても、90分間最後まで非常にアグレッシヴで華麗なサッカーを披露した。高い位置でボールを奪うと素早く攻撃へと切り替え、縦横バランス良いパス回しで、攻撃のアイデアも多彩。テクニックの高さがとにかく光る、ワンタッチパスの連続でスペースを作り、そこを使っての鮮やかな攻撃に、東京Vのサポーターは満足したことだろう。
中でも効いていたのが、西紀寛と3試合ぶりに出場した和田ではないだろうか。西の安定感は今さら説明するまでもなく、その気の利いた働きに、周囲は賛辞を惜しまない。特に森は、この日魅せた西との鮮やかなコンビネーションについて「西は、人間としても、サッカー選手としても、本当に大好き。だから、ただただ信用してやってる」と、築きあげた信頼が生んだものだと語っている。
和田の貢献ぶりも圧巻だった。「前の試合を見ていて、どうしてもボランチでボールを奪った時に下がってしまうなという印象があった。なので、少し高めのところでプレーすることを心掛けた、そうすれば、センターバックも狙いやすくなるので」DF経験者らしい気遣いが、攻守に好影響を与える守備の安定を生んだことは明らかだった。センターバックが弾き返したボールへのフォロー、危険を察知しての飛び出してのボールカットなど、自身の存在感を存分に発揮していたのではないだろうか。

この試合、東京Vの何よりの勝因は選手それぞれから聞かれた「周りのおかげ」という言葉に凝縮されているように思う。「ホームを自分たちの力で居心地のいい場所にしよう」川勝良一監督の声を、選手たちはしっかりと形にした。

敗れた大分は、今季初の連敗となってしまった。「もっと走れ。もっと連続してディフェンスをしろ。もっと気持ちを出せ」田坂和昭監督がハーフタイムに出したコメントが、敗因の全てを物語っているのかもしれない。試合後の記者会見でも、同指揮官は「まず走らなければサッカーはできない。しっかり球際で戦って、しっかりボールを全員で奪いにいって、全員で攻撃に出るというところが全く前半はできていなかった」と、怒りを露わにした。前節は、同じ敗戦とはいえ、自分たちのサッカーに手応えをつかめていただけに、この試合、「今季一番内容の良くない試合を、特に前半はしてしまった」ことに対して、村井慎二も「今日は悪いところが全部出た」と、落胆を隠さなかった。一見、アンラッキーとも見えるコースが変わって入った2失点目や、セットプレーからの失点だが、村井もGK清水圭介も「自分たちが良ければ未然に防げるもの。すべて自分たちが招いている」と、真摯に受け止めていたのが印象的だった。掴みつつあった「運動量多く、ポジション関係なく動いて、攻撃の形を多く出せる」大分スタイルへの手応えを取り戻すためにも、「また、気持ちを切り替えて頑張ります」と、村井は前向きに話した。

以上

2012.06.03 Reported by 上岡真里江
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