本文へ移動

今日の試合速報

国立競技場に10,000名様無料ご招待 9/14 19:00KO 国立競技場 FC東京vs名古屋
国立競技場に10,000名様無料ご招待 9/14 19:00KO 国立競技場 FC東京vs名古屋

J’s GOALニュース

一覧へ

【J2:第17節 千葉 vs 岐阜】レポート:岐阜が球際の強さや気迫あふれるプレーで『お手本』の千葉を上回って勝利。本当の意味で戦えていなかった千葉は連勝もホーム無敗も止まる。(12.06.03)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
試合終了を告げる笛の音を聞いたあとの両チームの選手の姿は対照的だった。岐阜は4人ほどの選手が精根尽き果てたように仰向けに倒れ、他の選手の中には全力を出し尽くした疲労感からかしゃがみ込んだ選手もいた。千葉は呆然と立ち尽くす選手が多い中、やはりその場にしゃがみ込んだ選手もいたが、記者席からは疲労感よりも敗戦のショックによるものに感じられた。もちろん千葉の選手も全力を尽くして戦ったのだろうが、岐阜の選手とは違ってどこか無意識に余力を残して戦ってしまった印象が拭えなかった。

そんな印象があるのは、試合を通しての両チームのボールへの執着心、一対一の局面での気迫に差を感じたからかもしれない。試合は立ち上がりから千葉がボールを保持し、攻撃を組み立てようとする時間は長かった。だが、前半の千葉の決定機はゼロ。ボールホルダーへの寄せの速さ、球際の強さ、こぼれ球への反応の速さで千葉を上回る岐阜が、千葉の選手を自由にプレーさせない。さらに、岐阜はディフェンスラインを高めに維持して全体をコンパクトにしたうえで、前線の選手が千葉のディフェンスラインからのビルドアップに激しくプレッシャーをかけた。千葉はボールを動かすものの、足元へのパスが多いため岐阜のプレッシャーを受けての攻撃になる。岐阜のプレッシャーをかわす効果的な動きがないため、千葉は余裕を持ってシュートを打てるような攻撃を組み立てられなかった。

試合後、岐阜の行徳浩二監督は千葉戦に臨むにあたって、千葉を「能力が高い選手がフォワードの藤田(祥史)、深井(正樹)から本当に献身的にディフェンスをやって、労を惜しまずにやるということ、基本のところを思い知らされた。非常にお手本にするのに値する、素晴らしいチームだと思っています」と評していたことを話した。だが、今節での攻守に労を惜しまないプレーは、ダブルボランチのMFの服部年宏と李漢宰をはじめ『お手本に倣ったチーム』が『お手本のチーム』を完全に凌駕していた。FW佐藤洸一の決勝ゴールにしても、李のシュートの『こぼれ球に詰める』という基本的なプレーを忠実に実践したことで生まれた。行徳監督は千葉に勝つためのプランのキーワードは『耐える』だったことを試合後に語ったが、岐阜の選手に耐えている感じはなく、アグレッシブに逞しく戦っていた。後半の千葉の猛攻にも体を張って戦い、隙を突いて追加点奪取を狙った。岐阜のゲームプラン、それを遂行するためのチーム戦術と選手のプレーはとても素晴らしかった。だが、試合は選手個々の技術や戦術眼の高さだけでは勝てないこと、目の前の相手に何としても勝とうとする激しい闘志、その闘志があふれたプレーと味方を助けるプレーがなければ勝てないことを、今節の岐阜はこの一戦を見た者に改めて教えてくれたと思う。

目の前の相手と戦うという点で、千葉は攻守両面で岐阜に負けた。状況を打開するために挑戦するプレーも少なく、身体面だけでなく精神面も弱かった。6連勝で生まれた自信や余裕は、一方でどこかに少し楽をして勝とうとする気持ちも生んでしまったのかもしれない。そんな弱さとキッパリ決別し、「目の前の相手にしっかり勝っていきたい」(千葉のMF兵働昭弘)という気持ちで戦わなければ、千葉はJ2優勝どころかJ1昇格も達成できないだろう。連勝もホーム無敗も途切れた千葉は、今度は逆に岐阜を『お手本』にして戦わなければならない。今節の岐阜を上回れる戦いを続けた先にJ1昇格がある。

以上

2012.06.03 Reported by 赤沼圭子
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

旬のキーワード

最新動画

詳細へ

2024/08/06(火) 19:00 ハイライト:Jリーグ選抜U-15 vs ニューカッスル ユナイテッド U15【Jリーグインターナショナルシリーズ2024 アカデミーマッチ】