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【J2:第17節 富山 vs 京都】プレビュー:19位が首位に抱くライバル心が波乱を呼ぶ。ハイテンポ、ハイプレッシャーの激戦を見逃すな!(12.06.02)

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富山が首位の京都を迎える。選手たちはライバル心を燃やし金星奪取を虎視眈々と狙っている。安間貴義監督と京都の大木武監督は甲府時代のコーチ&監督で盟友であり同志。京都とは目指すサッカーに共通点があり、シンパシーを感じ尊敬もしている。だからこそ負けられない。19位のチームが張り合うには現在の順位と実力、クラブとしての規模や歴史も違い過ぎて、この気持ちはきっと片思いだ。しかし、ピッチの上で自らの情熱をぶつけ、相手を本気にさせることはできる。昨季の2試合はともに互角の勝負に持ち込み2引き分けだった。今回も好ゲームの予感がする。

今季、京都から富山に移籍したMF加藤弘堅は語る。
「昨年から富山をリスペクトしていた。自分たちと同じことを徹底的に、献身的にやってくるから。嫌な相手だと思っていたし、今年もそう思っているはず。プレーのクオリティーは京都が上だが、富山はボールのないところでのプレーでやるべきことが徹底されている。移籍してあらためてそう思う。京都の選手は巧いが、それが心にすきを生むこともある。セットプレーはうちのほうが強いし、FW陣にも負けない特長がある。勝つチャンスはある」

そしてこう続けた。
「大木さんと安間さんの関係もあり、昨年は大木さんに恥ずかしい思いはさせらないと考えていた。今年は安間さんを勝たせたい。僕にはそういう気持ちがある。みんなもそう思っている」。23歳の青年が静かな口調だが、きっぱりと言う。富山、京都とも、2人の指揮官が信念を貫いてチームづくりをし、選手と強い信頼関係を築いている。

しかし、今季ここまでの戦績は明暗が分かれている。京都は前節の北九州戦を1−0で制して5連勝を達成。今季初めて首位に立った。ショートパスをつなぐスタイルに磨きがかかり、ボールを保持し続けて相手を圧倒する。「攻撃に注目が集まりがちだが、インターセプトの多さが象徴しているように守備も良くなっている」(安間監督)。被シュート数97(富山=181)はリーグ最少。北九州にも3本しか打たせなかった。
今回はチームリーダーのMF中山博貴が出場停止。だが、「うちの(大西)容平のような存在」と安間監督が評す大木イズムの体現者であるMF倉貫一毅をはじめ好選手が出番を待つ。昨季終盤以来となる6連勝を目指し、必勝を期して乗り込んでくるはずだ。

一方の富山は前節に愛媛を1−0で下し、今季3勝目を挙げたばかり。苦戦が続いてきた。しかし、今回は京都を迎え撃つ態勢は整っている。どん底だった大型連休の前後から前回のホームゲーム・福岡戦で立ち直りのきっかけをつかみ、前節も本来のアグレッシブさを発揮した。前掛かりに守ってスピーディーに攻め、決勝点は加藤がFKを直接蹴り込んだ。今週の練習からも復調ぶりがうかがえる。互いに厳しくプレッシャーをかけあう京都戦を想定して30日の紅白戦はコートを狭めて実施したが、ショートパスがよくつながった。「現状ではへたに考える時間がないほうがパス回しにテンポがでるようだ」と安間監督は苦笑する。今回は強い対戦相手が、積み上げてきた練習の成果を引き出してくれるかもしれない。

両チームのベースは攻守の素早い切り替えとハードワークにある。ボールサイドに選手が密集してプレッシャーをかけ合い、攻撃権を奪っては奪い返す激戦が展開されるだろう。自陣でゆっくりとボールを回すサッカーを見慣れた人は違和感を覚えるかもしれないが、このハイテンポとハイプレッシャーが双方の持ち味。熱のこもった球際のぶつかり合いと、その局面を打開するためのテクニック、戦略に注目だ。前半は先制点を巡って実力に勝る京都が攻め、富山が粘り強く守る構図が予想される。しかし、昨年の対戦ではプレスが緩み始める後半途中から攻め合いになった。そこまで勝負がもつれたら波乱はあり得る。

以上

2012.06.01 Reported by 赤壁逸朗
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