終わってみれば、早い時間帯に先制点を奪い、後半はカウンターから追加点を奪った千葉が狙い通りのプランで勝利した。連勝を6に伸ばし、盤石の強さが際立った。しかしこの日、その強さは90分を通じて発揮されたわけではない。「特に前半はミスが多く、ボールのつながりも良くなかったが、そのなかでも質を追求して、落ち着いて(ボールを)回して、相手の体力をロストさせるようなゲーム運びをしなければいけない」と木山隆之監督は語る。
前半、リズムを掴んだのはホームの大分だった。ドーム特有の蒸し暑さが絡みつく悪コンディションにあって、敢えてファイティングポーズを取り続けた。前線、中盤、最終ラインが連動して、「オーガナイズできた」と田坂和昭監督。攻撃では、ボールを奪えば相手のギャップを突き、ボールを動かし、サイドのスペースに展開しながら自らのペースに持ち込んでいく。7分には、複数のパスから左サイドのイ・ドンミョンにボールが経由し、切り返しからのクロスを逆サイドの三平和司が頭で合わせた。14分には村井慎二が右サイドを単独で突破し、クロスを森島康仁が高い打点から打ち落とした。いずれも得点に至らなかったが、「トリニータらしいサッカーができた。サイドから攻撃でき、運動量も増え、チャンスもつくった」(宮沢正史)と、大分の選手はいい感触を得ていたはずだ。
ところが、16分にCKから千葉があっさり先制すると、展開は一変する。千葉は「アウェイの戦いができた」と兵働昭弘が振り返るように、自陣でしっかりブロックを築き、失点しないゲームプランに準じた。それは消極的な選択ではなく、暑さやパスがつながりにくいピッチコンディションを考え、試合をコントロールしたと言える。「アウェイのゲームは、なかなか自分たちのプレーが出せないが、勝つことが大事」とは木山監督。大分が前に出てくると想定し、前がかりになって攻め込んでくる隙を突いてカウンターでチャンスをつくった。73分には、田中佑昌の右サイドからのクロスに藤田祥史が飛び込み2点目を追加し、勝負を決めた。
大分は「狙いとするフットボールができた。ゴールまでのプロセスはこれまでの試合よりできた」(田坂監督)ことは間違いない。ただそれは、千葉が猛暑を考慮してフォアチェックにいかなかったことにもよる。「リードしていたので余裕をもって戦えた、追加点も少ない人数で取れて良かった」(兵働)と、リーグNo.1の堅守を誇る守備力と僅かなチャンスを決める決定力の差が、両者の違いとなって勝敗に表れた。
以上
2012.05.28 Reported by 柚野真也
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