前節で6−1とスコアは大勝だったものの試合内容は今一つだった千葉にとって、今節はしっかりとした守備からのスピーディな攻撃が持ち味の熊本を相手に、前節で見られた攻守の問題点を修正できているか確認する一戦だった。だが、千葉の木山隆之監督曰く「たくさん点が入った後の試合は難しい試合になることが多いと思う」状況下で、熊本のミスに助けられたところもあったものの、千葉は上々の結果とまずまずの試合内容を残した。
それでも、キックオフ直後に攻勢に出たのは熊本だった。2分にはサイド攻撃からMF市村篤司が両チーム初のシュートを打つ。熊本の勢いを受けてしまった感のあった千葉は、3分には中盤でのファウルでFK、5分にはクロスからCKを熊本に与えるなど落ち着かない。だが、そんな雰囲気を10分の千葉のFW藤田祥史のゴールが一変させた。前節はサイド攻撃からは決定機を思うように作れなかったが、先制点は左サイドでのFW深井正樹とのワンツーパスを受けたDF武田英二郎があげたクロスから。これで落ち着きを取り戻した千葉は「熊本の前線の3枚とボランチの間がすごく空いていた」(千葉のMF伊藤大介)ところを狙ってパスを回す。熊本にしてみれば「守備が中途半端というか、相手がウチを分析していて、どう対応していこうかというところで失点してしまった」(熊本のDF廣井友信)あとに立て直しきれなかった。千葉は19分には伊藤、藤田、深井とゴール前中央でダイレクトを多用してパスをつなぎ、伊藤の美しい軌道のシュートで追加点。さらに、その2分後には、5月17日に「クロスでアシストしたい」と話したDF大岩一貴の右からのアーリークロスに田中がニアサイドで合わせ、千葉は左、中央、右と3方向から得点した。
後半開始早々の48分には、左サイドを突破した深井のパスをファーサイド寄りで田中が押し込み、千葉が勝利を大きく引き寄せる。だが、その安心感が余計な余裕を生み、熊本に付け入る隙を与えてしまう。31分には早くもDF福王忠世に代えて攻撃センスとテクニックに優れ、起点になれるMF養父雄仁を入れて、反撃モードになっていた熊本。ハーフタイムに「1点、1点返していこうと話していた」(熊本のDF高橋祐太郎)こともあり、後半はプレーに思い切りのよさが出て前半のようなミスが減り、特に右サイドの攻撃が機能。FW五領淳樹やFW武富孝介のシュート、63分にはCKから廣井がドンピシャのヘディングシュートで決定機を作ったが、千葉のGK岡本昌弘の再三のファインセーブに阻まれた。
結局、1点も奪えずに敗れた熊本だが、失点を重ねても熊本サポーターは試合中に声援を切らすことはなく、試合後もブーイングせずに拍手と声援で選手を迎えた。その想いに応えるためにも、熊本は早急に特長の堅守を取り戻す修正を図り、どんな状況でもミスを恐れずアグレッシブに攻めきる姿勢を維持して戦ってほしい。
4−0とスコアは快勝で2008年シーズン以来の5連勝を果たした千葉だが、効果的なサイドチェンジを織り交ぜたパスをつないでのビルドアップは、熊本のプレスやマークの甘さに助けられたところもあった。試合後に選手たちが異口同音に語ったように、優勝してJ1昇格を達成するには、攻撃の細部の精度を高めてバリエーションを増やすことが必要だ。また、第15節終了時で8失点は見事だが、岡本やDFの好守に救われたことも多い。決定機を簡単に作らせない守備を構築し、4得点後のような試合運びのまずさをなくしたい。
以上
2012.05.21 Reported by 赤沼圭子
J’s GOALニュース
一覧へ【J2:第15節 千葉 vs 熊本】レポート:熊本の守備の甘さやミスを見逃さず、前半のゴールラッシュで5連勝した千葉。熊本は後半に反撃するも相手GKの好守で無得点に終わる。(12.05.21)
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