立ち上がりのワンプレーで、横浜F・マリノスの連勝中にはなかった“異変”を感じた。
開始約50秒、敵陣で小野裕二はバックパス。ところがコースがズレて、ガンバ大阪・倉田秋の足元へ。ハーフウェーライン付近からドリブルを試みた倉田を 複数のDFが囲むも、軽い守備のため、あっさり突破を許し、枠外シュートを打たれた。「ゆったりとした感じで試合に入ってしまった」(富澤清太郎)と、明らかに集中力を欠いていた。
逆にG大阪は、「立ち上がりは前から(守備に)行けていた」(明神智和)。そのため、最終ラインも高い位置をキープでき、相手の攻撃スペースを圧縮し狭めたことで、チャンスを作らせなかった。ただし、攻撃面ではゴール前での迫力が足りない。前半は、両チームとも決定機ゼロのまま終える。
だが、後半早々の48分、横浜FMに決定機が訪れる。右クロスを中央のマルキーニョスがヒールで落とし、走り込んだ小野がフリーでシュート。しかし、GK木村敦志の驚異的な反応のセーブに弾かれた。
61分には、ドゥトラのスルーパスを受けた齋藤学がゴールに向かって仕掛け、DFに倒されてPK獲得。ところがキッカー中村俊輔のシュートは、無情にもクロスバーを叩く。
横浜FMが一方的に攻めていたわけではない。G大阪は左サイドバック藤春廣輝の攻撃回数が増え、左サイドから崩しにかかる。藤春自身2本のシュートを放ったが、相手GK飯倉大樹の好守にもあい、ゴールならず。
終盤は、横浜FMが攻勢だった。中村のサイドチェンジと「裏へ裏へと蹴られた」(明神)ため、揺さぶられたG大阪ディフェンスが疲弊してきたからだ。そして、左サイドに張った小野のクロスから、何度かゴールを脅かすシーンもあった。しかし、結局スコアレスドローのまま、試合の幕は下ろされた。
横浜FMは連勝こそ止まったが、久しぶりの無失点試合は評価できるだろう。しかしながら、暑さと連戦の影響かもしれないが、ここ数試合に比べて攻撃が散発的で、そのキレ味も、もう一つ足りなかった。
G大阪は今季初の無失点で、リーグ戦は2試合連続引き分けに。守備は磨きがかかってきているが、課題は攻撃面か。「前線でボールが収まらない」(遠藤保仁)ため、G大阪らしい連動性のある攻めが影を潜めているようだ。FW陣の奮起こそ、下位脱出への鍵かもしれない。
横浜FMの方で、もう一つ特筆したいことがある。それは38歳の左サイドバック、ドゥトラのこと。ヤマザキナビスコカップ後、中2日の連戦で、コンディション面が懸念されたが、この日も90分間、走り切る。しかも、前半から長い距離を走り、激しく上下動を繰り返した。さらに前記の齋藤へのスル―パスなど、テクニックも錆びつくどころか、光っていた。
試合後は、囲み取材を受けていた若い選手を笑わせようと、記者たちの後ろから顔を出し、“変顔”を作って見せる茶目っ気も発揮。この38歳のブラジリアン、実に面白い。
以上
2012.05.20 Reported by 小林智明(インサイド)
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