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【J1:第12節 仙台 vs 名古屋】プレビュー:熟成と発展の過程で、多くのフォーメーションを使い分ける指揮官の駆け引きが熱い(12.05.18)

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この競技を観戦する楽しみの一つに、フォーメーションの分析がある。同じ4-4-2を採用するチーム同士の戦いであっても、あるチームはポジションをあまり動かさずに守備陣形を保ち、またあるチームは頻繁にポジションチェンジをして基本ポジションと攻撃態勢とを大きく変えて…と、まったく違う方法論で試合に挑むことも珍しくない。生きた人間同士がチームを組んでおこなう競技だからこそ、ただの数字の羅列に終わらないメッセージが、それぞれのチームが採用するフォーメーションには込められている。

今節にユアテックスタジアム仙台で対戦する仙台と名古屋は、ともに今季でチームを率いて5年目の手倉森誠監督とストイコビッチ監督がどのようなフォーメーションを先発で採用するのか、そして状況に応じてそれをどう変えていくのかが、面白い一戦と言えそうだ。

長期政権の中でチームを発展させてきた両指揮官は、熟成をマンネリにさせないため、そして戦い方の幅を広げるための努力として、新しいフォーメーションにも取り組んでいる。

名古屋の場合は個人能力の高い選手を最大限に生かすためのフォーメーションとして、4-3-3や4-2-3-1を基本として多くのかたちを採用してきた。
やはり高さがあり、足下でもしっかりボールをおさめられるケネディを最前線に配置するかたちを第一の選択肢として、スピードのある永井謙佑、抜群のテクニックを有する玉田圭司といったタレントを状況に応じて組み合わせ、厚い攻撃をしかける。今節は小川佳純を出場停止で欠くものの、厚い選手層は彼の不在を補うことが可能で、不安はない。高さと強さを持つ増川隆洋と田中マルクス闘莉王の両センターバックの前に守備範囲の広いダニルソンを配置する4-3-3の採用が濃厚だが、今季はダニエル加入により3バックにもトライしており、仙台対策のためにストイコビッチ監督がどのかたちを採用するのかに注目だ。

一方の仙台は、火曜日のACL・名古屋vsセントラルコーストを名古屋まで出向いて視察してきた手倉森監督が「やはり仙台戦に照準を合わせた選手起用をしてくるということが確認できました」と相手の心理を読み、ピッチに送りこむ選手の組み合わせを考えている。「オープンな展開になったとしても付き合わずに、コンパクトなかたちを維持したい。我々はコレクティブ(集合的・意訳すれば組織的)に戦います」(手倉森監督)という心構えなので、尚更フォーメーションを組む者たちの共通理解が求められる。今季の仙台は昨季と同じ4-4-2を基本としながらも、より高い位置でコンパクトな布陣を敷くことにも挑戦している。前節・G大阪戦では事前に4-3-3のオプションを準備していた一方で、実際の試合では1点を追う展開でMFを二人同時に代え、投入された梁勇基と松下年宏を組みこみつつ4-4-2を維持するかたちで追いつくことに成功した。この駆け引きもまた興味深い。「今季は去年よりも攻撃の選択肢が増えているので、強豪の名古屋に対してもボールを奪ってからどの手段でしかけるのか、そういう駆け引きで優位に立ちたい」と、昨季の第22節で名古屋を撃破したときの立役者の一人である田村直也も意気込んでいる。

もちろん、仙台ならば菅井直樹、名古屋ならば闘莉王のように、どんなフォーメーションであろうともいつの間にか前に出て点を取るような選手もいる。そういう存在に注目するのもまた、楽しみ方の一つだ。

4-4-2とか4-3-3とか、数字の並びはフォーメーションを理解する重要な要素だ。加えて、その「-」の部分、文章でいえば行間にあたる部分にも、多くのメッセージが込められている。スタジアムで観戦する人もTVで視聴する人も、両指揮官がベストを尽くすために「-」の部分に託したメッセージを読もうとしてみると、一層この試合を楽しむことができるのではないだろうか。

以上

2012.05.18 Reported by 板垣晴朗
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