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【AFCチャンピオンズリーグ2012 名古屋 vs CCMFC】レポート:雨も味方につけた名古屋が若手中心のセントラルコーストを一蹴。ラウンド16進出を決める(12.05.16)

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「コースは狙い通り。壁が動いた理由? 俺が動けって言ったから」
試合を優位に運ぶきっかけとなった先制の直接FKを沈めた玉田圭司が軽口を飛ばす。彼がこうした冗談を言うのは、チームと自分の状態が良い、少なくとも上向いている時だ。この先制点から試合を支配し、結果3-0で勝利した名古屋は1位通過こそ逃したが、無事にAFCチャンピオンズリーグのノックアウトステージ進出を確定させた。一時の不調を脱したかのような快勝劇に、ホームのサポーターも歓喜に沸いた。

引き分け以上でグループリーグ突破、しかし負ければグループリーグ敗退というプレッシャーの中で臨んだ一戦は、思わぬ展開を見せた。4月にすでにシーズンを終えたセントラルコーストは、コンディションこそキープしていたものの、実戦から離れたことでその迫力を欠いていた。「何としても勝利するため」(アーノルド監督)に布陣をダイヤモンド型の中盤の4-4-2とし、FWを増やして臨むなど指揮官はチームに刺激を入れていたが、それもさほどの効果はなかった。さらには「20歳の選手が今日はスタメンに5人いた」ことで、試合運びもどこか落ち着かない。オーストラリアの本拠地で名古屋を圧倒したチームは、この日のピッチにはいなかった。

一方で名古屋もまたメンバーを入れ替えて臨んでいたが、こちらはさしたる影響なくプレーした。前日会見でケネディの欠場が指揮官の口から発表されていたが、さらに当日のメンバー表には少しのサプライズがあった。ダニルソンと永井謙佑がベンチスタートとなり、代わって吉村圭司と田中輝希がスタメンに名を連ねる。布陣は土曜日の神戸戦で成功を収めた4-3-3で、1トップは金崎夢生が務めた。慣れないメンバーは序盤こそセントラルコーストに対し後手に回ったが、10分を過ぎたあたりからペースを取り戻し、反撃に転じる。その勢いをつけたのが19分の玉田のFKだった。アーノルド監督も「あれで試合の流れが変わった」と悔やんだセットプレーは、ペナルティエリアほぼ正面。6枚の壁の左端を狙ったシュートが壁の間を抜け、鋭くゴールに突き刺さった。多くの名古屋の選手が「あのFKで楽になった」と証言する一撃で名古屋はさらに加速。試合開始直後まで降り続けた雨で濡れたピッチを利した速いパスで相手守備陣を翻弄し、36分には小川佳純のスルーパスに抜け出した藤本淳吾が華麗なループシュートを沈めてリードを広げた。

後半は立ち上がりから逆襲に出たセントラルコーストが攻勢に出る場面もあったが、名古屋の守備陣が体を張った守備で食い止める。その時間帯を何とかやり過ごすと、再び主導権を握り返した。するとストイコビッチ監督は18分に玉田と田中輝を下げ、永井と田口泰士を投入。33分には藤本に代えて吉田眞紀人をピッチに送り、週末のリーグ仙台戦を考慮した用兵に出た。その間も65分、71分、75分、と決定機を作るなど交代策は成功。87分にはセットプレーから田中マルクス闘莉王がダメ押しの3点目を決めて試合を終わらせた。「欲を言えばもう1点欲しかったけど」とは小川の言だったが、グループ1位突破のためにできるだけ得点を取っての勝利という、この日の目標はほぼ達成できた。

他会場の結果を除けば、ほぼ望んでいた通りの結果を出したチームは、選手の疲労を考慮したローテーションと試合中の選手交代まで成功させた。様々な策を講じるも、思うような結果と内容が伴わなかったこの1ヵ月あまりが嘘のような好循環ぶりである。もちろん、セントラルコーストが置かれた状況は不利であったかもしれないが、そういったものを全て踏まえても、望む通りの結果を出すのは意外に難しい。特にACLという舞台は国内リーグに比べても不確定要素が多く、ストイコビッチ監督も「悔いが残るのは天津泰達戦(4戦目)。0-0で引き分けたが、あの試合は勝ちたかった」と語るほど。しかし好調時の名古屋はとにかく結果を出すことが最大の特徴だ。その意味で、名古屋は本来の姿を取り戻しつつある。

他会場の結果を受け、一発勝負のラウンド16はアウェイで戦うことが決定。昨季は負傷者の影響もあり敗退したラウンドに、キャプテンの楢崎正剛は「次も絶対落とせない。一発勝負やしね。そこだけは大事にしてやりたいですね」と語った。「日本を代表しているから、あっさり敗退するわけにはいかない」とも。日本代表として数々の国際試合を戦った男の言葉には重みがある。初挑戦でベスト4、2度目はノックアウトステージ初戦敗退、そして3度目となる今季こそ……。アジア制覇への可能性をつないだ名古屋が、2週間後のアウェイでどのような戦いを見せてくれるか楽しみだ。

以上

2012.05.16 Reported by 今井雄一朗
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