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【J2:第14節 熊本 vs 甲府】レポート:ボールは保持しながら主導権を取れなかった甲府と、ペースは掴みながらも点が奪えなかった熊本。ともに連続未勝利を伸ばすスコアレスドロー。(12.05.14)

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この試合が熊本に加入して初めての先発となった岩丸史也は、「GKが僕に替わって、皆がシュートを打たせないようにしてくれたのかも」と笑いながら振り返ったが、前半のアディショナルタイムに迎えたピンチもきっちり抑えた。76分に片桐淳至のシュートがポストを叩く場面があったが、これもDFとの連携を含めたポジショニングでコースを限定したからであろう。クロス等に対しても果敢に飛び出すなど、終止安定した反応を見せた。
特に前半は、ボールを保持していた甲府が押し気味に試合を進めていた印象だが、公式記録に残るシュート数やコーナーキックの本数からも如実に分かるように、思惑通りに試合を運ぶという意味でゲームをコントロールしていたのは、逆に熊本の方である。
その大きな要因が、守備で狙いとした対応ができたこと。ボールを持たれる時間が長い中でも、市村篤司と片山奨典の両ウイングバックが3バックの脇のスペースを埋め、藏川洋平と原田拓のボランチ2枚もステイしてバイタルを閉じる。実際には、「振られていて結構きつかった」と原田が話す通り、伊東輝悦と保坂一成のボランチに自由にボールをつけさせてしまう場面が多かったものの、最後にボールが入ってくる中央のエリアでマークを外したりする場面はほぼ無く、結果的には「持たせている」と表現しても良さそうな展開。城福浩監督が「崩す上での工夫」と「ゴール前の迫力」が不足していたと述べている通り、甲府にほとんどチャンスらしいチャンスを作らせなかった守備は、ここ数試合で増してきた安定感を表現できたと言っていい。
ただ、いい守備ができていたからこそ、点が欲しかった。スペースを消すことで甲府の攻撃の持ち味を出させないことに成功した熊本は、だがいつも以上にボールを奪う位置が低く、またオーバーラップしてくる甲府の両サイドバックへのケアで2人のシャドウが開かされたことも影響して、攻撃の部分での狙い、すなわち早い切り替えで背後を突くという形は、決して多く出せていたわけではなかった。そんななかでも、前半のシュート数は甲府の1本に対して3本、コーナーキックも4本(甲府は1本)を得るなど、サイドの深い位置まで入り込む攻撃は見せている。しかし17分の福王忠世の2本続けてのシュートも、五領淳樹の個人技から迎えた35分のチャンスも、ネットを揺らすには至らない。

後半に入ってゲームが動くようになったのは、甲府の城福監督が流れに変化をつけようと先にカードを切ったからだが、逆に熊本は前半の反省を生かして甲府の中盤へのアプローチを強め、両ワイドが上がる回数も増やした。だが65分までの約20分間で得た6度のコーナーキックも、得点には結びつかない。齊藤和樹から武富孝介、五領淳樹から養父雄仁と、攻撃をシフトアップさせようとした交代の直後の72分に2枚目の警告を受けた原田が退場し、1人少ない状況になって以降も押し込まれたわけではなく、後ろを4枚にするなど守り抜くことを前提にしつつ、88分には武富、90+2分に市村と、いずれも交代出場の養父が絡んでチャンスを作っている。ただ、とにかくシュートがゴールに入らない。結果はスコアレスドローとなった。
甲府にしてみれば、倍のシュートを許しながらも無失点に抑えてアウェイで勝点1を得るという最低限の結果は残したものの、内容的には負けなくて済んだと言った方が適しているようなゲーム。次節はダヴィも山本英臣も戻るが、この日見えたのは、2人が戻るだけで改善できるような、簡単な課題ではなさそう。フィニッシュが決まらない熊本の攻撃に助けられた格好だが、これで4試合勝ちなし。「ポジティブな空気を作っていかなければいけない」という城福監督の言葉は軽くない。
一方、点が取れなかったことでまたも勝点2を手にし損ねた熊本は、実に8試合未勝利と、いまだトンネルを抜け出せずにいる。それでも、以前に比べ枠内に飛ぶシュートの割合はわずかながらも高まっているし、甲府の低調ぶりを差し引いても、ゲーム内容は悪くはなかった。「すぐに技術が高くなることはない」(高木琢也監督)以上、継続していくほかはない。ただ、順位は17位に上がったが最下位との勝点差は1試合でひっくり返る範囲にいることも忘れてはならない。今季目指す形を内容で表現する以前に、まず必要なのはやはり結果。次節以降、千葉、山形と上位陣との連戦だが、信じて前に進むしかない。

以上

2012.05.14 Reported by 井芹貴志
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