今日の試合速報

ブルーロックLP
ブルーロックLP

J’s GOALニュース

一覧へ

【J1:第11節 鳥栖 vs 大宮】レポート:逃げ切れなかった大宮、追いついた鳥栖。互いに希望と課題を露呈した試合は引き分けに終わる(12.05.13)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
サッカーとは、点を取り合うスポーツとわかっていても、なんとも釈然としない部分がお互いに残ったのではないだろうか。

攻めに攻めた前半に決めきれず、後半の1チャンスで決められてしまった鳥栖。逃げ切る態勢に入った直後のオウンゴールで同点とされた大宮。終了間際に追いついた鳥栖が『負けなかった…』のか。先制し、逃げ切りを図った大宮が『勝てなかった…』のか。この感じ方は、読まれる方の立場によって変わるところだろう。
しかし、この試合を振り返ると、私の感じ方は少し違う。
決定機に決めきれずに最後まで苦しんだ鳥栖は『勝てなかった』が、相手のオウンゴールで追いつくことができた。大宮は選手交代で鳥栖のミスを突いて、少ないチャンスを生かして得点を決め、逃げ切れなかったが『負けなかった』とも言えないだろうか。

今節の鳥栖は、前半から多彩な攻撃を見せた。開始早々には、FW野田隆之介がヘディングシュートを大宮に浴びせた。32分には、MF金民友が強烈なボレーシュートを放った。前半終了間際には、再び野田隆之介がゴール角を狙ったシュートを放つも、GK北野貴之(大宮)がかろうじてはじき出した。これらは、すべてサイドを起点としたクロスから生まれたもの。開始1分の野田のヘディングは、左サイドDF呂成海からのクロス、32分は右DFの丹羽竜平のクロスからのクリアボールに金民友が反応したものだった。終了間際45分のシュートもMF水沼宏太のクロスからピンポイントで野田隆之介に渡った。
これらだけではない。22分には、相手ボールを奪った水沼宏太が相手GKの位置を確かめて約50mのロングシュート放ち、25分には相手GKが体勢を整える前に金民友が約20mのFKでゴールを狙った。

今まで、『堅守』のイメージが強かった鳥栖が、これだけの多彩な攻撃を見せることができていたのは、3戦引き分けが続いていたことに対する勝利への執念だったのかもしれない。それに加え、大宮のプレスをうまくかわし、ピッチ幅をうまく使った攻撃が機能していたからだろう。しかし、いくら多彩な攻撃を見せても、決定的なチャンスを迎えても、大宮のゴールは遠かった。

このような状況を打破するべく、先に手を打ったのは大宮だった。59分にFWラファエルを入れて前線の活性化を図る。前半はFW長谷川悠のヘディングシュート2本など合計3本に抑えられていたので、この交代は運動量が落ちてきた鳥栖に対して非常に効果的だった。
それが実を結んだのは82分。右サイドに流れたMFカルリーニョスとラファエルのパス交換から右サイドで起点を作ることができた。ラファエルが中央にドリブルで切り込むと、鳥栖DFとボランチはその対応に追われ、中央でMF青木拓矢をフリーにしてしまった。青木が落ち着いてゴール左に決めたところで、残り時間と鳥栖の運動量を考えると勝負が決まったかのようにも見えた。さらに鈴木淳監督は、DF金英権を入れて逃げ切りの態勢に入った。
ただ、追い込まれた鳥栖は最後まであきらめてはいなかった。DFキム クナンを最前線に上げてパワープレーを仕掛けたり、長期のリハビリから復帰したMF早坂良太をFWに入れたりと最後の抵抗を試みた。この執念がアディショナルタイムに意外な形で結果を出すことになると予想した人は少なかっただろう。MF藤田直之のロングスローが、GK北野貴之(大宮)の伸ばした手を越えて、飛び込んだ早坂良太ともつれた大宮選手のオウンゴールとなるとは…。

この試合を『勝てなかった』と見るのか『負けなかった』と見るのかは、分かれるところだろう。多彩な攻撃を続けていても1チャンスで決められてしまうこともあるし、残り時間を逃げ切る態勢をとっても意外な形で失点することもあることを思い知らされた。お互いに手ごたえと課題を多く感じた試合ではなかっただろうか。

相手があることなので、意図しないことが起きることがあるサッカー。
得点につながれば歓喜となるが、失点となれば憔悴になる。これがドラマだと割り切るのは第三者の意見。
しかし日頃からの苦しい練習を乗り越え、全力を出し尽くすからこそ起きる現象もある。
サッカーは、終了の合図がなるまで何が起きるかわからないスポーツなのだから。

以上

2012.05.13 Reported by サカクラゲン
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

テレビ放送

一覧へ

明治安田J1リーグ 第30節
2024年9月14日(土)19:00 Kick off

旬のキーワード

最新動画

詳細へ

2024/09/14(土) 00:00 ハイライト:川崎Fvs鳥栖【明治安田J1 第30節】