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【J1:第11節 神戸 vs 名古屋】レポート:名古屋が執念で勝る。神戸は前半の失点が最後まで響く(12.05.13)

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かたや本来のスタイルを取り戻し、2連勝の勢いを持っていたチーム。こなた2連敗中で本来の輝きを見失いかけていたチーム。
対照的な両チームの対戦は、後者の名古屋が輝きを取り戻す結果となった。

今節の名古屋は、ストイコビッチ監督が試合後の会見で「昔のグランパスというか4−3−3で臨んだわけですけれども、動きは良かったと思います」と振り返るようにシステムを変更してゲームに入った。前線に永井謙佑、ケネディ、玉田圭司の3枚を配し、その後ろに小川佳純、ダニルソン、藤本淳吾を置く布陣。ダニルソンを1ボランチ的に残し、小川佳、藤本が前線の競った後のセカンドボールを拾って、そこからショートパスやサイドチェンジなどでリズムを作る、といった意図が見てとれた。特に前半は顕著だった。

名古屋は前半の立ち上がりから、最終ラインの田中マルクス闘莉王や増川隆洋がロングフィードを繰り返し、ケネディが身体を張ったポストプレーでボールを落とす。その周りを精力的に動く永井、玉田、小川佳、藤本がセカンドボールを拾って攻撃に転じた。ゴール前での早いワンタッチプレーで神戸DF陣のマークを外しながら、撃てるタイミングで積極的にミドルシュートも放っていく。前半16分には、永井が技ありのループシュートを放ち、その約1分後には闘莉王が神戸の最終ラインの裏へ飛び出し、決定的なチャンスを作る。前半19分には、ケネディが頭で競り勝ったセカンドボールを玉田が拾い、ペナルティエリア内にドリブルで侵入する場面もあった。玉田と永井がワイドに張ることでできたケネディの両サイドのスペースに、小川佳と藤本が2列目から飛び出すシーンも見られた。狙い通りの展開だったといえるだろう。

ただ、神戸にとって、この名古屋の攻撃は想定内でもあった。ボランチの大屋翼も「(名古屋のハイボールについて)そこはもう高いので負けるのを前提にして、セカンドボールを拾っていこうという方向で。結果的にもハイボールで崩された失点はしていない」と振り返っている。逆に、名古屋が前がかりになった後にできるダニルソンの両サイドのスペースを狙うというコンセプトで試合に臨んでいた。
その狙いが的中したのは、前半27分。相馬崇人と伊野波雅彦が厳しいプレスでボールを奪うと、伊野波が素早くバイタルエリアで待ち構える小川慶治朗へフィード。ボールを受けた小川慶がボレー気味に反転シュートを放つ。小川慶はこのプレーについて「シュートの球が弱かった。でも、チームとしてシュートを狙っていこうというエリアで撃てたのは良かった」と振り返っている。名古屋対策として、練習でもバイタルエリアでボールを受けて1タッチ・2タッチでミドルシュートを撃つことを意識してきた。
前半35分過ぎの決定機もバイタルエリアへの意識から生まれる。吉田孝行、小川慶、野沢拓也とショートパスをつなぎ、野沢からセンターアーク付近にいた朴康造へグラウンダーのパスが入る。それを朴がダイレクトでシュートするも、惜しくもバーに嫌われる。そのこぼれ球を拾った神戸は、もう一度サイドへ展開し、最後は吉田がゴール前でヘディングシュートへ持ち込む。バイタルエリアを崩し、そこから2次・3次攻撃を仕掛ける神戸の狙いがハマった瞬間だったと言える。

この連続的に訪れた2回のチャンスで神戸に流れが傾くかと思われたが、先制点を奪ったのは名古屋だった。前半42分、ケネディがペナルティエリア内で相馬を交わして中央へ折り返すと、それを走り込んで来た玉田が右足でちょこんとゴールへ押し込む。ほとんどシュートコースが消されていた中での玉田の技ありゴールで名古屋が息を吹き返し、名古屋が1点リードで前半を折り返した。

後半は、逆に神戸が名古屋のお株を奪うような、内、外、内といった攻撃のリズムを立ち上がりから披露する。51分に大久保嘉人、森岡亮太を投入したことでボールも落ち着き、右サイドバックの奥井諒や相馬のオーバーラップの回数も増えた。また、イ グァンソンがケネディへのハイボールを跳ね返す回数も増え、神戸のオフェンスタイムが必然的に長くなる。71分には、名古屋・阿部翔平から増川へのバックパスを奪った大久保がGK楢崎正剛と1対1の決定的な場面も作った。残念ながらこの好機は猛スピードで戻った闘莉王に阻止されたが、神戸が優勢に試合を進める展開だった。
だが、ゴールが決まらない。フィニッシュに精度を欠いた神戸は、1点ビハインドのまま試合終了を迎え、対名古屋戦6連敗という苦汁を舐めさせられた。

勝敗を分けたポイントは何だったのだろうか。
試合後の記者会見で、監督代行3試合目の神戸・安達亮ヘッドコーチは「前半の最後での失点で、ちょっと集中力が切れたというか。(中略)後半は狙い通りの攻撃とチャンスを作れたが、そこで決めきれなかった。その結果が0−1ということです」と渋い表情で振り返った。
逆に名古屋のストイコビッチ監督は「選手に言ったのはこのゲームの重要性、いかに大切かを話してきました。最初から最後まで集中力が切れなかったと思います」と安堵の表情を浮かべた。
内容的には、どちらに勝利が転んでもおかしくはなかったが、連勝で今節を迎えた神戸と、背水の陣で挑んだ名古屋とでは勝利への執念に多少の差があったのかもしれない。

印象に残ったのは試合後のミックスゾーンに現れた名古屋の永井謙佑だ。「ここまで頑張れば勝てるというのがわかった」と90分間を振り返った永井の顔には、全力を出し切った清々しさと疲労感の両方が浮かんでいた。

以上

2012.05.13 Reported by 白井邦彦
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