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【J1:第9節 広島 vs 新潟】プレビュー:前人未到の9年連続二桁得点まであと3点。偉大な紫の11番=佐藤寿人を中心とする広島の攻撃か、それとも新潟の堅守か。(12.05.03)

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第5節のG大阪戦で「J1通算100得点」を達成したばかりの佐藤寿人が、さらに偉大な記録を樹立しようとしている。前人未到の「9年連続二桁得点記録」である。

2004年、当時J2だった仙台で20得点をゲットして以降、8年連続して二桁得点を記録。これはジュニーニョ(鹿島)と並ぶJ最長。うち2年間がJ2で(ジュニーニョも同様)、J1だけの連続では3年(最長記録はエジミウソンの7年連続)。ただJ1通算6度の二桁得点はエジミウソンの7度に続き史上2位タイ。これを偉大と言わずして、どう表現すればいいのか。しかもジュニーニョは昨年、連続二桁得点記録が途絶えている。「9年連続」に挑戦できるのは、紫のエースのみだ。

開幕前、佐藤寿人は「昨年の8年連続二桁得点達成時は、目に見えない重圧を感じた」と語る。実際、9点目を記録した対磐田戦(9月17日)以降、6試合連続無得点。結局、11月26日の第33節・対大宮戦でようやく達成できた。これは2007年の11試合連続に続く「不調」。2010年には9得点を達成した時点で右肩鎖関節脱臼による長期離脱を余儀されたこともあるが、この時は復帰初戦の第29節・浦和戦で得点を決めており、昨年は佐藤の記録にとって最大のピンチだったと言っていい。

だがその苦しみを乗り越えた佐藤寿人は今季、絶好調だ。8試合で7得点と「佐藤寿人史上最高」の滑り出し。2006年9月30日・対川崎F戦以来のハットトリックを達成すれば、今節で一気に大記録樹立。「いや、それは……(笑)。まずは、一つ一つです」と佐藤は笑うが、対新潟戦で12試合7得点という過去の実績、彼が「過去、もっとも印象に残るゴール」という広島移籍後初得点がGW中の対新潟戦(2005年5月1日)だったことを考えても、新潟との相性の良さは否定できない。

その新潟は、今季わずか1勝と結果こそ出てはいないが、8失点はリーグ5位。前節はリーグ最多得点を誇る仙台をPKによる1失点に抑えた。「新潟は堅実でしぶとく、全員がさぼらないチーム。それがチームカラー」と中島浩司は言う。特に鈴木大輔(U-23日本代表)と石川直樹の二人のCBがコンビを組んだ第5節以降の4試合はわずか2失点。新潟の組織的な守備は機能し始めている。

一方、広島の攻撃は迫力に満ちている。1試合平均1.75得点(リーグ2位)という数字だけではなく、内容が多彩だ。わずか2本の縦パスで石原直樹がゴールを陥れた「速攻」もあれば、23本のパスを縦横に回し、青山敏弘のサイドチェンジでスイッチを入れ、ファン ソッコのオーバーラップからのクロスを佐藤が叩き込むというワイドな「遅攻」もある。FWのスペースを消すために引いて守ったとしても、名古屋戦では森脇良太がミドルシュートをゲット。速攻と遅攻のバリエーションやストッパーの攻撃参加、リベロとボランチから次々と繰り出される長短のパス。2009年、4位に入ってACL出場権を獲得した時のような躍動感が、今の広島には生まれている。

広島の攻撃vs新潟の守備、という図式が予想される明日の対決だが、最終的なキーワードはやはり「佐藤寿人」だ。大記録に邁進する彼を抑え込めれば、広島の攻撃力は半減する。ただ、今の佐藤にいいクロスやスルーパスが入れば、どんなに厳しくマークをつけても失点を防ぐことは難しい。今季、彼を無得点に抑えたのは清水・鳥栖・名古屋だが、彼らも佐藤には決定的なシュートを打たれている。紫の11番を完璧に押さえ込んだチームは、今季はまだ存在しない。

新潟にとっては、リベロやボランチなど「パスの基点」を徹底マーク、前線への縦パスを寸断した鳥栖の闘い方が参考になる。攻守にわたる司令塔=森崎和幸が出場停止という現実は、そういう意味でも好材料だろう。ただ広島には中島浩司や森崎浩司ら経験豊富なボランチが存在し、チーム力が大きく落ちるとは思えない。実際、森崎和不在で闘ったヤマザキナビスコカップの2試合は確かに未勝利(1分1敗)だが、この時は彼の他にミキッチや山岸も欠場、佐藤や森脇も先発から外れていた。にも関わらず、内容では広島が制していたのである。

いずれにしても明日の試合は、「佐藤寿人」という偉大なストライカーを広島がどう活かすか、新潟がどう潰すか、この1点に尽きる。ここ最近は不安定だった天候も、どうやら明日のキックオフ時には晴れの予報。広島ビッグアーチでは今、熱戦の予感を静かに漂わせつつ、決戦に向けての準備が進む。

以上

2012.05.02 Reported by 中野和也
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