Ｊ２第11節・東京Ｖ戦で、宮沢克行選手のＪ１・Ｊ２リーグ戦通算出場数が３００試合となった。
じつは、これに先だって宮沢選手に囲み取材をしていたのだが、これがなんともいい味を出した、あまりにも宮沢選手らしい内容だったので、その全容をここに紹介したい。

Ｑ：次の試合が、Ｊリーグ通算３００試合目の出場となりますが？
「……そうなんですか（笑）。何試合したら達成できるというのは聞いてましたけど、あまり……（３００試合で）合ってます？それ」

Ｑ：３００という数字については？
「わからないですね。興味がないわけではないけど、気にしてないというか、気にしてないわけではないけど、今そういうことを落ち着いて感慨に耽ったりということをする雰囲気じゃないというか。自分のなかで、その数字に対して固執してないというか。今言われて、『あ、そうなんだ』というぐらいの今は気持ちです。でも３００試合とか出て、喜んでくれる人がいたり、僕のことを個人的に応援してくれている人がうれしく思ったりしてくれれば、それがうれしいかなという気持ちではあります。
というか、次が、でしょ？　なので、出たときに言ってください。でも、出たらそれはそれで『もう終わったことなので』って言うと思いますけど（笑）。出ると決まって、出たときに聞いてほしいですね。試合に出ているときに、プレー中に聞いてください（笑）。でも、出られたら、そういう記録が素直にうれしく思うんですけど」

Ｑ：この数字よりも大事なことがある、という感じですか？
「もうここ何年かは、１試合１試合気持ちを込めて戦うというか、そういう試合をしてきたつもりだし、それは変わらないので」

Ｑ：だからこそ、３００という数字に価値があるんですね。
「そう言ってもらえればありがたいです。また１試合１試合重ねていきたいと思います」

宮沢選手は１９９９年、明治大から浦和レッズに加入したが、在籍した３シーズンでのリーグ戦出場は８試合にとどまっている。その選手がたどり着いた３００試合という数字は、数々の巡り合わせと、何よりも宮沢選手本人の努力を抜きにしては語れない。
３００試合のうち、Ｊ１の90試合、Ｊ２の１２７試合（第11節現在）が山形のユニフォームを身に着けてのもの。これだけたくさんの試合を山形で戦ってくれたことに感謝するとともに、４００試合出場のときまでに、プレー中の宮沢選手にインタビューする方法をなんとか考えておきたいと思う。

以上

2012.05.01 Reported by 佐藤円